
The Birthday
COME TOGETHER TOUR 2014

5月31日(土)横浜Bay Hallからスタートした「COME TOGETHER TOUR 2014」の前半戦最終日。17ヶ所でライヴを繰り広げ、正に転がる岩の如き勢いが超満員の「ZEPP TOKYOの古い方」(by チバユウスケ)で炸裂した。最小限のMCで只管ロッキン&ローリンする4人は、波打つ絨毯のような客席と一続きのステージ上の絨毯の上で、4つの火の玉となり、氷柱となり、何よりも尊い人間存在であり続けた。The Birthday=誕生日というバンド名に籠めた思いは、この世に「生」を受けたからには全身全力で生き続けよう、という宣言なのかもしれない。此の4人にとって「生きる」ということはロケンローすることである。こんなくそったれの世界でも、否、くそったれだからこそ、どうしようもなく愛おしい。「明日も生きていてくれるかな?明日も死なないでいてくれるかな?」という言葉はアーバンギャルドのエンディングのコール&レスポンスだが、無口なロケンロー4人組の想いもまったく同じに違いない。心の底から「生きろ!」と叫ぶことこそ、このこんがらがった世界に必要なメッセージなのである。
SET LIST
1.LOVE GOD HAND
2.Buddy
3.アイノメイロアイノネイロ
4.ROKA
5.星の首飾り
6.KIMAGURE KING
7.STAR MAN
8. KNIFE
9.LEMON
10.VIRGIN NUDE BEAT PARTY
11.JOIN
12.なぜか今日は
13. SAKURA
14.PIERROT
15.情熱のブルース
16. 星に願いを
17.くそったれの世界
18.COME TOGETHER
encore1
19.PISTOL
20.涙がこぼれそう
encore2
21.READY STEADY GO
⇒The Birthday@横浜ベイホール 2014.5.31(sat)
●アベフトシ

奇しくも翌日7月22日はThee Michelle Gun Elephant時代の盟友アベフトシの命日。当然チバやクハラカズユキの心には深い想いが漲っていたに違いない。若くして生=ROCKを捨てざるを得なかったアベの分も精一杯生きてROLLし続けよう、そんな気持ちがZEPP TOKYOを光り輝くROCK'N'ROLL BIRTHDAY PARTYに導いたことは間違いない。
冥界から
とんでもない歌
鳴り響く
この機会に、二人の方に追悼の意を表したい。
●副島輝人

70年代から音楽の前衛を見つめ語り育ててきた副島氏に会ったのは2回きり。昨年6月8日「世界フリージャズ記」のプライベートな出版記念の集いに縁あって呼んでいただき、初対面の若輩者の戯れ言を、辛抱強く聞いていただいたこと。7月20,21日の「JAZZ ARTせんがわ2013」でお会いして、喫茶店で80年代のヨーロッパのジャズ祭での貴重なエピソードを聞かせていただいたこと。限りない探究心と包容力が副島氏の生の証だった。
⇒アヴァンギャルド革命のドキュメント~「世界フリージャズ記」
●ジョニー・ウィンター

中学時代の友人の話では、休み時間に仲間とキャンディーズやピンク・レディー、クイーンやキッスやベイ・シティ・ローラーズの話をしていた時に、それまで口もきいたことのない転校生に「ねえジョニー・ウィンターって知ってる?」と話しかけられたのが筆者と出会いだったという。中3の春、筆者のヒーローは間違いなくジョニー・ウィンターだった。卒業祝いに買った初めてのエレキギターはグレコのフィアーバード・モデル。高校でも下敷きにジョニーの雑誌の切り抜き写真を入れていた。それを見たクラスメイトに「ギターがもの凄くうまいんでしょ」と言われて無性に嬉しかったことを覚えている。ジョニーに関しては2011年と2012年の来日公演である程度想いを遂げた気がする。
⇒ジョニー・ウィンター@Zepp東京 2011.4.15(fri)
⇒ジョニー・ウィンター/サニー・ランドレス他@日比谷野音 2012.5.27 (sun)
「明日も生きていてくれるかな?」という問いに本心から「いいとも!」と応えても、それが許されない人もいる。自分にもいつどんなことが起るか判らない。だからこそ、間違いなく生きているこの瞬間を愛おしみ大切にしようと決意を新たにするのである。