lo-fi dream psych folk rock band
☆Ché-SHIZU シェシズ
向井千惠 MUKAI Chie[胡弓er-hu,piano,vocal]
工藤冬里 KUDO Tori[guitar,vocal]
西村卓也 NISHIMURA Takuya[bass,vocal]
高橋朝 TAKAHASHI Tsukasa[drums,vocal]
☆タコ taco
山崎春美 YAMAZAKI Harumi [voices,acts]
後飯塚僚 GOITSUKA Ryo[electric violin, dance]
open 18:30/start 19:00
adv 2300yen/door 2500yen+1drink order
@ラストワルツ Last Waltz,tokyo
東京都渋谷区渋谷2-12-13八千代ビルB1F
03-6427-4651
JR渋谷駅より10分
10minuits walk from JR Shibuya station
タコとシェシズ。この組み合わせは80年代前半吉祥寺や荻窪や高円寺のライヴハウスに通った者にとっては、大脳の海馬を刺激し、記憶を活性化しデジャヴ映像を眼前に映し出す効能があるやも知れぬ。21世紀も15年過ぎた今、こうした地下マイナー音楽のひと時代を築いた者等が集まり、不穏な宴を繰り広げるとの噂を耳にして、取り急ぎパトロールに出掛けた。近年盛り上がるハロウィーンのコスプレ姿は渋谷西口には見当たらなかった。
●タコ taco
(写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)
テン年代に入って散発的に活動してきたタコが山崎春美と後飯塚僚のデュオに渡邊未帆を加えて登場。MC風に始まった山崎の「ことば」がいつしか怒号交じりのパフォーマンスに変わり、後飯塚が電子ヴァイオリンを激しく弾きながら痙攣ステップを踏む。渡邊が単調なリズムを鳴らしはじめ、電子ノイズが轟音に変わると共に、山崎が激した怒声を上げ、マイクスタンドを揺すって痙攣パフォーマンスへと突入。ビリビリ感電するように捩じれた二つの身体が最前列の筆者に襲いかかって来るのではないか、と内心ビクビクワクワクした。否応なく溢れ出る「ことば」が80年代マイナー音楽を象徴する事件であることは間違いない。
●Ché-SHIZU シェシズ
本来なら16年ぶりのニューアルバムのレコ発の予定だったが、予定は未定の定説通りリリースが遅れ間に合わなかった。新作は先の楽しみに取っておいて、とにかく目の前の異形の四人組に集中。これまでシェシズは2度観たことがある(2008年2月と2011年3月震災の約10日後)。最初の時はドラムレスのトリオだった。そもそも向井千惠が弾く胡弓という楽器自体、音程が不安定で行き先が定まらない無重力感があるが、それに輪をかけて重力から解放された、と言うより万有引力が作用を及ぼすことを放棄した異形人の集合体である。普通なら崩壊してしまうアンサンブルを繋ぎ止めるのは確かな存在感を持つメロディー=「うた」である。「短調」「Minor Code」と名付けらる以前に存在する郷愁を表現する「うた」の存在がシェシズをシェシズ足らしめ、30年に亘り日本の音楽シーンに棲息せしめて来た。マヘルのホーン部隊を加え「Hold On I'm Coming」をゴーゴーダンスで歌う向井の姿は、「うた」を「うたう」ことこそ即興行為の最大の武器であることを全身で表現していた。
終わらない
「ことば」と「うた」の
二重奏
⇒山崎春美率いる伝説のバンド、TACOおよびガセネタが本格再始動