A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【私のB級サイケ完全コレクション#1】自分のコレクションをABC順に全部聴き倒す無謀な試みスタート!A.B.Skhy/Aum/American Blues/Ashes/Aorta etc.

2020年06月18日 00時22分48秒 | 素晴らしき変態音楽


最近困ったことはブログで書くネタがないことだ。ライヴがない上に基本在宅勤務で外出しないので新しいトピックが皆無なのだ。必然的にブログは回顧的なディスクレビューや思い出話になってしまう。それももはやネタが尽きた。。。と思ったが部屋の中を見渡せば一生かかっても聴きつくせないレコードやCD、本や雑誌の山。こうなったら在宅期間中に持ってるレコードを全部聴き直してみてはどうだろう。実際に買ってから一度しか聴いていないレコードもたくさんある。盤魔殿で閉じ込められた音楽の解放を謳っているくせに、自分の家にレコを幽閉している矛盾。そこでまずはサイケデリックロックのコレクションをABC順に聴いていくことにした。もちろん在宅勤務中のBGMなので深く聴きこむわけにはいかないが、流しながら音の印象を綴っていくことにしよう。厳密なアルファベット順(AA~AZなど)にするのは億劫なので、アーティスト名の頭文字でまとめる。レーベル・番号は所有しているレコードのもの。購入日・購入店・購入価格がわかるものは記載する。ジャケ写は現物。筆者のレコード棚の順番にアメリカのバンドからスタートする。1日10枚程度を目標に聴いていけば、1年後にはコレクションの完全リストが出来上がる予定である。

●A.B.Skhy / A.B.Skhy

1969 / US: MGM Records ‎– SE4628 / 1986.10.7 下北沢レコファン ¥850

68年ミルウォーキーで結成されたエレクトリック・ブルースバンドNew Bluesが、サンフランシスコに移りA.B.Skhyに変名。フィルモア等でのライヴ・パフォーマンスで名を成す。メンバーはDennis Geyer: vocals(g), Howard Wales(org), Jim Marcotte(b), Terry Anderson(ds)。オルガン入りブルースロックが基本。ドアーズを思わせるが、ホーン・セクションを配した豪華なプロダクションはお金がかかっている。1970年にキム・フォーリー・プロデュース、マイケル・ロイド・アレンジの2ndアルバム『Ramblin' On』を出している。つい最近日本でCD再発された模様。

A. B. Skhy - You Upset Me Baby (CD Version) [Electric Blues] (1969)



●AUM / Bluesvibes

1969 / UK: London Records ‎– HAK 8401 / 1992.2.17 London Reckless Records £15

68年サンフランシスコで結成されたロック・トリオ。メンバーはWayne Ceballos(vo,g,p), Ken Newell(b), Larry Martin(ds)。69年1月フィルモア・ウェストの新人オーディションに合格し、フィルモアのレギュラーバンドとなる。 デビュー・アルバムの本作はストレートアヘッドなブルース・ロック。3ピースのシンプルな編成はクリームを彷彿させる。Wayne The Harpのサイケギターが冴えわたるA-2 Mississippi Mudをはじめ、これぞサイケデリック・ブルース!といえる会心作。ジャケットもかっこいい。所有しているのは英国モノラル盤だが、モノラルならでは密なサウンドが迫力たっぷり。

Aum - Mississippi Mud (US 1969)



●AUM / Resurrection オウム / キリストの復活

1970 / JP: CBS/Sony ‎– SONP 50223 / 1986.8.15 吉祥寺TONY ¥1,000

米フィルモア・レコードからの2ndアルバムはレリジャス・サイケに転身。プロコル・ハルムやアイアン・バタフライ風のスローテンポなナンバーが多く、コーラスハーモニーを活かした曲もあるが、ソフトロックではなく、ソウルフルなゴスペル調。随所に達者なファズギターが聴ける。「Hey Joe」を思わせるアップテンポなナンバーA-4 「Bye Bye Baby」、。重厚なコーラスとサイケギターが盛り上がるB-1「Today and Tomorrow」が秀逸。バンド名にちなんだB-3「Aum」は某教団の歌より素朴な信仰心に満ちていて信じられる。バンドは70年に解散。メンバーの足取りは明らかではない。

AUM - Resurrection



●The Advancement / The Advancement

1970 / US: Philips ‎– PHS 600-328 / 1994.3.11 渋谷Perfect Circle ¥3,800

ジャズ系ミュージシャンによるインストアルバム。ハンガリー生まれのギタリスト、ガボール・ザボのバンド・メンバーや、50,60年代からジャズ・シーンで活動していたミュージシャンにより69年春に結成された。メンバーはArt Johnson(g), Colin Bailey(ds) , Hal Gordon(perc), Louis Kabok(b), Lynn Blessing(vib), Richard Thompson(key)。ジャズロック、フュージョン、ラウンジミュージック風のサウンドの中に、キャッチ―なヴィブラフォンやオルガン、ファズギターが現れ、クラブ感覚のモンドミュージックとしても楽しめる。とはいってもこのジャケットでなかったら買わなかっただろう。アシッドロックのA-3 Stone FolkとB-5 Fall Outが個人的なフェイヴァリット。

The Advancement - Stone Folk



●American Blues / Is Here

1968 / US Reissue:Microdot ‎– AB1 / 1986.10.7 下北沢レコファン ¥1,150

テキサス州ダラスのガレージバンドThe WarlocksがAmerican Bluesと名前を変えてテキサスのマイナー・レーベルKarmaから68年にリリースしたアメリカン・サイケのレア盤。メンバーはRocky Hill (g), Dusty Hill (b), Doug Davis (org), Frank Beard (ds)。Dusty HillとFrank BeardはZZトップのメンバーとして活躍する。ブルースと名乗るが、ありがちなブルース・ロックではなく、適度なポップ感覚とカントリー風味を併せ持つオリジナルな楽曲とトリッキーなギターが彼らを別格にしている。当然ながらオリジナルはプレミア付きのレア盤で、筆者が所有しているのは盤起こしの非公認再発盤。ジャケ裏に「クリックノイズは元々入っているから、オーディオセットを調整するな」と開き直った注意書きが書いてある。同年メジャーのUni Recordsから2nd『Do Their Thing』をリリースしている。

American Blues ‎– Is Here Karma ‎– KLP-1001 US 1968 (HQ)



●The American Revolution ‎/ The American Revolution

1968 / Flick-Disc ‎– FLS 45,002 / 1995.5.31 下北沢 Flash Disc Ranch ¥1,880

ロサンゼルス出身、メンバーはRichard Barcellona (g, vo), Daniel Derda (ds), Eddie Haddad (org, p, vo), John Keith (b)。前身は60年代バイク映画のサントラに参加していたThe Band Without a Name。MGM傘下のFlick Discと契約し、American Revolutionとしてリリースした唯一のアルバム。上記のAmerican Bluesに似たレトロなサイケ・ジャケットに惹かれたが、聴いてみたら凡庸なバブルガムポップで失望した。しかし今聴き直すと、B面のサージェント・ペパーズ風サイケポップやメロトロンみたいなストリングス、過剰なファズとヘヴンリーなコーラスなど、工夫が凝らされていて決して悪くない。解散後Richard BarcellonaとJohn KeithはハードサイケバンドThe Edgeを結成し70年にアルバムを残した。

The American Revolution - Love has got me down (1968)



●Ashes featuring Pat Taylor ‎/ Ashes

1969 / US: Vault ‎– 125 / 1991.12.28 渋谷Perfect Circle ¥3,500

ジェファーソン・エアプレイン・スタイルの女性ヴォーカル・サイケThe Peanuts Butter Conspiracyの前身バンドがThe Ashesだった。初期メンバーにはJ.エアプレインのドラマーになるSpencer Drydenがいた。67年にPeanuts~に発展するが、68年末にメンバーがThe Ashes再編成してリリースしたのが本作。オリジナル・ヴォーカルのBarbara "Sandi" Robisonが契約の関係で参加できず、代わりに女性シンガーPat Taylorが参加した。サイケというよりキャロル・キングのような70年代SSWに近いサウンドは味わい深い。ジャケ裏のミニスカ&ツインテのパット・テイラーが素敵だが、本作以外にはシングル1枚とA Letter Homeという激レアなプレイベートプレスのLP(のちのポリスのAndy Summersも参加)しか確認されていない。

Ashes - Ashes featuring Pat Taylor (1970)



●Aorta ‎/ Aorta

1969 / US: Columbia ‎– CS 9785 / 1986.5.30 大船ミュージックショップ ¥800

イリノイ州ロックフォード出身のバンドThe Exceptionsが67年にAorta(エイオータ)に改名し、Shadows Of KnightsやH.P.Lovecraftを擁するシカゴのDunwich Productionと契約し、69年にリリースしたデビュー作。メンバーはJim Donlinger(key,vo), Jim Nyeholt(b), Billy Herman(ds), Bobby Jones(g,vo)。心音のサウンドエフェクトからスタートするギミック交じりのプログレッシヴなサウンドはかなり高水準。レントゲン写真のジャケはドイツのFaustの先を行っていた。

Aorta - Ode To Missy Mxyzosptlk / Strange (Axis CD Version) [Psychedelia - Progressive Rock] (1969)



●Aorta ‎/ Aorta 2

1970 / US: Happy Tiger Records ‎– HT-1010 / 1991.7.12 下北沢 Flash Disc Ranch ¥1,880

Jim Donlinger(g,vo), Jim Nyeholt(p,org)が残り、Mike Been(b), Tom Donlinger(ds)が加入した新ラインナップで制作した2nd。一見普通のカントリーロックに聴こえるが、ところどころ凝った展開や不思議なアレンジがされており、前作の実験性をメインストリーム・ロックに注入した意欲作。今でいえばジャムバンド風のアドリブプレイも聴かせる良作だが、チープなジャケットで損をしている。

Aorta - Aorta 2 (1970)


ほとんどのレコードが聴くのは15年以上ぶり。買った当時つまらないと思っていても、久々に聴くと良さが分かるものもある(その逆も)。今回最も気に入ったのは『Aorta 2』だった。それは嬉しいのだが、とてもマズいことに気が付いた。バンド名をググると、結構詳しいバイオが見つかることが多くて、その解読に夢中になってしまって、全然仕事が捗らないのである。次回からはバンドのプロフィールは簡素化して、音の感想を簡単に書くだけにしなきゃ。

この調子
聴いてない盤
聴きまくろう

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする