A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

酒とノイズ@渋谷UPLINK FACTORY 2011.3.9 (wed)

2011年03月11日 00時30分26秒 | 素晴らしき変態音楽
インキャパシタンツ/非常階段の美川俊治が厳選する酒を聞き、ノイズを聴く。ともに美川氏による簡単な解説付き。「酒とノイズ」第一夜となる今回は、インキャパシタンツと同じく今年デビュー30周年を迎えた、イギリスの伝説的ノイズ・グループ「ザ・ニュー・ブロッケーダーズ(The New Blockaders)」を特集。入手が困難であることから、なかなか聴くことの出来ないTNBの音源を、おいしいお酒とともにじっくりお楽しみください(もちろん、お酒以外のお飲物もご用意しています)。

「ザ・ニュー・ブロッケーダーズとは何かと問われて、それはリチャードとフィリップのルペヌス兄弟を核とした英国のノイズユニットである、と答えたとすれば、それは事実であって間違いではないのだが、しかし、それだけでは余りに身も蓋もなく、そこらじゅうにある凡百の連中と十把一絡げにされてしまいかねない。勿論、彼らはそのようなものではない。─中略─ 最初に私が彼らの音を耳にしたのは、イーオンが運営していた自主レーベルからリリースされた「ライブ・アット・モルデン・タワー」と題されたカセットでのことであった。これはやはり100本限定の彼らの同タイトル自主リリースカセットの再発であったのだが、それはともかく、私は彼らが繰り広げる音の、容赦ないあらゆるものを撥ね付ける壮絶なまでの強靭さに驚嘆した。一瞬で私は彼らの虜になってしまった。─中略─ “反芸術でさえ芸術なのであり、それ故我々はそれも拒否する”という彼らの全くぶれない姿勢は、世界中のノイズ・アーティストから熱狂的な支持を集めるに至っている」(以上、『ヴィヴァ・ネガティヴァ! ア・トリビュート・トゥ・ザ・ニュー・ブロッケーダーズIV』封入の、美川俊治氏による解説文より一部を抜粋)
<UPLINK FACTORYのHP告知より>


昨年UPLINK FACTORYでJOJO広重さんと美川利治さんがトークショーをした時、美川さんがノイズのレコードを聴かせたところ意外に好評で、ノイズだけを聴くイベントをやろうと企画されたのが「酒とノイズ」。お酒通でもある美川さんの選んだおいしい銘酒を飲みながら大音量でノイズを聴ける、というファンには堪えられない好企画だ。こんなマニアックなイベントに誰が来るのかと思ったら、結構若い客層でしかも女性一人で来ている人もちらほら、20人位のノイズ・マニアと美川ファン(?)が集まった。

TNBの音は"石臼をゴリゴリ挽きながらガラスを釘で引っ掻く"ような物音ノイズで、同傾向のオルガナム(デヴィッド・ジャックマンのプロジェクト)と共に、ノイズ界でも異彩を放つ存在である。私は10年くらい前にTNBの世界にはまり、Disk Unionのノイズ・アヴァンギャルド・セールに並んだり、e-bayで海外コレクターと競い合ったりしてLP盤は殆どコレクションした。当時私はノイズのCDにはまったく魅力を感じず、アナログばかり買い漁っていた。アナログのフェティッシュ性とオリジナル感が何よりも好きだった。

今回美川さんはすべてアナログで、7"やカセットの貴重な音源も聴かせてくれた。久々に聴くアナログの音はプチノイズもいとおしく温かみに溢れていた。私も自室の奥に埋もれているアナログを発掘しなきゃ、と思った。途中休憩を挟んでのべ2時間半TNB塗れの至福の世界。TNBの別ユニットの音も聴けて興味深かった。
The New Blockaders HP

ノイズ聴き
お酒を聞いて
酩酊し

「酒とノイズ」の次回は5月15日(日)。TNBの続編かボルビトマグース特集にしようかと美川さんは言っていた。個人的にはM.B.(マウリッツォ・ビアンキ)特集をリクエストしたい。



★今夜は高円寺HIGHにて待望の「静寂」のワンマン・ライヴです。メンバーも気合いが入っていて相当いい演奏になることは間違いありません。I'll Be Your Mirrorで灰野敬二さんを観れなかった方、ぜひお越し下さい。先着200名様に静寂の未発表音源(CD-R)プレゼントとのこと。なんと45分収録らしいです!


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近藤等則さんの思い出

2011年03月10日 00時47分15秒 | 懐かしき想い出
一昨夜Dommuneで「Tokyo Rotation東京回転」特集をやっており、METHOD OF DEFIANCE=ビル・ラズウェル+近藤等則+山木秀夫+DJ Krushが出演、スタジオ・ライヴを披露したらしい。
残念ながら私は演奏には間に合わなかったが、その後の近藤さんの「地球を吹く」特集を観れた。これは近藤さんが世界中の秘境を旅して、そこで大自然との共演を行なうという壮大な企画である。
地球を吹くHP

近藤等則さんは1970年代日本のフリージャズ・シーンを代表するトランペッターで、山下洋輔さんや浅川マキさんなどのアルバムに参加している。1978年には渡米し様々なミュージシャンと共演、デレク・ベイリーのカンパニーやミシャ・メンゲルベルクのICPオーケストラに参加してもいる。

1980年代前半には海外のフリージャズ・ミュージシャンの招聘を行い、今は無き法政大学学生会館ホールでライヴを数多く企画していた。私も何度か観に行ったのだが、ペーター・ブロッツマン(ts,ss)やトリスタン・ホンジンガー(cello)、ポール・ラザフォード(tb)などが出演したのを覚えている。また1982年にはミシャ・メンゲルベルク&ICPオーケストラの初来日公演にも参加、海外の兵達の向こうを張って孤軍奮闘していた。私はこの頃のライヴを熱心にカセットで録音したものだった。そのカセットは今は何処へ行ったか分からないが・・・。

1980年代半ばには「近藤等則 & IMA」を結成、フリクションのレック氏も参加し、硬質なファンク・ジャズを展開した。
1997年から「地球を吹く」を開始、現在もジャンルを超えた音楽活動をしている。

実は私は一度近藤さんを引っぱたいたことがある。混雑した井の頭線の列車の中でたまたま同じ車両になり、私が降車するときに吊り革を掴んでいた手が偶然に近藤さんの頭にぶつかったのだ。「スミマセン!」と謝ったものの、近藤さんの苦々しげな顔が忘れられない。

近藤さん
EEUを
聴いてます

EEUとはEvolutional Ensemble Unityの略で、1970年代後半近藤さんが高木元輝さん(ts)、吉田盛雄さん(b)と組んでいたフリージャズ・ユニット。間章さんの肝いりで"ジャズの新しい地平"を目指す活動をしていた。






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カダフィ大佐「ラップ風刺動画」が大人気 ユーチューブで220万回再生

2011年03月09日 01時02分25秒 | 動画の歓び
リビアの最高指導者カダフィ大佐の演説映像をダンス音楽に乗せて加工した映像が、動画サイト「ユーチューブ」で話題となっている。2011年3月2日現在、220万回以上再生されている。

話題の動画「Zenga Zenga」は、2月22日に行われたカダフィ大佐の「徹底弾圧宣言」の演説を、米ラッパー・ピットブルさんの楽曲に乗せてラップ調に加工し風刺したもの。カダフィ大佐がこぶしをリズムよく上げ下げし、演説のフレーズを繰り返す姿がアラブ諸国を中心に好評を得ている。

動画はイスラエルの音楽ジャーナリスト、ノイ・アルーシェさんが制作し、22日にユーチューブで公開された。アルーシェさんはロイターの取材に対し、「カダフィ氏の演説のリズムと動きとても音楽的で、動画を作るのにばっちりだと思った」と答えている。画面の両端で踊る下着姿の女性は、カダフィ大佐の愛人と噂されている金髪美女へのオマージュだという。
(J-Castニュース)

リビアにて
ラップでアジる
独裁者

菅首相も面白動画を作ったら人気が盛り返すかもしれない。



★昨日のブログに動画をアップしました。ぜひご覧ください。
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ジャド・フェア/テニスコーツ@渋谷O-Nest 2011.3.6 (sun)

2011年03月08日 00時32分48秒 | 素晴らしき変態音楽
35年近くの活動歴を誇る"ローファイのカリスマ"、ジャド・フェアの2度目の日本ツアー。今回は殆どのライヴのサポートを日本のテニスコーツが努めた。前日に大友良英 One Day Ensembleで彼らを観たので二日連続のテニスコーツになる。

開場直前にO-Nestへ行くとジャド・フェアさん本人が物販デスクのあたりをうろうろしている。全然カリスマ性のない天然な雰囲気が好ましいオヤジさんだ。

私は一番に入場して最前列を確保。ステージ前に座り込んで開演を待っていると、会場はいつの間にか満員になっていた。しかも観客の殆どが20代とおぼしき若い世代なのに驚いた。ニルヴァーナやサーストン・ムーア、ヨ・ラ・テンゴやティーンエイジ・ファンクラブなどからリスペクトを受けているジャドさんは、さらに若い世代にも影響を与えているのだろう。

ステージにはギターアンプが一台とマイクが3本立っているだけのシンプル極まりないセッティング。3本のマイク?ということはジャドさんがテニスコーツと共演するのか?
その予想は見事に当たった。左からSaya嬢、ジャドさん、植野氏の並び。ジャドさんはテニスコーツの瑞々しいポップな歌に合わせて鼻歌を重ねたり口笛を吹いたり、Saya嬢の振りに合わせて腰を振ったり、会場を沸かせる。ジャドさんの参加でテニスコーツの演奏が表情豊かになった。40分のステージ。

続いてジャドさんのソロ。自分でペインティングしたカラフルなギターはチューニングはめちゃくちゃで、ネックが固定されておらず、ネックを動かすことで音程が変わるというユニークなもの。音程のある楽器というよりパーカッションに近い感覚。ヴォーカルがまた凄い。こちらも音程無視でマシンガンのように言葉を吐き出す。かなり捻くれたユーモアのある歌詞らしく、外人の客にはウケていた。英語が分からなくても何となくニュアンスが伝わってくる。ハーフ・ジャパニーズの頃と全く変わっていない無垢なサウンドが嬉しい。最後の方には「Jad & Nao」としてCDもある日本人パフォーマー、Naoさんとアカペラで歌ったり、再びテニスコーツと一緒に歌ったり、観客にマイクを向けて歌わせたり(私もしっかり歌いました)、やりたい放題の楽しいステージ。アンコールも2回やってくれて大満足。1960年代末にフランク・ザッパが街角から拾ってきた狂気の歌うたいワイルドマン・フィッシャーに通じるものを感じた。60分のステージ。

永遠の天然ロッカー、ジャド・フェアさんに心酔した夜だった。

いつまでも
ヘタウマ精神
忘れずに

ジャドさんのCDジャケットを飾る切り絵展が開催中である。
ジャド・フェア『セレブレート・ザ・セレブレーション



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大友良英 One Day Ensemble@本郷中央教会 2011.3.5 (sat)

2011年03月07日 00時23分31秒 | 素晴らしき変態音楽
大友さんのツイッターで情報を知って申込んだライヴ。主催がJTB。何でまた?と思ったら、文京区の街起こしプログラム「文の京(ふみのみやこ)」日帰り体験ツアーの一環だった。昼の3時開演である。

本郷中央教会は昭和初期に建てられた歴史を感じさせる建築物。ライヴ会場の礼拝堂は昔の小学校の講堂のような天井の高い懐かしい香りのする場所だった。チケットはSold Outで約200人の観客で満席。30~40の年配の人が多い。

ステージにはグランドピアノとヴィブラフォン、各種パーカッションが置いてあるだけでアンプや楽器の類いは他には無い。どんな演奏が繰り広げられるのか想像がつかない。

大友氏は最近インスタレーションに凝っているらしく演奏だけではない体験的要素を持ったイベントに興味があるという。この日のライヴも「聴く」ことよりも「体験する」ことを重視したパフォーマンスだった。

第1部は教会にある2台のオルガンを使い、ピアノの弦、ヴィブラフォン、サインウェーヴなどの音数の少ないミニマルな演奏。20分程であったが動きの無いドローン音に眠気を誘われる。ふと気がつくと演奏が終わっていた。

休憩の後、10人のアーティストによる集団即興。2階席や通路を使ってアーティストが動きながら演奏する。パーカッションの芳垣安洋氏、サインウェーヴのSachiko M嬢、テニスコーツの植野氏とSaya嬢、ギターの秋山徹次氏などが参加。大友さんは2階でギターを弾いたり、1階に下りてきてシンバルやピアノを演奏したり。観客は上を見たり後ろを振り返ったり忙しい。
テニスコーツの二人がメロディーのあるポップな曲を聴かせ、次第にアブストラクトな即興に移る、その繰り返し。音の反響する教会の中でアンプを通さないパーカッションやアコギの微音がよく聴こえる。観てて楽しく、心をリラックスさせてくれる1時間だった。普通のライヴでは経験出来ない素敵な午後のひとときを過ごした。

教会で
楽しい時を
過ごしましょう

大友さんは4月の新宿Pit Inn3Daysでもこうしたインスタレーション寄りのパフォーマンスを行うという。


★自宅のMacが故障しました。もしかしたら当分ブログ更新が出来ないかもしれません。何とか方策考えますが・・・。
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ウンボボ・オイ!~ザ・クロマニヨンズ「流線型/飛び乗れ!!ボニー!!」

2011年03月05日 02時28分08秒 | ロッケンロール万歳!
先日のC.C.Lemonホールで披露された新曲がリリースされた。ザ・クロマニヨンズ8thシングルは初の両A面シングル。

「流線型」はマーシー作で彼らのシングルとしては珍しくアコースティックな響きの佳曲。♪ぴゅ~んぴゅ~ん♪というイントロが哀愁があってよい。
「飛び乗れ!!ボニー!!」はヒロト作で、「夕陽のガンマン」のテーマを思わせるカントリー&ウェスタン風の曲。
どちらの曲もヒロトの芯の太いヴォーカルがカッコいい。

そして嬉しいのは初回限定盤の特典CD。「ザ・クロマニヨンズ2010-2011 ウンボボ月へ行く」ツアーから昨年11月の大阪でのライヴ音源を5曲15分収録。前説のお兄さんの呼び込みから♪ウンボボウンボボウンボボ Oi!♪という掛け声に乗ってメンバーが登場、「オートバイと革ジャンパーとカレー」からスタートという臨場感あふれる内容。絶対初回盤を手に入れたほうがいいよ。

4月の日比谷野音へのいいウォーミングアップになる。

お金があったら
リッケンバッカー
買えるよね

「流線型」はサッポロビールトライアングルジンジャーハイボールTV-CMタイアップ曲。
流線型/飛び乗れ!!ボニー!!PV
(再生にはYAHOOへのログインが必要です。)
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東京ロッカーズの生!@Domunne 2011.3.2 (wed)

2011年03月04日 00時50分53秒 | ロッケンロール万歳!
「吉祥寺マイナー」「京都どらっぐすとぅあ」など、日本のアンダーグラウンド・ロックの源流を探る特集を放映してきたストリーム・チャンネル「ドミューン」が今回は「東京ロッカーズ」を特集。出演は写真家/テレグラフ・レコード代表の地引雄一氏、リザードのモモヨ氏、元フリクション/E.D.P.S.の恒松正敏氏。

1980年代日本のニューウェイヴを代表するインディー・レーベル、テレグラフ・レコードの諸作品が続々CD再発され、4月には「Case Of Telegraph 2011」という当時のバンドが集合するイベントを開催、と盛り上がりを見せる中、「東京ロッカーズ」という現象を再検証してみようという企画だ。

まずモモヨ氏がタモリさんにそっくりなのに笑ってしまった。30年前の面影はどこへ・・・。それに比べ恒松氏は革ジャン姿で、歳は取ったとはいえ当時のイメージを残している。トークでは、東京ロッカーズのメンバーが意外に年配だったこと(レックさんやチコヒゲさんはもう還暦)、「パンク」のレッテルを嫌がっていたこと、恒松氏が物凄く尖がっていて怖かったこと、リザードのロンドン・レコーディングの渡航費は自腹だったことなど貴重な思い出話を聞かせてくれた。
映像ではリザードの1980年のライヴやE.D.P.S.の1983年のTV出演時の演奏を放映。皆若くて弾けまくっている。
そして二人がそれぞれギターの弾き語りで生演奏を披露、ロッカーズ魂が枯れていないことを見せつけてくれた。

私は当時東京へ引っ越してきたばかりで、都会の香りを求めてフリクションやミラーズ、SYZE、ボーイズ・ボーイズ、スピードなど様々なバンドを観に行ったものだ。30年前の懐かしい思い出が蘇る。「Case Of Telegraph 2011」ではティーンエイジャーの頃の無垢な自分を取り戻したいと願っている。
Case Of Telegraph 2011

椅子座り
コーラ飲み観た
ロッカーズ

当時はスタンディングのライヴハウスは無かったのだ。



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青木智幸(UP-TIGHT)/小さいテレーズ他@東高円寺 UFO CLUB 2011.3.1 (tue)

2011年03月03日 00時47分07秒 | 素晴らしき変態音楽
このブログの読者でもあるドラマー、野田真男氏企画のイベント「FLASHBACK」。出演は小さいテレーズ/murder murder(名古屋)/THE 天国畑JAPON/お賽銭泥棒/青木智幸+KANNON+野田真男の5組。名前を聞いたことがあるのは小さいテレーズだけ。青木智幸氏は"浜松のラリーズ"UP-TIGHTのリーダー。

冷たい雨の中UFO CLUBへ着くと、最初のバンド、THE 天国畑JAPONが終わるところだった。1曲しか観れなかったが、女性パーカッションを含むフォーキーなバンドだった。

雨の平日、無名の出演者ということで動員は寂しい。私が昔バンドでライヴハウスに出ていた頃もこの程度の動員だったな、とひとしきりノスタルジーに浸る。

次に小さいテレーズ。女性Dsと男性G&B二人のトリオ。ひとりは腰までの長髪に眉毛を剃った、まるでゆらゆら帝国の坂本慎太郎氏のようなルックス。雰囲気はいい。演奏も脱力したビートにぐしゃっとしたギターがHalf Japaneseを想わせるヘタウマ・サウンドで中々好みなのだが、いかんせんヴォーカルが弱すぎる。下手でもいいから存在感のあるヴォーカリストが加われば面白い存在になるだろう。

それに比べて名古屋から来たmurder murder(と書いて「まだまだ」と読む)はGとDsの二人組で、奇をてらったところの無いストレートなロック・サウンドなのだが、ユーモアを交えた詞を歌うしっかりしたヴォーカルで楽しめた。無料のCDRを配っていて、成り上がろうという向上心も伺えて好感が持てた。

青木氏と野田氏、KANNON氏(B)のトリオ。青木氏とこの二人は初のセッションだという。サングラスにSGを構えた青木氏は流石カリスマ性がある。激しくカッコいいアクションでシャープなギターを弾きまくる。やっぱりロックにカッコよさは欠かせない。音楽性は違うがギターウルフのセイジ氏を思い出した。演奏は即興で丁々発止のインタープレイを展開。ベースはもっと骨太でもいいと思ったが、野田氏のパワフルなドラムは青木氏のサイケなファズトーンに負けてはいない。共演の回数を重ねればいいユニットになるかもしれない。秋に再度共演の予定があるそうだ。

最後のお賽銭泥棒は見るからに若い5人組。ツイン・ギターの効果をもっと工夫すればよくなると思った。成長する為にはもっと場数を踏むことが必要だ。何故このバンドをトリに持ってきたのだろう。

たまにはライヴハウスへぶらっと入って未知のバンドに触れてみるのもいいものだ。

新しい
出会い求めて
ライヴハウスへ

セット・チェンジの時のSEがリディア・ランチやポップ・グループ等のニューウェイヴで感動。早速amazonでTeenage Jesus & The Jerks(リディア・ランチのバンド。フリクションのレックやコントーションズのジェームス・チャンスが参加)のアンソロジーCDを注文した。








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ツイッター侮りがたし。

2011年03月02日 00時32分26秒 | インターネットの世界
ツイッターを始めてから1ヶ月がたった。最初は訳が分からなかったが慣れればこんな面白いものは無い。

見も知らぬ人と共通の話題で盛り上がったり、いち早く最新情報を手に入れたり、かなり役に立つ。
また私の呟きの影響でヘンリー・カウやタンジェリン・ドリームやクラウス・シュルツェを聴き直したという人もおり、その威力には感心するばかりである。

エジプトやリビア、中国などでの最近の紛争では民衆の間でツイッターによる情報交換が大きな影響力を持ったという。
ツイッターによる情報操作ということも可能であろう。考えてみれば恐ろしい兵器にもなりうるガジェットである。

ツイッター
津行ったなら
迷子かな

私のアカウントは @mirokristel ですので、フォローよろしく!


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I'll Be Your Mirror@新木場スタジオ・コースト 2011.2.27 (sun)

2011年03月01日 00時17分43秒 | 灰野敬二さんのこと
海外のオルタナティヴ・ミュージック・フェスの中でもアーティスト自身がキューレイターを努め、毎回ユニークなラインナップで知られる「All Tomorrow's Parties(ATP)」が10周年を迎え、遂に日本上陸。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのシングル「All Tomorrow's Parties」のB面「I'll Be Your Mirror」をイベント・タイトルにした新シリーズで登場だ。海外勢、日本勢共にかなりマニアックなラインナップだったのでどうなることかと思ったが、蓋を開ければソールド・アウト。新木場の駅前には「チケット譲ってください」の札を持った若者が目立つ。ダフ屋も出ていた。

私の目当ては勿論灰野さん(昨年ロンドンで開催されたATPに出演している)だったが、フェスとしてのATP自体に興味があったし、聴いたことのない海外のアーティストも観てみたかった。

スタジオ・コーストは今までゆらゆら帝国やクロマニヨンズなどのライヴで来たことがある。3000人以上入る都内最大のライヴハウスのひとつだ。タイムテーブルを見るとステージが2つある。ステージ2はどこかと思ったら、メイン会場の裏にある小型のテントだった。これがクラブ・アゲハなのだろうか。

灰野さんを最前列で観ることを最大の目標として、事前にどのアーティストを観るかスケジュールを立てておいたのだが、ステージ進行の遅れや、入場規制で予定通りには観れなかった。でもノー・チェックのバンドが意外に面白かったりしていい感じでイベントを楽しめた。

イベントの幕開けはボアダムズ。ドラムを6台円形に並べて、その真ん中でEYEちゃんが指揮をしながら雄叫びをあげるという演奏。大きなスクリーンにステージを真上から映した映像を投射し遠くからでも演奏者の様子が分かる。映像的にもドラムが円をなす構成が面白かった。トライバルなビートと効果的なライティングが高揚感を生み、極上のトランス状態へ誘う。ずっと聴いていたかったが、途中で灰野さんの出演するステージ2へ移動。

Boredoms @I'LL BE YOUR MIRROR Tokyo


ステージ2の開場と共に入場し最前列を確保。ステージ1に比べて悲しいほどの小ささ。300人も入れば満員だろう。ステージにはマーシャル+ハイワットの2段積アンプが3台、ベース・アンプ、エアシンセを乗せたテーブル、椅子とマイクがセッティングされている。ライヴ友達と談笑しながら開演を待つ。その内ボアダムズが終わったのだろう、観客が次々と集まってきた。開演時間には既に超満員、入場規制が敷かれていた。
灰野さんがふらっと登場。SGを手にする。最初の一音でぶっ飛んだ。覚悟はしていたが地面が振動するほどのハンパ無い爆音! 何でも川を越えて新木場の駅あたりまで聴こえていたそうだから凄い。灰野さんは激しいアクションで暴れまくる。30分くらいギターの豪音に酔った後、三味線の弾き語り。「語り」というより「絶叫」だが。本格的に三味線に取り組みたいと語っていた通り、この古典楽器を完全に自分のモノにしてしまったようだ。♪息をしているまま葬ってやる♪ ギター以上に情念の込もった演奏だった。次にエアシンセ。またしても轟音がテントを揺らす。奏でる灰野さんの悪魔祓いのような動きが美しい。最後にギターに持ち替えて轟音の後に静かな爪弾きで45分のステージが終了。観客から大歓声が上がる。それに応えて灰野さんがガッツ・ポーズ!初めて見た。

Keiji Haino ATP Tokyo


灰野さんにノックアウトされた後は気持ちもリラックスしてフェスを楽しもうというモードになる。前評判のいいFuck Buttonsを観にステージ1へ行くと、進行が遅れていて、その前のAutoluxが始まるところだった。ステージ前列まで行き至近距離で観戦。撮影・録音禁止ではなかったので、観客は写真撮り放題。このおおらかさが海外発のライヴらしくていい。Autoluxは女性ds、男性g、bのトリオで如何にもソニック・ユースに影響されたクールなロックを聴かせる好バンドだった。

Autolux @I'LL BE YOUR MIRROR Tokyo


続いてFuck Buttons。テーブルの上にコンピューターや電子楽器やおもちゃを並べ、クラフトワーク+音響派といった感じの奇妙なエレクトロ・サウンドを聴かせる。観客のノリもいい。しかしずっと立っていて疲れたので一時外へ退避。フード・スペースにビールを持って座り込む。ステージ2ではメルト・バナナが演奏中。入場規制で中へは入れないが音はガンガン漏れて聴こえてくる。昔から変わらぬアヴァン・パンクと言葉を吐き捨てるようなYakoのヴォーカルが懐かしい。会場内はモッシュの嵐だろう。アンコールの2曲だけ会場の中で聴くことが出来た。

Fuck Buttons @I'LL BE YOUR MIRROR Tokyo


Melt Banana ATP Tokyo


ステージ1へ戻るとオーストラリアのvln、g、dsのトリオDirty Threeが演奏中。結構な年配の3人が奏でるジプシー音楽風のサウンドに観客も盛り上がっている。期待してなかったがハチャメチャに楽しいライヴ・バンドだった。

Dirty Three5@I'll be your mirror fest Japan


フェスのトリを務めたのが今回の目玉カナダ出身のGod Speed You! Black Emperor。10年ぶりの来日。「スタジオ・ボイス」のノイズ特集でも紹介されていた彼らのサウンドは、ノイズというよりアンビエント。ギター3人、ベース2人、ドラム2人、ヴァイオリン1人と大人数の割には轟音ではなく静かに盛り上がる幽玄な演奏。ギタリストのひとりが河端一氏そっくりで笑ってしまった。歌は無いがそれが逆に音の表情を豊かにする。静かに始まりじわじわと壮大なクライマックスへ上り詰める構成にピンク・フロイドやタンジェリン・ドリームのようなプログレに通じるものが感じられた。観客は彼らの生み出すゆらぎに身を任せて身体を揺らせている。曲が終わると大歓声。この手のバンドが若者に受けているのが不思議な気がする。2時間に亘る長い演奏だったがこのフェスを象徴するような神々しさに溢れるステージだった。

Moya - Godspeed You! Black Emperor Live@I'LL BE YOUR MIRROR 2.27 2011


のべ8時間のスタンディング・イベントはとても疲れたが、これをきっかけに来年以降もATPが日本で定期的に開催されることになれば嬉しい。出来れば次回は灰野さんをメイン・ステージで観たいなぁ。

新しい
ロックの形
ATP

音楽雑誌でこのフェスはどう取り上げられるだろう。日本の音楽ジャーナリズムの試金石となるイベントだといえる。
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