A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

疾走する焦燥感~V.A.「No New York」

2011年03月18日 00時50分25秒 | 素晴らしき変態音楽
1978年ニューヨークのアンダーグラウンド・シーンに暗躍する新しいロックの流れをブライアン・イーノが見事に切り取った秀逸な記録。Teenage Jesus & The Jerks, Mars, James Chance & The Contortions, DNAの4バンドが提示するサウンドは音楽というよりも人間の魂の叫びと耐えがたい衝動である。

このアルバムが音楽シーンに与えた影響力は計り知れないものがある。それはある程度イーノの知名度によるものであることは間違いないが、ここに克明に記録された音楽自体の本質的な「何か」が志を同じくする先鋭的アーティストたちに与えた「あるがままでいい」というテーゼが時代を超えて共感を得てきたことも確かである。

このシーンからはリディア・ランチ、ジェームス・チャンス、アート・リンゼイ、イクエ・モリ、そして我がフリクションのレックとチコヒゲというその後のロック・シーンで活躍するアーティストが生まれた。「No New York」リリースから33年たった現在でも彼らが現役で活躍しているという事実に本物の重みを感じる。

私は当時このアルバムを貸レコード屋(懐かしい響き!)で借りてきてカセットに録音し貪るように聴いたものだ。ジェームス・チャンスのフリーキーなサックスとリディア・ランチの金切り声とアート・リンゼイの掻きむしるギターには当時欲求不満な高校生だった私の気持ちを代弁してくれるような衝撃が詰まっていた。同時期にレジデンツやポップ・グループ、キャプテン・ビーフハートやファッグスを聴き始め私の音楽の嗜好はアンダーグラウンド/アヴァンギャルドな方向へ捻曲がっていった。

PunkとNo New York、この二つがなかったら私の人生は全く違ったものになっていたに違いない。

殺らなきゃ殺られる
いても立ってもいられない
"叫び"

各バンドとも編集盤やアンソロジーがリリースされているので聴いてみたら良い。現在のシーンが忘れているロック本来の危険な香りをたっぷり味わえる。









★地震で延期になった静寂のリベンジ・ライヴが5/10高円寺HIGHで決定しました。灰野さんは「アンプ増量で臨む」と燃えているようです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする