THE BADGE presents「八百万~まぼろしの世界」というイベント。数々のコンサート/イベントが中止になる中、ライヴを決行。THE BADGEは"新感覚のサイケデリック・バンド"と紹介されていて気になっていたし、震災以降初ライヴとなるドラびでお=一楽儀光氏、勝井祐二氏のパフォーマンスも観てみたかった。
日本のアンダーグラウンド・シーンのドキュメンタリー映画「We Don't Care About Music Anyway」出演ミュージシャンが震災直後にヨーロッパ・ツアーに出かけた。大友良英さんや山川冬樹氏は日本に留まることを選んだ。その代わり日本からフランスへ向けて大友さんは演奏の映像を、山川氏は心臓の鼓動をインターネットを使って届けることになった。
1978年ニューヨークのアンダーグラウンド・シーンに暗躍する新しいロックの流れをブライアン・イーノが見事に切り取った秀逸な記録。Teenage Jesus & The Jerks, Mars, James Chance & The Contortions, DNAの4バンドが提示するサウンドは音楽というよりも人間の魂の叫びと耐えがたい衝動である。
このシーンからはリディア・ランチ、ジェームス・チャンス、アート・リンゼイ、イクエ・モリ、そして我がフリクションのレックとチコヒゲというその後のロック・シーンで活躍するアーティストが生まれた。「No New York」リリースから33年たった現在でも彼らが現役で活躍しているという事実に本物の重みを感じる。
元々この曲は1959年にオーネット・コールマンがドン・チェリー(tp)、ビリー・ヒギンズ(b)、チャーリー・ヘイデン(ds)からなる2ホーン・カルテットで発表した、フリージャズの萌芽といわれる傑作アルバム「ジャズ来るべきもの(The Shape Of Jazz To Come)」の一曲目に収録された曲で、美しいメロディと、意図的な不協和音が不思議な味を醸し出し、オーネットの初期の代表曲とされている。私は大学生の頃このLPを購入し、その革新的なサウンドにすっかり参ってしまった。その後自分でサックスやギターでこの曲をカヴァーしたりもした。
最後は韓国で活躍する日本人ロック・バンド、佐藤行衛&コプチャンチョンゴル。1970年代のハードロックを彷彿させる強力なサウンドと佐藤氏の激しいパフォーマンスが凄い。地震が起きた時に丁度シャワーを浴びていて裸で表へ飛び出した、などMCで笑わせる。韓国で人気があることがよくわかる熱血ロック。
最後は出演者全員で「Knockin' On Heaven's Door」。観客も一緒に合唱。