七針に行くのは初めて。そもそも八丁堀にライヴハウスがあること自体、妙な気分になる。元雀荘だった店を改装した、板張りにコンクリートの壁、防音もしていない四角い部屋にPAと機材、客席に幼稚園で使うような小さな折りたたみ椅子、とシンプル内装で30人も入れば満員の小さなハコだ。
七針
現在のような状況下でライヴを実施するのは難しいことだが、「自分たちに出来ることは音楽を演奏することしかない」と考えたシェシズの向井さんがお店と出演者と相談の上、予定通りの開催となった。素晴らしい。
開場と共に中へ入ると既にマヘルのメンバーがステージに揃っていた。女性ギター、ドラム(シェシズの高橋氏)、アコーディオン、ピアニカ、ヴァイオリン、トランペットの6人。譜面台を前に曲順がどうしたとか話している。これからライヴが始まるというのに緊張感が全く無いところがこのバンドの特徴だ。時間になると誰からともなく演奏が始まる。本番なのか音合わせなのか迷っているところへ工藤冬里さんが登場、テレキャスを抱えて歌い始めたので、ライヴがスタートしたことがやっと分かる。マヘルのライヴではいつものことだ。冬里さんは震災をテーマにした唄を歌ったりしてホンワカした演奏の中に硬派な意味合いを込める。それにしてもいつまでも変わらないな、マヘルのアマチュアリズムは。40分の演奏。
数年前シェシズを観たときはドラムの高橋氏が不在のトリオ編成だったので、今回が初の4人組シェシズ体験になる。向井千惠さん(vo.p.胡弓)、工藤冬里さん(g)、西村卓也氏(b)、高橋朝氏(ds)の1980年代半ばから不動の面子。マイナー調のメロディーに音程の不安定なヴォーカル&弓と自由度の高い即興演奏は、正直言って相当ユルい。しかし、今にも崩壊しそうな脆さの中に内包された気高い精神性に触れたとき、未明へと向かう幻惑的な美しさが聴く者の心を打つのである。最後は高橋氏がドラムをバラバラに倒しあんころ餅を食べるというダダイスティックなパフォーマンス。それが決して小難しい芸術性を纏わないところがシェシズならでは。充実の80分間だった。
地下に咲く
二つの花を
見つけたよ
同日深夜(翌日早朝)に渋谷Bar Issheeで再度行われた大友良英さんのヨーロッパ向け演奏のUSTアーカイヴが残っている。今回も凄まじいギター・ノイズ。
大友良英Solo Live in Tokyo
七針
現在のような状況下でライヴを実施するのは難しいことだが、「自分たちに出来ることは音楽を演奏することしかない」と考えたシェシズの向井さんがお店と出演者と相談の上、予定通りの開催となった。素晴らしい。
開場と共に中へ入ると既にマヘルのメンバーがステージに揃っていた。女性ギター、ドラム(シェシズの高橋氏)、アコーディオン、ピアニカ、ヴァイオリン、トランペットの6人。譜面台を前に曲順がどうしたとか話している。これからライヴが始まるというのに緊張感が全く無いところがこのバンドの特徴だ。時間になると誰からともなく演奏が始まる。本番なのか音合わせなのか迷っているところへ工藤冬里さんが登場、テレキャスを抱えて歌い始めたので、ライヴがスタートしたことがやっと分かる。マヘルのライヴではいつものことだ。冬里さんは震災をテーマにした唄を歌ったりしてホンワカした演奏の中に硬派な意味合いを込める。それにしてもいつまでも変わらないな、マヘルのアマチュアリズムは。40分の演奏。
数年前シェシズを観たときはドラムの高橋氏が不在のトリオ編成だったので、今回が初の4人組シェシズ体験になる。向井千惠さん(vo.p.胡弓)、工藤冬里さん(g)、西村卓也氏(b)、高橋朝氏(ds)の1980年代半ばから不動の面子。マイナー調のメロディーに音程の不安定なヴォーカル&弓と自由度の高い即興演奏は、正直言って相当ユルい。しかし、今にも崩壊しそうな脆さの中に内包された気高い精神性に触れたとき、未明へと向かう幻惑的な美しさが聴く者の心を打つのである。最後は高橋氏がドラムをバラバラに倒しあんころ餅を食べるというダダイスティックなパフォーマンス。それが決して小難しい芸術性を纏わないところがシェシズならでは。充実の80分間だった。
地下に咲く
二つの花を
見つけたよ
同日深夜(翌日早朝)に渋谷Bar Issheeで再度行われた大友良英さんのヨーロッパ向け演奏のUSTアーカイヴが残っている。今回も凄まじいギター・ノイズ。
大友良英Solo Live in Tokyo