A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

オーネット・コールマン「ロンリー・ウーマン」の追憶

2011年03月17日 00時20分00秒 | 懐かしき想い出
坂田明さんや大友良英氏が最新アルバムでオーネット・コールマンの「ロンリー・ウーマン」を採り上げている。坂田さんのライヴには最近3回連続で通ったが、毎回この曲を演奏してくれた。

元々この曲は1959年にオーネット・コールマンがドン・チェリー(tp)、ビリー・ヒギンズ(b)、チャーリー・ヘイデン(ds)からなる2ホーン・カルテットで発表した、フリージャズの萌芽といわれる傑作アルバム「ジャズ来るべきもの(The Shape Of Jazz To Come)」の一曲目に収録された曲で、美しいメロディと、意図的な不協和音が不思議な味を醸し出し、オーネットの初期の代表曲とされている。私は大学生の頃このLPを購入し、その革新的なサウンドにすっかり参ってしまった。その後自分でサックスやギターでこの曲をカヴァーしたりもした。

日本ジャズ界の大御所ギタリスト高柳"JoJo"昌行さんがタイトルも「ロンリー・ウーマン」という秀逸なソロ・ギター・アルバムを1982年に発表している。私は同時代にこのLPを聴き、ストイック極まりないJoJoさんのプレイに衝撃を受け、どんどんフリージャズの深みに嵌まっていった。その頃大学の生協で年2回中古レコード・セールが開催されていた。500円均一コーナーにかなりのレア盤がゴロゴロしていた。何故かフリージャズ系が充実しており、ESP DISKの諸作、デレク・ベイリーやグローブ・ユニティ・オーケストラ、EEUやニュージャズ・シンジケイトの自主制作盤など貴重なレコードをたくさん購入した。多分セールの主催者がこの辺の音楽についての知識が無かった為の値付けだったのだと思う。

その頃、荻窪グッドマンの即興道場(参加者が楽器持参でセッションする)で出会った高島君というジミヘンとジャンゴ・ラインハルト好きのギタリストと私のサックスのデュオで「Other Room」というユニットを組んで吉祥寺ぎゃていでライヴ活動を始めた。ちなみに同じ日の即興道場で知り合ったのがZENI GEVAのK.K.Null=岸野一之君である。岸野君はヴァイオリンの岡野さんという人とデュオを組み「Null」として活動するようになる。「Other Room」はフリージャズやアヴァンギャルド・ロック、民俗音楽などのごった煮ユニット、はっきりいえばメチャクチャ・サウンドで、現インキャパシタンツの小堺文雄氏とセッションしたこともあったが、1980年代半ばには活動を停止した。そのまま続けていれば別の道が開けたのじゃないかな、と思うこともある。

そんなことが「ロンリー・ウーマン」の哀しげなメロディーを聴く度に頭の中に蘇る。そういった意味ではこの曲は私の個人的な「追憶のハイウェイ61」なのである。

半世紀
昔の曲が
今語る

こんな時だからこそ平時の感覚でブログを書いてみました。ライヴ/CDリリースが次々に中止・延期になる中、このブログで少しでも鬱憤を晴らしたいと思います。

Ornette Coleman - Lonely Woman


masayuki takayanagi - lonely woman


Otomo Yoshihide - Lonely Woman (Quintet)




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