A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

溢れ出る情熱の奔流~上原ひろみ「ヴォイス」

2011年03月24日 00時52分40秒 | こんな音楽も聴くんです
スタンリー・クラーク・バンドのメンバーとして第53回グラミー賞で「ベスト・コンテンポラリー・ジャズ・アルバム」を受賞し世界的な評価も著しい上原ひろみちゃんの7作目のリーダー・アルバム。今作の目玉は何といっても新たなトリオの面子だ。ベースのアンソニー・ジャクソンはひろみちゃんのバークレー音楽院時代の恩師であり、セッション・ベーシストとしてジャズ界では名士のひとりである。異色なのはドラムのサイモン・フィリップスの起用。元々はジャズからスタートしたらしいが、世に知られるのはジェフ・ベック、ジューダス・プリースト、マイケル・シェンカー・グループ、ホワイトスネイク、ザ・フー、ミック・ジャガー・バンド、TOTOなどロック系アーティストとの共演であろう。特に私にとっては1980年代再々結成後のザ・フーのドラマーとして結成25周年ツアーに参加したことで思い入れの深いドラマーである。

ひろみちゃんがなぜサイモンとトリオを結成することになったのか? 元々ひろみちゃんはジャズ、クラシックと並んで大のロック・ファンでもあり、ロック・ファンならば必ずサイモン・フィリップスのドラミングを耳にしたことがある筈だ。"手数王"の異名をとるサイモンの鮮やかなドラムは、ひろみちゃんが求める"高い技術に裏打ちされた情感に溢れたスケールの大きな音楽"にピッタリきた、という訳だろう。

その結果は実際にCDで聴いて欲しいが、今まで以上にポップで味わいのある七色のサウンドスケープが展開される。正に現代ジャズ界の最高峰といえる作品である。
上原ひろみHP

サイモン・フィリップスというともうひとつ思い出がある。1990年バブル時代の末期に横浜アリーナで開催された「THE BEST」というプロジェクトのライヴである。キース・エマーソン(エマーソン・レイク&パーマー、ナイス)、ジョー・ウォルシュ(イーグルス、ジェイムス・ギャング)、ジョン・エントウィッスル(ザ・フー)、ジェフ"スカンク"バクスター(スティーリー・ダン、ドゥービー・ブラザーズ)といったメンバーからなるスーパー・グループというふれ込みで公演し、この時のドラマーがサイモン・フィリップスだったのである。当時まだ来日が実現していなかったザ・フーのジョン・エントウィッスルが観られただけで私は満足したが、ライヴは全くの不入りで興行的には失敗に終わったと記憶している。私も招待状で入場した。最近ヨーロッパでこの時のライヴがCD/DVD化されたという。聴きたいような聴きたくないような複雑な気持ちである。

ひろみちゃん
新たな挑戦
素晴らしい

もしサイモンがひろみちゃんのトリオで来日することがあったなら何を置いても駆けつけたい。




コメント (2)
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