グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

都立大島高校・防災研修会

2017年12月31日 | 火山・ジオパーク
2017年、最後の日となりました。

1年間ツアーやジオパーク活動で様々な人と出会い、たくさんの楽しい発見がありました。
今年出会った皆様に、心から感謝申し上げます。

さて、今年最後のブログは、12月20日(水) 都立大島高校で行われた防災研修会の報告です。

この研修会は高校と伊豆大島ジオパーク推進委員会共催で、私は「世話役」の一人として参加しました。(世話役はジオパーク推進委員会事務局のほか、気象庁、大島町役場職員、ジオガイド、ジオパーク研究会会員、大島高校教員から13名が担当しました)

都立大島高校の1〜3年生まで 約130名(当日欠席あり正確な数は不明)が、全学年混ざった10名ずつのグループに分かれ、課題について話し合う「災害対応ゲーム」です。

世話役が課題を読み上げ、生徒さんがYes と No のカードで意思表示。
Yes または No を実行した場合に各々どのような問題点が考えら れるのか、どのようにしたらその問題点が解決するのか、意見交換を行いました。

課題は15個用意されていましたが、私のチームはその中の5つの課題について話し合いました。高校生たちは考えて発言してくれたものの中から、記憶に残っているものをだけ書き出してみます。

課題1 あなたは海辺に住む高校生です
あなたは津波被害の可能性がある地域に住んでいます。今、地震が起こったため、 すぐに高台へ避難しようと思いましたが、近所で一人暮らしをしている足の悪いおば あさんのことが気になります。まずは、おばあさんの様子を見に行く?

「見に行く」が8名で「見に行かない」が2名でした。
見に行く理由としては「ひとりでも多くの命を助けたい」「助けないのと後から後悔する」「たとえ死んでも、そのほうがかっこよい」
「どんな場所に住んでいるかの状況による(高台の近くかなど)」という意見もありました。
見に行かない理由としては「自分の命が大事」「2次災害を防ぐ」など。


課題2 あなたは土砂災害警戒区域に家族で住んでいます
あなた、母親(65 歳)、妻、小学生の子ども 2 人の 5 人家族です。大型台風が接近 中のため防災無線で避難勧告が呼び掛けられていましたが、あなたたちは「まだ大 丈夫だろう」と自宅に残っていました。しかし、暴風雨はさらにひどくなり、停電が発 生。現在は深夜 0 時です。あなたは今からでも家族を連れて避難所に避難する?


「避難する」が1人だったのに対し「自宅にとどまる」が9人でした。
「寝ているので絶対に起きない」という生徒さんが数人いました(熟睡できて羨ましい!)
自宅にとどまる理由としては「逃げた方があぶない」が圧倒的多数。土砂災害のレッドゾーン住んでいる生徒さんもいて「大雨の時は近所の家に避難する」と言っていました。
「停電でも使えるラジオを準備したり、水を確保したりする必要があるのでは?」「家の中でも2階や山側じゃないところに逃げる」などの意見も出ました。


課題3 あなたは自主防災組織の班長です
外出中に地域で広域土砂災害が起きました。自分の家族の安否や自宅の様子が 大変気になりますが、地域住民の安否確認や避難支援など、地域の自主防災活動 を行うことも必要です。あなたは自主防災組織の班長としての仕事を優先する?


全員が「仕事優先」を選択しました!
高校生たちに「仕事への責任感」育っていることに感心しながらも「でも家族は心配じゃないの?」と聞いてみたました。
「家族は逃げているだろうから」と生徒さん。
さらに「本当に会えるかな?」と聞いて見たところ「事前に打ち合わせ、避難場所を決めておく」「日頃から地域交流を増やしておけば、家族を見た人が教えてくれる」「いなくなる時には所在がわかるサインをのこす」などなど、
素敵な意見が出ていました。


課題4あなたは避難所の食事係です
災害発生から数時間。避難所には 3,000 人が避難しているとの確かな情報が得ら れました。現時点で確保できた食糧は 2,000 食以降の食糧配給の見通しは今のと ころありません。あなたはこの 2,000 食を配る?


「配る」が「配らない」より若干多かったとおもいます(ややおぼろげ)
「配るならどう配るか?」については「半分ずつ食べる」「子供達がぐずるので、小さい子お年寄りから与える」「若者はがまんする」などなど
「配らない」を選択した生徒さんからは「次の見通しがわかるまで待ち、平等に配る」「クレームが出たら、今の状況を話し理解してもらう」などが出ていました。


課題5 あなたは被災者住民です
大きな地震が発生して停電・断水が起こり、余震も不安のため、避難所(小学校体 育館)に避難しなければなりません。しかし、あなたの家には家族同然の飼い犬「モ モ」がいます。一緒に避難所に連れて行く?

「連れて行く」と「連れて行かない」が半々にわかれました。
連れて行く生徒さんの意見
「家族だから」「犬の場所決めては?」
連れて行かない生徒さんの意見
「犬は離しておけば生きていける」「他の人の迷惑(鳴き声、噛むなど)」
「日頃のしつけが大事」など。

最後に13のチームから発表があって、ゲームを終了しました。

最後に、ジオパーク推進委員会事務局からのメッセージ

「一度でも考えて見ること」本当に大切ですよね。

噴火、津波、暴風雨、土砂崩れなど、様々な災害がおこる可能性のある伊豆大島で暮らす私たち…

高校生だけでなく、大人も一緒に考え続けていかないとなぁ…と、そんなことを感じた研修会でした。

来年も生きている火山を歩いて楽しみながら、この島で幸せに生きる術を、考え続けていきたいです。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えください!

(かな)
コメント
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