グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

マツバラン

2023年01月24日 | 植物
先日のツアーでマツバランらしき植物を写真に撮りましたが、「本当にマツバランなのか?」「他にはいないのか?」が気になったので、1月19日に調べに行ってきました。

場所はジオロックガーデンに入ってすぐのあたり。

(写真の左下に写っているのですが、わかるでしょうか?)

まず「本当にマツバランなのか?」の疑問は、あっさり解決しました。

この形、どう見てもマツバランです!(笑)
ヒョロヒョロと伸びた小さな個体の隣には、何本かがまとまって生えていました。

タワシみたい🤣

マツバランは根も葉もなく、茎だけしかない最も原始的なシダなのだそうです。
地域によっては「絶滅寸前種」となっていて、私も伊豆大島で見たのは14年間の中でたった1回だけです。

そんな珍しい植物が、溶岩地帯に現れるとは!!(30分ぐらい歩いた範囲では、他のマツバランは見つかりませんでした)

近づいてよく見たら、葉先が何者かに食べられたのか、白くなっていました。

隣の大きい方を観察したら、葉の先は緑色。

「小さい方はキョンに食べられたのかも?」と思って周りを見たら

近くにある“ノキシノブ”というシダにも、キョン(たぶん)に食べられた跡が!

あ〜あ…

ベニシダや…

ベニシダとノキシノブのコラボも、あちらこちらで見かけました。

でも、これらのシダたちが見つかったのは溶岩の上だけでした。

ススキ野原に低木が点在する環境では、どのシダも見つからず


樹木のそばには、

森の中などの湿った環境を好む“トウゲシバ”が生えていました。

”トウゲシバ”も原始のシダです。

36年前、溶岩やマグマのしぶき(スコリア)で植物がなくなった場所に、シダたちが環境によって住み分けているのも面白いし、「原始のシダ」と呼ばれるシダたちが、火山地形の中に、現れるのも面白いです。

火山と生きものとの関わり、不思議がいっぱいで楽し〜💖

(かな)
コメント
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