いよいよ私の大好きなススキのシーズンがやってきました!
この時期、三原山のカルデラの銀色に輝くススキの大草原や、海に沈む夕日を浴びて、オレンジ色に染まるススキなど
何回見てもため息が出るような美しい景色が、あちらこちらで見られます。
数日前には、青空を背景にススキの雄しべがシャラシャラと風に揺れていました。
そうススキは今、まさに花の季節なのです!
ススキの花の造りは、他のイネ科の植物と似ています。
花粉を詰めこんだ黄色い袋(葯)を持つ雄しべと
花粉をキャッチするのに便利そうな、ブラシみたいな形の雌しべが順序良く並んでいます。
クロイワオビヒラタアブが花粉を食べにやってきました。
おいしそうに口吻を葯の中に差し込み、夢中になって食べています。
体にも花粉が一杯くっついていますね~。
ススキの花粉は全て風で飛ぶのかと思っていたのですが、
どうやら花粉を食べるアブも、ほんの少しだけ受粉に役立っているようです。
花の先端ではもう白い綿毛が伸び始めてキラキラが始まっているものもありました!!
さて一転して、今日のススキはこんな感じ。
一昨日から降り続く細かい雨で、いつもの輝きはどこへやら・・・。
ススキの美しさが楽しめないので、近づいて葉を1枚ずつ調べてみることにしました。
何かが居るような気がしたからです。
そうしたら…居ました!色々!!
まず雨を避けて葉裏にピタリと身を隠していたのは、シロカネグモの仲間。
必要最小限しか葉表に足を出さないで、できる限り濡れないようにしているのが、かなり笑えました。
晴れていれば、草の間に巣を張っているのでしょうが、
連日の雨を避けて、ここでずっと雨がやむのを待っていたのかもしれません。
もしかしたら、3日間ずっとこの姿勢なのでしょうか??ま、まさか~・・・。
秋になると現れるウラナミシジミは、ススキの葉の上に止まって活動開始の準備中?
そして最後に、こんなものを見つけました。
ヒラタグンバイウンカ。
肉眼では1cm以下のきれいな緑色に見えます。
この模様といい変テコな長く伸びた顔といい、可愛いでしょう~?
いつもはススキの葉裏に住み、ススキを餌として暮らしているようです。
葉裏を丹念に探してみたら、本当に見つかりました!
雨の日には、ススキのキラキラは楽しめないけれど、雨宿りをしている虫を探すという楽しみ方があったのですね。
雨でもススキは十分楽しめる(別の意味かも?)事がわかって、とても得した気分です!(笑)
(カナ)
ススキの輝きの正体が分かりました。
ヒラタグンバイウンカの模様は、ススキの葉などの縦筋葉脈の擬態のようですね。
葉脈擬態ですか。
なるほど、そうかもしれませんね。
肉眼ではヒラタグンバイウンカの黄色い筋は見えず、とても目立つ明るい色のグリーンに見えるのですが、捕食者の目には体の模様が擬態効果を出しているかもしれません。
実は少し前にこの虫の存在を知ってから、また会いたくてススキの葉を30回ぐらいめくっていたら出会いました。
運が良かったのか、それとも結構居るものなのか、今後の研究(?)課題です。