東京湾沿岸の工場プラントなどを紹介した『工場萌え』という写真集が人気のようですね。「こうじょうもえ」と読むそうで、差し詰め大島なら規模の小さな素朴な感じで「こうば萌え」でしょうか。先月、つばき油の「こうば」を紹介しましたので、大島の工場萌え第2弾として、今日は塩工場(しおこうば)です。
上の写真は、遠くに伊豆半島の先端付近の見える島の南西側、間伏地区の海岸に建つ、日本食用塩研究会の塩作り施設です。汲み上げた海水を木造の高い「やぐら」の上から少しずつネットに流して濃い塩水にしています。
汲み上げた海水は、塩分濃度3%ほどです。これを風や太陽熱という自然エネルギーを利用して濃縮しているのです。瀬戸内海に面した赤穂(あこう)には、昔の「塩田:えんでん」が復元展示されています。数日前の誰かの日記の赤穂浪士の故郷です。
戦後の流下式枝状架(りゅうかしきしじょうか)製塩法は、立体式塩田。木や竹の枝を組んだ巨大な垣根のようなものの上から、ポンプで汲み上げた海水を注いで、小枝を伝って落ちる海水を風や太陽熱で水分を蒸発させ、濃縮された海水を釜で炊いて塩を作りました。
この流下式の製塩法を発展させたのがネット架と呼ばれる上の写真の施設です。海を渡って吹いて来る強い風で海水が効率よく濃縮されます。黒潮として流れてくるキレイな海水を自然エネルギーの利用で製塩する、地域の特色を生かした地場産業は素敵ですね。
左側、水平線に見えるのは、大島の南にある利島(としま)。
1979年(S54)に発足した日本食用塩研究会は、今年30年を迎えました。専売公社(現在のJT:日本たばこ産業)の精製塩ではない、自然塩を復活させる運動については、初代大島研究所長の谷克彦氏の著書『いのちは海から』(1981年マルジュ社刊)などが詳しいのでお読みください。大島町立図書館蔵書です。
大島での研究当初は、ブロックを積んだタワー式でした。雁屋哲/原作・花咲アキラ/画の『美味しんぼ』33巻「塩梅」に実名で登場する高知県佐賀町の「生命と塩の会」の小島さんは、81年頃に間伏で研修して行った方なので、コミック単行本にタワー式の海水濃縮装置が描かれていて、当時の情景が思い出されます。
温室の中では、濃くした海水を太陽熱で更に濃縮し結晶化させて天日による塩つくりをしています。
こちらは、大島で日本で、最も長く自然塩復活運動を続けてきた阪本章裕さんの元町にある研究所。ドーム型の海水濃縮温室の中で霧状になった海水が濃縮されていました。
コペンハーゲンで開かれているCOP15(注)は、新たな合意ができるのでしょうか? 何とかしなければ! 自然エネルギーの利用促進を!!
昨夜からの伊東沖を震源とする地震、今夜の八丈島近海地震、フィリピンの火山の噴火、三宅島も依然として噴煙を上げています・・・。伊豆半島・諸島が乗っているフィリピン海プレートの活動が活発化しているのでしょうか? こちらの自然エネルギーは大き過ぎると困りものですね。
みなさん、お気を付けて!
(注)国連気候変動枠組み条約締約国会議
(なるせ)
上の写真は、遠くに伊豆半島の先端付近の見える島の南西側、間伏地区の海岸に建つ、日本食用塩研究会の塩作り施設です。汲み上げた海水を木造の高い「やぐら」の上から少しずつネットに流して濃い塩水にしています。
汲み上げた海水は、塩分濃度3%ほどです。これを風や太陽熱という自然エネルギーを利用して濃縮しているのです。瀬戸内海に面した赤穂(あこう)には、昔の「塩田:えんでん」が復元展示されています。数日前の誰かの日記の赤穂浪士の故郷です。
戦後の流下式枝状架(りゅうかしきしじょうか)製塩法は、立体式塩田。木や竹の枝を組んだ巨大な垣根のようなものの上から、ポンプで汲み上げた海水を注いで、小枝を伝って落ちる海水を風や太陽熱で水分を蒸発させ、濃縮された海水を釜で炊いて塩を作りました。
この流下式の製塩法を発展させたのがネット架と呼ばれる上の写真の施設です。海を渡って吹いて来る強い風で海水が効率よく濃縮されます。黒潮として流れてくるキレイな海水を自然エネルギーの利用で製塩する、地域の特色を生かした地場産業は素敵ですね。
左側、水平線に見えるのは、大島の南にある利島(としま)。
1979年(S54)に発足した日本食用塩研究会は、今年30年を迎えました。専売公社(現在のJT:日本たばこ産業)の精製塩ではない、自然塩を復活させる運動については、初代大島研究所長の谷克彦氏の著書『いのちは海から』(1981年マルジュ社刊)などが詳しいのでお読みください。大島町立図書館蔵書です。
大島での研究当初は、ブロックを積んだタワー式でした。雁屋哲/原作・花咲アキラ/画の『美味しんぼ』33巻「塩梅」に実名で登場する高知県佐賀町の「生命と塩の会」の小島さんは、81年頃に間伏で研修して行った方なので、コミック単行本にタワー式の海水濃縮装置が描かれていて、当時の情景が思い出されます。
温室の中では、濃くした海水を太陽熱で更に濃縮し結晶化させて天日による塩つくりをしています。
こちらは、大島で日本で、最も長く自然塩復活運動を続けてきた阪本章裕さんの元町にある研究所。ドーム型の海水濃縮温室の中で霧状になった海水が濃縮されていました。
コペンハーゲンで開かれているCOP15(注)は、新たな合意ができるのでしょうか? 何とかしなければ! 自然エネルギーの利用促進を!!
昨夜からの伊東沖を震源とする地震、今夜の八丈島近海地震、フィリピンの火山の噴火、三宅島も依然として噴煙を上げています・・・。伊豆半島・諸島が乗っているフィリピン海プレートの活動が活発化しているのでしょうか? こちらの自然エネルギーは大き過ぎると困りものですね。
みなさん、お気を付けて!
(注)国連気候変動枠組み条約締約国会議
(なるせ)
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