自然界には仲間同士の雑種も多いだろうから何んとも言えないが、枝には枯れ葉が残っておらず、細い帯状の花弁が短かいので、たぶんこれが日本固有のマンサクではないかと思う。花はシナマンサクよりやや小さめだ。もっとも、公園などに植えてあるマンサクは、付いている名札を見ると、マンサクもシナマンサクも特に区別していないように見受けられるので、いずれも単に「マンサク」として、あえて区別することもないのかもしれない。
マンサクは、春に他の花に先駆けて早く咲くので、“先ず咲く花”ということから次第に「マンサク」と呼ばれるようになったらしいという説と、花がたくさん付くので「豊年満作」から命名されたという説がある。花言葉は「幸福の再来」と言うそうだが、わが人生もぜひそうありたいものだと思っても、“時すでに遅し”かもしれない。名前の由来である豊年満作という言葉からも、縁起の良さそうな花である。
マンサクは、黄色の細長いちぢれた帯状の花弁が特徴的な、ちょっと変わった花だ。日本の固有種で各地の山林に多く自生している。花がよく似た中国原産のシナマンサクというのもあり、あちこちに植えられているのでよく目にする。両者は同じような花なので区別が付きにくいが、シナマンサクは、花弁が日本の固有種のマンサクよりもやや長く、花が咲く時に、前年の枯れ葉がまだ残って付いていることが多いそうだ。花が咲く時期もシナマンサクの方が少し早いらしい。それから判断すれば、これはたぶんシナマンサクだろう。他にもよく似た花を付けるアメリカマンサクもあるようだが、これは秋に花が咲くそうだ。
このシナマンサクの花には、1枚の丸まった枯れ葉が付いていたが、木の先に止まった蛾のように見える。
ツグミは、日本での越冬中はほとんど鳴かないそうで、“口をつぐむ”ということから「ツグミ」と呼ばれるようになったらしい。シジュウカラと同様に、誰が名付けたか知らないが、名前の由来というのは適当なようで面白い。
気配を感じたのか、暫くこちらを見ていたが、正面から見た顔はメガネを掛けているようでちょっと滑稽だ。しかし、こちらは小鳥に気付かれないように窓のカーテンに隠れて撮っているのだから、変な誤解を招かないよう、隣家の窓の前の木にだけは止まって欲しくないものだ。
今朝は庭に珍客が来ていた。たぶんツグミだと思う。我が家の庭には、ハトやスズメ、ヒヨドリやムクドリ、時にはメジロやウグイス、モズなども来るが、ツグミは初めて見た。夏はシベリアなどで繁殖し、秋になると日本に渡って来て越冬し、晩春には群れになってまた北へ旅立って行く代表的な冬鳥だそうだ。
ヒヨドリがいつも庭に来ているので、どこかに何か美味そうな餌があると思って紛れ込んできたのかもしれない。ツグミは、昔なら珍味として“焼き鳥”にされてしまったのだが、今ではその心配がないので安心しているのだろう。
メジロの群れに2~3羽の色や模様の違う小鳥が混じって、一緒に飛び回っていた。シジュウカラのようだ。首から胸にかけて黒い帯があり、白い頬がよく目立つ。市街地でも樹木のある公園などではよく見掛ける小鳥らしい。
シジュウカラを漢字で書けば「四十雀」で、それが名前の由来になっているそうだが、シジュウカラ1羽でスズメ40羽分の価値があるということで名づけられたという説もあるようだ。
メジロは、綺麗な黄緑色の羽の色と共に、その名のとおり目の周りの白い輪が特徴的だが、英語でも “white-eye”と言うように、それが名前の由来になっている。動きには落ち着きがないが、50円切手のデザインにも使われている馴染み深い愛らしい小鳥だ。
庭に毎朝メジロが数羽来る。多い時には10羽くらいいるようだ。餌を採っているのでもなく、ただ飛び交って遊んでいるだけのようで、昼過ぎには他所へ飛んで行って殆どいなくなる。今までは、ウメが開花すると花の蜜を吸いに集まって来るのをよく見掛けたが、我が家のウメはまだ開花前だ。今年はウメの開花が少し早いようだと、メジロは気付いているのかもしれない。
ウメはバラ科でサクラやモモと同じ仲間だ。ウメも種類が多く、紅梅や白梅、一重咲きや八重咲きくらいの区別はつくが、それぞれの品種に名前があっても、違いはよく判らない。「花香実鶯宿(はなかみおうしゅく)」という難しい名前の名札が付いていた。
暦の上ではもう少しで立春とはいえ、今が一番寒い時期なのに、ウメが咲き出すと何んとなく春の訪れを感じる。
豊橋市の向山緑地にある梅林園のウメは、種類にもよるが、早いのは二分咲きくらいだ。出会った地元の“梅まつり実行委員らしき人”の話では、「あと1週間くらいかなぁ」とのことで、どうやら見頃は2月上旬くらいからのようだ。向山梅林園には、27種類、約400本のウメがあるそうだ。
昨日、名古屋地方気象台のウメの標準木が開花したそうだ。去年より1日早く、平年より12日早いという。大寒を過ぎてから寒い日が続いているが、それでもこの冬は平年より暖かいのだろう。たぶん早咲き種だと思うが、岡崎市の岩津天満宮で咲き始めた紅梅である。まだ1~2本だけだが、この木はもう三分咲きくらいだ。