長野県の開田高原にある水生植物園はワスレナグサ(忘れな草)の群生地でもある。ワスレナグサには、ヨーロッパ原産で明治時代に日本に入ってきたものの園芸種とアジア原産で日本に古くからあるエゾムラサキ(蝦夷紫)という種類の両方があって、ワスレナグサというのはそれらの総称だそうだ。これは今月中旬に撮った画像だが、水生植物園の片隅に、小さく可憐な青い花が一面に咲いていたのが印象的であった。
ひるがの高原で咲いていたゲンノショウコ(現の証拠)だ。やや紫がかった白色と赤紫色の花、その中間のピンク色があって、赤花は西日本に多く、白花は東日本に多く見られるそうだが、岐阜県はほぼ日本の真ん中だから、中間色とか両方の色のゲンノショウコがあるのかもしれない。胃腸に効く薬草の一つだそうで、“現に良く効く証拠”ということが名前の由来だそうだが、これも何となく可笑しな命名だ。
ひるがの高原で咲いていたが、たぶんヤマジノホトトギス(山路の杜鵑草)だと思う。花の紫色の斑点模様が野鳥のホトトギスの胸の縞模様に似ていることが、ホトトギスという花の名前の由来となったらしいが、野鳥のホトトギスを見たことがないので何とも言えない。ヤマジノホトトギスは、山道に咲いているホトトギスということなのだろう。
去年の10月にも蝶と一緒に掲載した花だが、ヒヨドリバナやフジバカマとよく似た同じ仲間のサワヒヨドリ(沢鵯 )だと思う。もう暫く経って花が咲く頃には、去年見たように、またアサギマダラの群れが集まってくるだろう。
岐阜県のひるがの高原で咲いていたヒヨドリバナだ。仲間にはよく似た花があるようなので、見分けが付きにくいが、葉の様子からヒヨドリバナ(鵯花)でいいと思う。まだ咲き始まったばかりで蕾が多いが、いろんな蝶が好んで集まってくる花の一つだろう。
自生する菊の仲間は数も多いし、どれもよく似たのばかりで区別が付かないが、「ひるがの湿原植物園」のネームプレートには、ユウガギクとなっていた。柚子の香りがする菊ということでユウガギク(柚香菊)となったらしいが、名前の由来を知らなかったので、匂いまでは確認してこなかった。