最近では2017年7月にも載せたことがあるヨツスジハナカミキリ。黒と黄色の4本の縞模様が特徴だ。あまり似ているとは思えないが、蜂に擬態しているという。幼虫で越冬し、春に羽化するそうだ。成虫はガクアジサイやノリウツギなどの花で見掛けることが多いから、その花粉を餌にしているのだろう。
ムラサキシジミは翅の表側が雌雄ともに光沢のある青紫色が目立つ綺麗なシジミチョウだが、裏側は地味な灰褐色だから、翅を閉じているとあまり目立たない。年に3~4回羽化し成虫で越冬するから、この辺りでは冬でも暖かい日には幼虫の食樹であるカシやクヌギの周辺を飛んでいるし、時には雌が葉に止まって産卵しているのを見掛けることもある。
我が家の庭でもムラサキツユクサが咲いている。先月中頃から咲き始まったが、早朝に咲いて午後には萎んで咲き終わる。花は1日花だから、翌日にはまた別の蕾が咲き、その繰り返しのようだから蕾がある限り暫く咲き続けるのだろう。ちょうど梅雨の頃に咲くけど、漢字では「紫露草」と書くそうで、名前は梅雨とはまったく関係ないようだ。そういえば、東海地方では今年は梅雨入りがけっこう遅れており、梅雨の前に梅雨が明けた時のような真夏日がここ何日か続いている。天気予報では今週末あたりから梅雨に入るらしい。
ムラサキツユクサが公園の花壇で咲いていた。人為的に改良された園芸種なのか自然にできた雑種なのか定かではないが、けっこう色のバラエティーがあるようだ。紫だけでなく青色もあるし、ピンク色に近い赤っぽい紫、ムラサキツユクサなのに真っ白な花や斑入りのように見える花もあった。各地で普通に見られる多年草だが、北アメリカ原産の帰化植物だそうだ。
近くの公園にアジサイを見に行った時に、園内の散策路脇の葉上に偶然にも舞い降りてきたウラナミアカシジミ。先週の6日に載せたミズイロオナガシジミと同じゼフィルスの一つだ。直ぐに飛び去ったので、逆光の位置でこの画像が1枚しか撮れなかったが、オレンジ色の翅の裏側には角ばった黒い斑点模様が帯状にたくさん並んでいる綺麗な蝶だ。卵で越冬し、生まれた幼虫はクヌギやコナラなどのカシ類の葉を食べて育つそうだが、初夏のこの時期に年1回しか羽化しないから、なかなかお目に掛かれない希少種で、多くの都県で絶滅危惧種に指定されている。
キスジホソマダラは、5年前の2019年10月9日にも載せたことがあるが、黒褐色の翅に黄色の縦縞模様がある小型の綺麗な蛾だ。蛾には夜行性のものが多いが、これは昼行性で花の蜜にも寄ってくるという。近くの公園の薄暗い木陰に植えてあるアジサイの葉に留まっていたが、幼虫はササとか竹の葉を食べて育つようだ。
先月末に載せたサトキマダラヒカゲを撮っていた時に、急にバタバタと羽音を立てて飛び立ったオオトモエ。全く気付かなかったが、サトキマダラヒカゲがいた幹の裏側で樹液を吸っていたようだ。十数メートルほど離れた道路脇に留まっていたのを追いかけて撮ったものの、驚いてまた林の中に飛び去ってしまったから画像はこの1枚しかない。翅の開張が 10㎝くらいはあったかと思うほど大型の蛾だ。翅は褐色で地味でも、よく目立つ巴形の目玉模様と細い帯状の白い模様が特徴的だ。外敵を驚かせるためだろう。
ミズイロオナガシジミは “ゼフィルス” と呼ばれるシジミチョウの仲間で、平地でもたまに見られるものの、年1回だけこの時期にしか羽化しないから、どこでも簡単に出会える蝶ではない。名前にミズイロと付いていても、前翅も後翅も裏側は水色ではなく灰色で、翅を広げてくれなかったが、図鑑によると、表側は全体が黒褐色だ。後翅の黒いV字状の帯模様と長い尾状突起、小さな橙色の斑点模様が特徴だ。