変わった形をしたカキドオシの花。品種改良した欧州産の園芸種もあるそうだが、普通によく見掛けるのは、道端に自生しているシソ科の多年草だ。花の上にはバッタがユーモラスな格好で掴まっていたが、フキバッタかイボバッタの幼虫だろうか。昨日載せたアマドコロの傍で咲いていたのだが、カキドオシの花はハナバチの好みではないのか、全く来ていなかった。
今月初めに撮った時機遅れの画像だが、花壇に植えられたアマドコロにマルハナバチの仲間らしき蜂が吸蜜に来ていた。花が小さく筒状だから、蜜を吸うのにかなり苦労しているようだったが、虫に受粉を助けてもらうはずの植物が、何故こんな形の花になったのだろうかと不思議に思う。自然界にはそれなりの理由があるのだろう。
刈谷市北部にある小堤西池のカキツバタが見頃になっているのではないかと思い、久し振りに訪れてみた。11年前の2008年5月にも行ったことがあるが、このカキツバタ群落は、古くから小堤西池に自生しているもので、昭和13年に国の天然記念物に指定されたという。カキツバタは愛知県の県花になっているくらいだから、昔は県内のあちこちに、特に西三河地域にはカキツバタがたくさん自生していたのだろう。
住宅地の公園などでもよく見かけるアオスジアゲハ。他のアゲハチョウの仲間に比べて飛び方が俊敏だが、名前のとおり、翅の半透明の青い模様がよく目立つから飛んでいても直ぐに分かる。1年に3~4回、5~10月に羽化し、蛹で越冬する。幼虫はクスノキ科の植物の葉を食べて育つ。南方系の蝶だそうで、東北地方南部あたりが北限だというから、北海道にはいない蝶かもしれない。
どこでもよく見かけるアゲハチョウ。単にアゲハともナミアゲハともいうアゲハチョウ科の代表的な蝶だ。1年に何度も孵化して蛹で越冬する。幼虫はミカンやカラタチなどの葉を食べて育つ。ありふれた蝶だが、翅の模様が綺麗だ。色や模様がよく似たキアゲハと見間違いやすいが、キアゲハは黄色がもっと濃くて前翅の模様が少し違う。愛知県森林公園の南門の花壇に植えてあるサクラマンテマと思われる花で吸蜜していた。
連休後半に撮った蝶の画像をまたいくつか・・・。
名古屋周辺でギフチョウが見られるのは4月いっぱいくらいまでだろうと思っていたが、岐阜県多治見市の潮見の森に行ったら、駐車場に戻る道端で偶然にもギフチョウにバッタリ。ツツジで吸蜜するのに忙しそうで、こちらの存在を無視するかのごとく暫く付き合ってくれた。
名古屋周辺でギフチョウが見られるのは4月いっぱいくらいまでだろうと思っていたが、岐阜県多治見市の潮見の森に行ったら、駐車場に戻る道端で偶然にもギフチョウにバッタリ。ツツジで吸蜜するのに忙しそうで、こちらの存在を無視するかのごとく暫く付き合ってくれた。
時代が令和になって最初に撮った時季遅れの画像だが、連休中はどこも渋滞するので、どこか近場で・・・と思いつつ、今月初めに豊田市の「つどいの丘」に植えられているキリシマツツジを見に立ち寄った。「つどいの丘」はトヨタ自動車の「全トヨタ労連研修センター」であるが、その敷地内にはあちこちにキリシマツツジが植えられている。いつも4月末から連休中頃が見頃のようだが、今年はやや開花が早かったのか、訪れた日にはやや見頃を過ぎていたようだった。以前にもここのキリシマツツジをブログに載せたことがあるが、前回は2010年5月1日だったから、まだ4~5年前かと思っていのに、もうひと昔も前のことだった。
春先に多くいるツマキチョウだが、前翅の先端がオレンジ色をしている♂にも何度か出会ったのに、今年はこの♀しか撮れなかった。ピンボケもあったから、画像はこの1枚だけだ。年1回だけ3~4月に羽化して成虫で越冬する。初夏から翌春まで長い間を蛹で過ごし春になって羽化するから、春の短期間だけしか見掛けることはない。飛んでいる時はモンシロチョウのようにも見えるが、モンシロチョウよりもやや小さく、飛び方もゆっくりしているから分かりやすい。食草は道端や空き地に生えているタネツケバナやナズナだ。
3月に撮った画像だが、テングチョウは早春にいち早く現れる蝶で、6月頃から夏にかけて羽化し、暑い真夏にはいったん休眠してからまた秋に活動するという。そのまま成虫で越冬し、春に子孫を残して一生を終えるようだ。頭の先が天狗の鼻のように尖っていることが名前の由来だ。幼虫の食樹はエノキ。
キタテハは春から夏にかけて羽化し翅の表側が黄色っぽい夏型と、秋に羽化しそのまま越冬する秋型がいて、秋型では色が夏型より濃くなる。年に3~5回も羽化するし、幼虫の食草が空き地や河川敷など蔓延っている蔓性雑草のカナムグラだから、1年を通じてあちこちでよく見掛ける蝶だ。
先月初めに豊田市の愛知県緑化センターで日向ぼっこをしていたアカタテハ。ヒメアカタテハとよく似ているが、アカタテハは前翅から後翅にかけて茶色が多く橙色の斑点模様がないから、翅を広げていれば区別はつきやすい。年に数回発生し、特に秋に見かけることが多い。成虫で越冬するが、これは翅がほとんど傷んでなかったから、この春に羽化したばかりなのかもしれない。幼虫の食草は葉や茎に棘があるイラクサや駆除が厄介な雑草のひとつであるカラムシなどだ。
昨日載せたヒオドシチョウがいたのと同じ場所で同じ日に見掛けたミヤマセセリ。蛾のように見えるがセセリチョウの仲間だ。♀と♂で翅の色模様に違いがあり、いつも翅を開いて留まるから雌雄の識別は分かりやすい。これは前翅に白い帯模様があり、後翅の淡黄色の斑点模様がはっきりしているから♀だろう。幼虫の食樹はクヌギやコナラなどで、早春に年1回だけ羽化し、成虫が幼虫の植樹の葉裏に卵を産み、卵が孵化した後は5月頃から翌年まで幼虫で過ごすという。棲息数がそれほど多くない希少種だから、絶滅危惧種に指定している県もいくつかある。直ぐに飛び立ってしまったから、残念ながら画像はこの1枚だけしか撮れなかった。