先週末に撮ったいつもの散歩道の夕景だが、夕陽が沈む位置がだいぶ南に移動してきた。今の名古屋の日没は夕方4時40分で日の出が6時40分だから、「秋の夜長」という如く夜が14時間もある。
「陶史の森」ではミミカキグサと一緒にホザキノミミカキグサ(穂咲きの耳掻き草)も咲いていた。花の形はミミカキグサとはやや違うが、これも水辺で生活している食虫植物だ。ムラサキミミカキグサという似たような植物もあるそうだが、花の姿からホザキノミミカキグサでいいと思う。花が終わった後の実は丸くて“耳掻き”のようにはならないが、勝手に解釈すれば、名前は“花が穂のように咲くミミカキグサに似た草”ということだろうか。
ミミカキグサ(耳掻き草)は、湿地や湖岸などの水辺に自生し、地下茎にある捕虫囊でプランクトンなどの小さな動物を捕まえて栄養にしている食虫植物だ。これは1ヶ月ほど前に岐阜県土岐市の「陶史の森」で撮った画像だが、今ではもう花は終わっているだろう。花が咲き終わった後に上下二枚の萼片が種を包むように合わさって残るが、これが耳掻きのような形になることが名前の由来だそうだ。花茎は短く花は数ミリくらいしかない小さな植物で、それが水辺に生えているのだから、俯せどころか座り込むこともできず、中腰のまま写真を撮るのに一苦労であった。
キッコウハグマ(亀甲白熊)は葉の形が五角形で亀の甲に似ているのが名前の由来だという。直径が1cmくらいしかない小さく可憐な花だ。“風車”のように見える花は、よく見ると3枚の花弁の先端が5枚に裂けて分かれているので、細長い花弁が15枚あるように見える。花弁が開かない閉鎖花のまま咲き終わるのが多いそうなので、いつでも見られる訳ではないらしいが、薄暗い湿った道端で生えていても、群生して咲いていないと、草丈が低く細いし花も小さて目立たないので通り過ぎてしまうことが多い。この画像も、いったん通り過ぎてしまった後で、帰り道に見付けて撮ったものだ。
瀬戸市の岩屋堂公園の川縁で咲いていたダイモンジソウ(大文字草)だが、見に行くのが遅くなって、花はもう終わりに近かった。5枚の花弁のうち、上の3枚だけが短く下の2枚が長いために漢字の「大」という字に似ているのが名前の由来だそうだ。2009年の7月9日に載せたことがあるユキノシタとよく似た花だ。