昨日のイシモチソウと同様に、トウカイコモセンゴケ(東海小毛氈苔)も愛知県森林公園で咲いていた食虫植物だ。20cmくらいの細長い花茎の先端に小さな花が咲くので、株基から出ている葉の様子を一緒に上手く写せなかったが、イシモチソウのように、葉の先端に出ている粘液が鳥もちのようになっていて、小さな虫を捕獲する変わり種だ。名前のとおり、東海地方の固有種で、普通のモウセンゴケは白花で曇った日でも花が咲くのに、これは葉の形に少し特徴があり、花がピンク色で晴れた日の午前中しか開花しないという。
少し前に愛知県森林公園に行ったら咲いていたイシモチソウ(石持草)だ。湿地を好む食虫植物で、葉の先の粘液で近寄ってきた虫を捕まえて栄養を摂っているというから、まるで動物のような変わった植物だ。気の遠くなるような長い年月をかけて、そういう機能を持つように進化してきた経緯が背後にはあるのだろう。葉が長くて花がピンク色や白色のナガバノイシモチソウというのもあるそうで、いずれも環境省の絶滅危惧種に指定されている。
品種改良された最近のアジサイの花は色とりどりだが、やはり昔からの青や紫が清涼感があっていい。この画像はまだ咲き始めの時だったから、真っ青なアジサイにはなっていないが、青とクリーム色のグラデーションが綺麗で、こういうアジサイも気に入っている。
雨模様の日が多いのに加えて、梅雨明けを思わせるような急な暑さの到来で殆ど外出しておらず、このところずっと、今月上旬に撮った在庫画像を並べている。例年より少し遅れ気味であったアジサイが見頃になっているが、これは20日も前に豊田市の松平郷で咲き始まっていたアジサイ(紫陽花)だ。あの時はまだ青が疎らだったが、いまでは一面が鮮やかな青になっているだろう。アジサイはやはり梅雨時に似合う花だが、この暑さでは花が早く終わってしまいそうだ。それにしても、まだ梅雨明け宣言が出ていないのに異例な猛暑が続いている。
見頃はやや過ぎたものの、ヤマボウシ(山法師、山帽子)の白い花は薄暗い山の中でよく目立つ。正確には、花弁のような白いのは総包片で、真ん中にある丸い部分に固まって咲いている薄緑色の地味な色の小さなツブツブが花だから、全体を“白い花”と言ってはいけないのかもしれないが、森や林の中で真っ白い塊のように咲いていると、山道を歩いた疲れが吹っ飛んで、何となく癒されるような気分になる。山中で見掛けるのは野生のヤマボウシだが、最近では近縁種のハナミズキとヤマボウシを交配した園芸種もあるそうだ。
我が家のアジサイはようやく少し色付いてきた程度だが、梅雨の季節によく似合うアジサイがそろそろ見頃になってきた。これは愛知県森林公園で咲いていたヤマアジサイ(山紫陽花)だ。2年前の7月にも載せたことがあるガクアジサイとそっくりで、3日前に載せたコガクウツギにもちょっと似ている。名前のとおり、いずれも同じアジサイの仲間だから似ているのは当然だが、最近はどれもいろんな品種を交配した園芸種が多く出回っているようなので、どれが何だか見分けが付かない。野生のヤマアジサイは福島県以西の山林に自生しているそうだが、ここのヤマアジサイには装飾花が4枚のものと5枚のものがあったから、もしかしたら園芸種が混ざっているのかもしれない。
去年の6月26日にも載せたが、イワガラミ(岩絡み)は蔓性の木で、他の木や岩に絡み付いて上に伸びていくことが名前の由来だ。1枚だけの装飾花が何ともユニークだ。生まれたばかりのような小さなバッタらしき虫を狙って蜘蛛が隠れていたが、こんな地味な花にも小さな虫が寄ってくるし、それを狙ってまた別の虫が集まってくる。さらに、それを狙う小鳥もいるのだろう。
ネームプレートにはコデマリと書いてあったが、一昨年の5月9日に載せたコデマリとは花がちょっと違うように見えた。これは公園で咲いていたコデマリ(小手毬)だから、もしかしたら、これも交配種なのかもしれない。植栽された植物には、人為的に品種改良された園芸種が多いようだが、人の手を加えないでも、最近では自然界の植物には雑種が少しづつ増えてきているらしい。