午後一時からの「オレンジと太陽」を見に、シネマイーラに行った。今日はなぜか人が多かったので、係員に「今日は多いですね」と尋ねたら、「今日は映画の日で、料金が安いのです」といわれた。そうだったのか。
さて、この映画は、イギリスの有名なケン・ローチ監督の息子、ジム・ローチが監督したもの。ケン・ローチの作品はすべて社会性と批判的精神に富むものだが、息子のも批判精神にあふれたものであった。
約13万人の子どもたちを、イギリスからオーストラリアに秘密裡に移民させた事実を、ひとりの女性ソーシャルワーカーが、それを隠したままにしておこうという権力者たちの妨害をはねのけて明らかにしていく、というものだ。
その原動力は、幼いときに親と引き離され、親も知らないままにオーストラリアへ連行され、迫害を受け虐待された子どもたちの、「私は誰なんだ?」という問いに誠実に応えようという女性とその家族のヒューマニズムだ。
これは「強制連行」でもある。国家というものは、あるいはそれを支える教会などの権力組織は、こういう無法を平気でやるのだ。どの国家も変わらない。
106分の間、少しも飽きさせずにぐいぐいと引っ張っていくジム・ローチ監督の手腕はなかなかのもの。今後も、こういうような作品をどしどし提供して欲しい。
8月10日まで上映中。
http://www.oranges-movie.com/column.html
さて、この映画は、イギリスの有名なケン・ローチ監督の息子、ジム・ローチが監督したもの。ケン・ローチの作品はすべて社会性と批判的精神に富むものだが、息子のも批判精神にあふれたものであった。
約13万人の子どもたちを、イギリスからオーストラリアに秘密裡に移民させた事実を、ひとりの女性ソーシャルワーカーが、それを隠したままにしておこうという権力者たちの妨害をはねのけて明らかにしていく、というものだ。
その原動力は、幼いときに親と引き離され、親も知らないままにオーストラリアへ連行され、迫害を受け虐待された子どもたちの、「私は誰なんだ?」という問いに誠実に応えようという女性とその家族のヒューマニズムだ。
これは「強制連行」でもある。国家というものは、あるいはそれを支える教会などの権力組織は、こういう無法を平気でやるのだ。どの国家も変わらない。
106分の間、少しも飽きさせずにぐいぐいと引っ張っていくジム・ローチ監督の手腕はなかなかのもの。今後も、こういうような作品をどしどし提供して欲しい。
8月10日まで上映中。
http://www.oranges-movie.com/column.html