浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】野見山暁冶・窪島誠一郎『無言館はなぜつくられたのか』(かもがわ出版)

2012-08-04 16:54:47 | 日記
 信州上田に「無言館」という美術館がある。私はまだ行ったことがない。

 そこは、戦没画学生の絵が展示されているところだ。美術を志し、しかし戦争によりそれが中断させられ、戦地で命を落としていった画学生。

 戦地に行く前に、彼らは必死で絵を描いた。その絵は、まだまだ完成していないかもしれないが、絵を描きたいから必死に描いた。戦場から、かれらは帰ってこなかった。

 遺族たちは、その絵を遺品として遺していた。画家の野見山と信濃デッサン館館長の窪島が、それらを収集し、無言館に集めた。

 その経緯を、野見山と窪島が語り合った。対談だから、読みやすいし、そのなかにいろいろ含蓄のある話がちりばめられている。

 その一つ。最近、画家を目指す若者から「何を描いたら売れますか」などと問われるそうだが、画学生が描いた絵には、そういうアホな気はまったくなく、描きたいという「絵を描く原初の魂」があるという。「絵が描けて嬉しい、描きたい」という「原初の魂」があるというのだ。これは野見山の絵と通ずるところがある。

 そしてもう一つ、絵を描く時、対象としての人物や自然でも、とにかく絵を描いている時には、描く対象を愛しているのだ、という指摘。

 そして野見山の後書き。

「生物はすべて戦って生きている。人間は他の生き物とは違う崇高な理想を掲げながら、もっと醜い殺戮を繰り返す。その道具ばかりが、協力に開発されていく。永劫に動かない無言館の死者の眼差しが、他愛なく時代に押し流されていく僕たちを、じっと見つめている」

 近日中に、訪問するつもりだ。
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4000人?

2012-08-04 08:48:08 | 日記
 昨日東京で、国会や首相官邸前で行われている原発政策に抗議する金曜日行動に参加した。坂本龍一さんなども参加した抗議行動は、多くの人が入れ替わり立ち替わり参加していた。

 私たちは5時半頃7時過ぎまで参加したが、子ども連れの家族なども多く参加し、私は国会議事堂前の歩道の植え込みのところにいたが、参加する人々でいっぱいだった。

 おそらく首相官邸前にはもっと多くの人がいたはずだ。

 しかし、警視庁の発表は、参加者が4000人だと。ありえない数字だ。主催者発表は8万人。警視庁は明らかに過小評価しようとしている。

http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1415

ボクは、ここが近かったなら、毎週参加したいと思った。反原発は、人間としての本源的な願いである。それが、ここに集った人たちの共通の思いである。
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