浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】城山三郎『鼠』(文春文庫)

2017-03-31 16:34:27 | その他
 2018年は、米騒動100周年である。本書は、その米騒動で襲撃された鈴木商店がなぜ襲撃されたのかを調査しつつ、さらに鈴木商店の実質的なトップ・金子直吉の生涯を追う。

 読んでいて驚いたこと、それはヘーゲルの研究者である金子武蔵が、金子直吉の次男だったということである。

 それはさておき、米騒動時に焼き打ちにあった鈴木商店は、焼き打ちにあわなければならないようなことをしていたのかを追及する。米騒動の研究といえば、井上清・渡部徹の『米騒動の研究』に拠るのが一般的だが、そこでの叙述に疑問を持った城山が、実際に証言を行った市井の人を訪問してまで真実を究めていこうという城山の姿勢に感心した。

 鈴木商店は、米の買い占めその他、米価高騰の原因をつくってはいないのではないか、という問いに対する回答は、社としては一切ないが、社員のなかにはそういうことをした者がいるかもしれない、という結論のようだ。

 三井は、襲撃されなかったが、三井こそ社として米騒動時、米を輸出していたことが、記述されている。おそらく三井物産であろうが、三井物産は日本の侵略の尖兵の役割を中国大陸で果たしていたことから、なるほどと思った。財閥企業は、あくどい商売を行ってきているから。

 本書の基本的な内容は、以上であるが、途中、いい文に出会った。

民主主義が叫ばれ民衆の人気が云々されていても、政治の中に民衆の生活は不在なのだ。平民政治家にとってさえ、民衆とは操縦さるべきもの、利用すべきものとしてしかとらえられていなかったのではないか。

 これは原敬について記したものだが,政治家三世の安倍にとってみれば、これはもっと当てはまるような気がする。

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オリンピックはやめようよ

2017-03-31 16:07:59 | その他
 政治家は、箱物を作るのが、昔から好きだった。また官僚も、箱物を作らせるために、国家予算をそのための補助金としてカネをばらまくことを得意としていた。しかし、それは地方に無駄遣いを強い、赤字を生み出す元凶となった。

 静岡県でも、エコパスタジオというサッカー場があるが、これも毎年赤字続き。

 そして東京都が中心となっておこなう2020オリンピックは、巨大な施設を建設する。建設業者などには、莫大なカネが流れていく。そしてその裏では、政治家に様々なかたちでカネが渡されていくことだろう。そのカネ、いうまでもなく庶民がきちきちと納める税金である。税金が、「民間」と政治家に渡されていく構図。日本でずっと続く「習慣」でもある。

 そのカネ、建設費用が高ければ高いほど、「民間企業」や政治家らはにんまりとほほえむのだ。

 そして建設された箱物は、その後長期間、赤字を垂れ流しつづける。いいさ、その赤字を補填するのは、庶民からの税金のだから。

http://buzzap.jp/news/20170330-tokyo-olympic-legacy/

 何がレガシーLegacyだ!!
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神仏分離

2017-03-31 11:21:15 | その他
 明治初年の神仏分離は、日本人の宗教意識や宗教的伝統を破壊したことを,昨日も痛感した。

 昨日、道路が除雪されていたおかげで、戸隠神社に行くことができた。周囲は雪が厚く残っていたが、道路だけはきちんと除雪されていた。

 戸隠神社宝光社、中社に行ってみた。奥社は、駐車場までは行けたが、長靴を持参していかなかったので、行くのを止めた。主要道から奥社の方をみたら、雪が積もっていて無理だと判断したのである。

 長野市立博物館に寄り、そこで発行されている『信仰のみち』を読んでいたら、戸隠神社は神仏分離以前は、顕光寺という寺院だったというのだ。

 それは、戸隠神社のHPにも記載されていた。

慶応4年、明治維新の神仏分離令の発令によって、戸隠一山も「戸隠山顕光寺」から「戸隠神社」への転換を迫られます。
 神領に関しては最終的に政府に没収され、寺から神社への移行は更に極端な「廃仏毀釈」の風潮を生み出しました。全国各地の社寺の例に漏れず、戸隠山の仏宝も、追放・排除の道をたどり姿を消していきました。
 それらは、別の寺で大切に安置されている一方、破壊されたり、燃やされたり、埋められたりと、政府の政策の影響を多大に蒙った物もあるようです。
 しかしながら先人達は、その様な窮地の中で神社への転換を選択し、九頭龍大権現は岩戸守大神としての九頭龍大神となり三院は現在の奥社・中社・宝光社と称するようになったのです。


 まさに「先人たち」が、修験の道場として存続していた寺院を神社に強引に変えてしまったのである。しかし戸隠神社は、そういう歴史をきちんと公開しているところがよい、寺院から神社に変えたところでは、維新後に新しく勧請した神があたかも開創以降ずっと祀っていたかのような虚言を公にしているところがある。

 いずれにしても、神仏分離・廃仏毀釈を強引に推し進めた長州藩や公家たちは歴史的伝統を断ち切る蛮行をおこなったのであった。
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金正男暗殺事件

2017-03-31 07:54:36 | その他
 金正男氏暗殺事件について、北朝鮮政府はアメリカや韓国の謀略だと言っているそうだ。しかし、北朝鮮政府がどう言おうと空港の監視カメラなどから、北朝鮮政府が関与したことは明らかになっている。さらに今回の事件関係者と在平壌マレーシア大使館のマレーシア人帰還とを「交換」したところからも、それがより明確になったといえよう。と同時に、この事件の実行をベトナム、インドネシアの女性にやらせ、実行を命令した北朝鮮関係者は逃げるという、およそ人道的ではない措置も、いかに北朝鮮という国家が犯罪的であるかを示したものといえる。

 私は、北朝鮮の外交については、その政策の変遷をもとに一定の「理解」はしているが、今回の金正男氏の暗殺については、一切の「理解」を拒絶する反人道的な行為であると思っている。金正恩体制の退廃がこの事件でも示されたのである。

 以下は、共同発信記事。


金正男氏の遺体引き渡しで合意 北朝鮮とマレーシアが共同声明

2017年3月31日 02時00分

 【クアラルンプール、北京共同】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシアで殺害された事件で、両国は30日、「死亡者」の遺体を北朝鮮にいる家族に引き渡すことで合意したとする共同声明を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。互いの国民を出国禁止にした措置を解除することでも合意。マレーシアのナジブ首相は、外交官らマレーシア人9人が平壌を航空機で出発したと発表した。

 ミサイル発射実験などで国際的批判が高まる北朝鮮は事件の早期収拾を目指し、「人質」の解放を最優先させるマレーシア側と思惑が一致した。
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