浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

考えること

2017-03-10 22:41:21 | その他
 今月号のJournalismを読み終えた。特集は、「震災6年、原発と福島」である。一つのテーマであっても、そこには様々な論点があることを教えられる。

 座談会での吉岡斉の次の発言は、現在の原発政策を端的に表す。

 福島では「人間の被害」の調査が全然なされずに、とにかく形だけでも「正常化」させることを急いでいる。そうした、事故をなかったことにしようという流れと、原発推進政策を元に戻そうという流れの両者が、今の政府の動きだと思います。

 毎日新聞の日野行介の文は、官僚の姿を明確に示している。原発事故が引き起こした様々な問題を深く掘り下げて報じる日野だからこそ、官僚の姿を浮き彫りにできる。その文の表題は、「「隠す」「やったふり」、「押しつける」民主主義を破壊する政府の「棄民政策」」である。

 日野は重要な事実を何度もスクープしている。その極意は、

 取材のノウハウや人脈よりも、疑問を解くまで追い続ける執念と、わずかな幸運なのではないかと感じる。

 私の経験から、歴史の調査についても同じことが言える。まさに執念と幸運である。


 金子勝は、衰退産業である原発に関わり続けると、経営がどんどん傾く、というのは、今の東芝がそれを証明している。次には、三菱重工が続いていくだろう。

 吉原直樹の自治体の「コミュニティ施策」に関する疑問。そこには地域の「自治会」の問題が指摘されている。

 自治会は多くの場合、もっぱら行政の末端組織として機能し、被災者のニーズを行政へとくみあげていく日常的媒体組織としてはあまり機能していないようである。たとえば、被災者の生活を回復させるために不可欠な要件をなすと思われる賠償、補償の交渉において、自治会が被災者の前面に立って動くということはほとんどなかった。

 地域の自治会は、どこでも行政の末端組織として、あるいはガス抜きとして存在する祭りの主体としてしか存在していない。住民の要求を行政などに突きつけていくことができるようになれば、「自治会」は本来の「自治」の会となる。

 もと東電社員の最後の言葉。

 いま生じている歪みは、原子力事故が生んだのではない、その後の扱い方が生じた歪みなのである。

 しかし私はそうは思わない。事故の前から、原発政策がもっている歪みが、さらに大きな歪みをつくりだしている、と。

 TBS「NewS23」の萩原豊の文中にある、

 原発事故取材に限らず、市民の側に立ち、政府や社会に、事実を提示して、問題提起をする。これが、記者の重要な役割であり、責務といえる。

 「市民の立場」であって、「経営者の立場」、「政府の立場」ではないのだ。

 まだ全部を読んでいない。読んだものから、いくつか拾ってみた。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「表現の自由」の問題ではない

2017-03-10 20:27:30 | その他
 東京新聞の長谷川幸洋という人が、『東京新聞』にコラムを書いたが、それがボツにされたと怒っている。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51173

 その怒りを正当化するためにつかっているのが、「表現の自由」である。あの番組のやりとりは、「表現の自由」の範疇にはない。司会者として彼は、デマを広げる手助けをしたのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍政権擁護の行動

2017-03-10 20:00:47 | その他
 森友学園が申請取り下げ、理事長退任。これは安倍政権を守るために、どこからか命令が伝えられたのだろう。

 http://buzzap.jp/news/20170310-no-mizuhonokuni-shogakuin/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

二つの見解

2017-03-10 18:04:47 | その他
 福島県では甲状腺がんの子どもが増えている。しかし福島県や県とつながる医者たちは、それは放射線被曝とは関係ないという立場を貫いている。

 私は甲状腺がんになった子どもをひとりとして知らない。だから、当然放射線被曝がその原因ではないかと推察している。

 今月号の『Journalism』には、これに関して相対立する見解が記されている。大森真というもとテレビユー福島というテレビ局に勤めていて、今は飯舘村の任期付き職員である彼は、県や医者たちの見解を記す。

 彼は、福島県に居住している人々の被曝量がとても少ないことを縷々述べながら、甲状腺がんの発見は、「性能が著しく向上したエコーによる世界初の悉皆調査によってそれを見つけてしまったと考える方が、筋が通ると感じる」と書く。また甲状腺がんは「穏やかで、生命にかかわらない」、「転移した先でもこの穏やかな性質は変わらない」と記す。

 しかし、彼が記す根拠となるものは、すべて、そうした結論を導き出すことができる諸説に依存している。そうではない議論にも目を通すべきではないかと思う。

 対して、崎山比早子は、甲状腺がんと被曝との関係を明確に論じ、そうでない意見に対してもきちんと目を通して検討を加えている。

 また大森の、「・・・筋が通ると感じる」という書き方に、私は違和感をもつ。「感じる」ではダメなのだ。報道とは、主観的な感想を述べるところではないのである。また甲状腺がんは、「穏やか」で生命を奪わないのか、私は検証が不十分だと考える。大森は,飯舘村での、おそらく村が招聘したであろう研究者の話を聞いてこう記したのだろう。ではこの研究者の主張を検証したのであろうか。

 私が調べてみたところ、たしかに「穏やか」ではあるが、甲状腺がんには4種類のがんがあり、その一つ「未分化がん」は少ないけれども、そのがんにかかれば急激に増大し、また転移するという悪性で、予後も悪い、という。甲状腺がん=穏やかという等号は成り立たないのである。

 もとメディア関係者なら、そうした言説を確かめることをすべきではないか。

 大森は今は役場の職員。その立場からの発言は、ジャーナリズムからのものではない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

原発事故

2017-03-10 10:08:32 | その他
 『週刊金曜日』と『Journalism』を読んでいるが、Journalismの対談に以下のような説明があった。

 もともとクリアランスレベル(国が廃棄物を放射性物質として扱うかどうかの判断基準)は、キロあたり100(ベクレル)でした。それ以上は一般廃棄物ではなくて放射性廃棄物。福島の事故を契機にそれを8000(ベクレル)まで引き上げた。東京都のごみ焼却所で出る灰の放射性濃度はいまだに100を超えている。下水処理もそうです。以前の基準だと、立派な放射性廃棄物です。

 福島だけではなく、東京での汚染は続いているのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

CIAは、顔文字も集めていた

2017-03-10 10:04:34 | その他
 その一覧は,下記サイトにある。CIAのスタッフには、オタクがいるようだ。オタクだからこそ、こういうところに関心を持つのか。

https://wikileaks.org/ciav7p1/cms/page_17760284.html
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「教育勅語」が好きな人々

2017-03-10 09:16:49 | その他
 他人に道徳を説く人に人格者はいない、と以前書いた。最近「教育勅語」を好ましいと公の場で話した御仁がいた。ひとりは森友学園の理事長であり、もう一人は稲田という大臣である。

 この人たちは、平気でウソをつく人であり、また交友関係をもっている。その方々が「教育勅語」をよいものとして認め、それを平気で語る。無知としかいいようがない。

 これに対する反論は、下記に任せるが、教育勅語が「大日本帝国」で大きな役割、それも悪い方で果たしてきたことを想起しなければならないだろう。

 「教育勅語」の本質は、いざというと気になったら、国民は天皇のために命を捧げなさい、ということにある。

http://buzzap.jp/news/20170309-imperial-rescript-on-education/
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

CIAのハッキング

2017-03-10 08:58:53 | その他
 インターネットは便利だけれども、危ない。このパソコンにも、私に向けてカメラがついている。このカメラが動いているかどうか、私にはわからない。映画「スノーデン」でも、スノーデンのパソコンのカメラが自動的に動いて、スノーデンを監視していた。

 ずっと前、インターネットにつないだあと不具合が生じたので業者に電話したら、「私のほうでやりますから」と、業者が私のパソコンに入り込み不具合を消してくれたことがある。怖い話だ。

 だから、CIAがインターネットにつながる機器に入り込んでハッキングすることなんかは、おそらく朝飯前なのだろう。

http://www.cnn.co.jp/world/35097757.html

http://gigazine.net/news/20170308-wikileaks-vault-7/

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする