DAYS JAPAN 最終号が届いた。すべて読み終えた。
この号は、第一部と第二部に分かれている。第一部は広河隆一氏の性暴力報道に関する調査報告であるが、氏は事態をきちんと正確に把握しようとせず、甘えの中にいるという感じである。広河氏自身は、わかりたくない、わかろうとしない、という姿勢でみずからを守っているという感触を得た。
第二部は、林美子氏が編集したもので、私自身教えられることがたくさんあった。林氏の「広河氏の性暴力をどう考えるか」、大澤祥子氏の「自分の持つ影響力や権力に自覚を」、「同意がない性的行為は性暴力である」、牟田和恵氏の「セクハラを周囲が黙認することは加害者にお墨付きを与えていること」など、男性はすべからく読むべきであると思った。今までセクハラについて真剣に学んだことがなかったので、かつての自分自身の行動について考えさせられる内容であった。
また、白石草さんの文に、DAYS JAPANの休刊は、広河隆一のセクハラが問題化されていく中で急に出されてきたのではないか、ということが指摘されていた。確かに、急に経営状況が悪いから休刊するという情報が急に持ち出されてきたので驚いたことを思い出した。『週刊金曜日』は経営状況の悪化を知らせながらまだ刊行を続けているが、DAYS JAPANの場合は突然であった。その可能性は高いと思われる。
斎藤実奈子さんの文からは、この最終号の編集体制に対する疑義が出されている。広河氏への責任追及に積極的であった編集長や編集部員が退職する中で、この号が編集されたことについてである。
DAYS JAPANは、これで幕引きをするつもりでいるのだろう。この後、最終的な調査報告を何らかのかたちで行うと記されていたが、その方式では今まで購読していた私のような読者すべてに伝わらないだろう。せっかく第二部で、伝えられなければならない論点が示されたのであるから、被害者の声を踏まえての報告が詳細になされるべきである。
これを契機に、私は手元にあるDAYS JAPANのBNを処分する。DAYS JAPANの功績を全否定するつもりはないが、このような読者への「裏切り」は許せない。