浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

「暗夜行路」

2019-07-17 21:50:54 | その他
 今の日本は、まさに「暗夜」の路を歩んでいるように思える。だから『暗夜行路』を読んだわけではない。多喜二を理解する手段としての読書である。

 この小説の一部が、確か高校の時の教科書にあった。主人公である時任謙作が大山に行き、そこで自然の中に溶け込んでいくような気分になったことを記した部分である。しかし、大山になぜ彼が行くことになったのかは書かれていないし、また教員もその説明はしなかった。

 大山の寺にこもるようになった原因は、妻直子の「過ち」、彼女の従兄の要に強姦されたこと、謙作はそれを許すといいながら、心の奥底で許せない感情を抱き続け、そのいらだちを公然と示す。しかし謙作はそれはあってはならないということを理解している、理解しているのだが感情がその意志についていかないのだ。だから大山にこもったのだ。

 最後は、謙作が重病となり、妻直子がかけつけるが、謙作の生死は不明のまま、という筋立てである。

 前編のドラマは、謙作の出生の秘密が明らかになったこと、後編のそれは妻直子の「過ち」である。それを軸にしながら展開するところはなかなかひきつけるが、それ以外の箇所はそうでもない。謙作は人物的にどうかと思うところが多々あるのだ。イライラしやすく、ねちねちと考え、こだわる。

 そうはいっても、軽い気持ちで読みはじめたこの本を、最後まで読ませるのだから、さすがに志賀直哉である。

 多喜二を語るのは11月である。それまで関連文献を読みあさることになる。
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選挙は?

2019-07-17 08:21:12 | 政治
 選挙が行われているが、とても静かである。候補者の宣伝カーもほとんど通らない。選挙が行われているとは思われない状態だ。参議院選挙は選挙区が広いから都市郊外にまで足を運ぶことはしない。チラシもほとんど入らない。

 自民党は地方に強いといわれる。自民党に投票するのが3割、投票しないのが2割、5割は支持政党なし層である。その3割の多くが地方にいる。

 また地方は、農協はじめ自民党の後援会組織がたくさんある。自民党を倒すためには、地方票の切り崩しが必要なのだが、それができていないように思う。

 日本の選挙活動には厳しい制約が課されているから、それがなかなか難しい。制約のない、選挙がないときに切り崩しをすればよいのだが、それもままならない。

 5割の人びとが投票に行かなければならないと思うような、ある種のブームがおこればよいのだが、今回もそうしたことがないようだ。低投票率。それは自民党や権力にすりよることを方針としている「王仏冥合」の創価学会=公明党には嬉しい事だろう。

 山本太郎が率いる「れいわ新撰組」の候補が、創価学会=公明党を批判して東京選挙区で立候補している。その演説をネットで見たが、その創価学会=公明党への批判はその通りである。

 創価学会=公明党が、「小さな声」ではなく、「アベの声」を聴きながら、政治権力との癒着をひたすら追求しているが、それがいずれ毒となって創価学会=公明党を崩壊させていくことだろう。
 創価学会=公明党がアベ政権の悪政を支えている。
 野原氏の訴えは心に響く。

 通常は、テレビなどが投票率をあげるべく報道に勤しむのであるが、テレビがアベ政権の下に支配されているため、あまり報じられていないようだ。私たちは悪政、アベ独裁の中を生きるしかないのだろうか。
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