浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

映画「ホタル」

2019-07-28 23:34:49 | 映画
 高倉健、田中裕子主演の「ホタル」。もと特攻隊員を描いた映画である。高倉健演じる山岡は、もと特攻隊員。その妻は、朝鮮半島出身の特攻隊員の許嫁であった。朝鮮半島出身の金山少尉は、特攻隊員として戦死した。山岡は、金山少尉の出撃直前まで行動を共にし、許嫁や故郷、そして母に対する深い思いを聞いていた。

 山岡とその妻は、金山少尉の遺族に会いに韓国へ行く。

 叙情溢れる、そして山岡の複雑な心境がよく表現された、よい映画である。

 映画の中で、特攻隊員は「死ぬ意味」を一生懸命に考えた、という台詞があった。なぜ死ななければならないのか。まだまだ十分に生きてきていないのに・・・

 死を意識することがある。「死の意味」を考えることがある。しかし、未来のある者は、「死の意味」とは、すなわち「生きる意味」であることを発見する。そして生きる中で、「生きる意味」=「死の意味」を考え続けるのだ。だが、特攻隊員には、その転換ができない。死を生に転換することが、暴力的に、国家の暴力によって不可能にされたのである。

 この映画、「嫌韓」にこだわる人びとに見てもらいたいと思う。健全な日本人のあり方が示されている。本来、日本人は、山岡のような人間でなければならない。いつから、そういう豊かな感情が失われてしまったのか。

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【本】大貫健一郎・渡辺考『特攻隊振武寮』(朝日文庫)

2019-07-28 20:41:40 | 
 とても良い本である。知識も何もなく、特攻隊を礼賛する風潮が一部にあるが、本書はもと特攻隊員であった大貫健一郎がその真実を語る。

 「喜び勇んで笑顔で出撃したなんて真っ赤な噓。特攻隊の精神こそが戦後に本の隆盛の原動力だ、なんて言う馬鹿なやつがいますが、そういう発言を聞くとはらわたがちぎれる思いがします。陸海軍あわせておよそ4000人の特攻パイロットが死んでいますが、私に言わせれば無駄死にです。特攻は外道の作戦なのです」(333ページ)

 こういう「外道」の作戦を立てた軍人やそれを認可した者たちの責任は免れないのだが、しかし彼らは責任をとらずに生き残り、天寿を全うする者もいた。

 そして「振武寮」。特攻用の軍用機は、どうせ敵艦に体当たりするんだからと性能のよい、使用に耐える機体が供給されたわけではない。したがって故障も多く、飛べなくなって不時着した機体も多かった。しかし、そのために帰還せざるを得なかった特攻隊員を「振武寮」にとじこめて、「なぜ死ななかったのか」「臆病者め」と罵倒の限りを尽くした上官。その名は倉澤清忠少佐。彼は86歳で亡くなった。

 もと特攻隊員の大貫の眼から、特攻隊の真実が語られる。8月を迎える今、読む価値あり。

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知る喜び

2019-07-28 20:08:05 | 社会
 大学時代の友人から、11月にある種の「同窓会」をやるから参加しないかと連絡があった。そのメンバーをみると、学生時代には政治や社会のことを何とかしようとしていたにもかかわらず、今はそういうことに関わらず、それぞれの仕事に邁進している人びとがほとんどのようだ。となると、私としては話が合わないかも知れないと思って参加しないという連絡をした。

 学生時代の懐古をするつもりはなく、私にとっては「今」が大事であり、「今」にどう関わるかが重大問題なのだ。

 学生時代の志を今も抱いて生きている数少ない人のブログを読んでいたら、「オリヒメ(OriHime)」の記事があった。次々と関連サイトにアクセスしてオリヒメというものがどういうものかを知った。心から感動した。

 NNNドキュメントでも放送した。

NNNドキュメント「孤独をなくしたい 進め、分身ロボット」

 ALSという難病患者であっても、様々な場に「分身」として登場し、コミュニケーションできる。ただ寝たきりだから、他人に世話してもらわないと生きていけないからという理由で、生きることを否定されるわけにはいかない。ひとりの人間として、他者と関わりながら生きていける「分身」・・素晴らしい発明である。

 今日は、こういうものがあることを知っただけで、私は幸せだ。これによって、生きる上で障がいを持つ多くの人びとが、生きるということの素晴らしさを感じることができるようになる。

 この会社に注目していこうと思う。
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「国民民主党」?

2019-07-28 07:12:32 | 政治
 山本太郎が、国民民主党と一緒になる自由党から出て「れいわ新選組」をつくった。今回の参議院選挙で、私は山本太郎らの訴えや行動を見続けた。「れいわ新選組」は、信頼に足る政治集団だと思った。

 それに引き換え、静岡県に関わる国民民主党から出ている候補は、本来自民党から出てもおかしくない人びとである。現役の国会議員は、市議会議員時代、敬老会の挨拶で、「私ども行政に携わる者は・・・」などと言っていた。私はこの議員は議員の仕事とは何であるのかをまったく理解していない者だという判断をした。それが今や国会議員なのだ。

 その国民民主党は、今や、安倍政権と協力関係に入ろうとしている。

国民民主党・玉木代表が民意を裏切って改憲協力へ! 選挙前から流れていた安倍首相との密約情報はやっぱり事実だった

 政治屋集団というべきか。そういえば、この政党には、あの小沢一郎がいる。一頃、リベラルという人びとが小沢への期待を語っているのを読んだことがある。私は、彼が自民党議員だった頃から、まったく期待も信用もしていない。彼は権力を掌握することだけが目的であり、その政策の中身はどうでもよいとする人物である。

 私は、国民民主党のなかにも、良識ある人がいることを知っているが、そういう方々はぜひ離党して、「れいわ新選組」に合流することを期待する。

 今後の政治は、「れいわ新選組」がつくりだすはずだ。
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