本を読みながら、音楽を聴く。
現在私は、iPhoneを使用している。アップルミュージックで音楽を聴き始めたら、その音質のよさにびっくり。そしてアップルミュージックには、たくさんの楽曲が登録されていて、次から次へと好きな曲を聴くようになった。
今日は、シベリウスのヴァイオリン協奏曲を聴きたくなって、学生時代、東京のアパートで孤独を感じるときに聴いていた曲である。
アップルミュージックにアクセスしてその曲を聴き始めたら、そのヴァイオリン奏者の音色に聞き入ってしまった。そのヴァイオリン奏者は、アンネ・ゾフィー・ムターである。まったく知らなかった演奏家だ。今まで聴いていたシベリウスのヴァイオリン協奏曲とは異質な音が流れ、本を読めなくなった。
凄い演奏である。シベリウスのヴァイオリン協奏曲はこのように弾くのだという絶対的な確信、それを見事な技巧が支える。その絶対的な確信は、作為的でもなく、意図的でもなく、自然にうみだされているようにきこえる。
今まで聴いていたこの曲、オーケストラが奏でる音をかいくぐりながら、ヴァイオリンがひとりさびしくみずからの旋律を奏でるというものであったが、アンネ・ゾフィー・ムターの演奏は、かいくぐるのではなく、オーケストラと対等に、ヴァイオリンの音が前面にでてくる。
しばらくアンネ・ゾフィー・ムターの演奏の曲を聴き続けることになるだろう。