『ユダヤ教の歴史』という本がある。ポール・ジョンソンという人が書いたものだ。
イスラエルの蛮行を理解するためには、ユダヤ教を知らなければならないと思い、かつて読んで、しかし完全に忘れていた内容を、線を引いたりしたところを中心に読み直している。
イスラエルが行っていること、それをアメリカ帝国がバックアップしている、その様相に、宗教的背景があると認識しているからだ。ユダヤ人の一部であるシオニストが、パレスチナ人を虐待しているとは、もはや思えない。イスラエルという国家、ユダヤ人によって構成されている国家が、今までアメリカ帝国が行ってきたことを真似して、いやさらに激しくして、他国民、他民族を虐げている。イスラエルとアメリカ帝国とは、共通している。
独善、残酷、差別主義、暴力国家・・・・あらゆる否定的なことばがこの二つの国家を特徴づける。
同書(上巻)に、こういう文があった。
ユダヤ人が許されない行為には、「偶像崇拝、不義と近親相姦、そして殺人」があるという(261頁)。
「罪のない者を、多数の命を救うために犠牲とすることは許されない。人は一人ひとりが全人類の象徴であり、誰か一人を殺す者は、ある意味で生命の根本的定めを破ることとなる。」
これはユダヤ人の内部だけに適用されるものなのか。おそらくそうだろう。ユダヤ人以外、ユダヤ国家の国民以外の人間を殺すことは許されるのだろう。
まさにユダヤ教は独善主義の宗教であるがゆえに、普遍的な宗教とはなり得ない。普遍性をもたない宗教を信仰している者たちが、世界を攪乱している。