胸塞ぎ、心穏やかならず、というのが、いまの私の心情である。活字を追っていても、頭のなかにはいらない。ひとりの死に、私や家族は、その悲しみに沈んでいる。時間があるのに本が読めない、だから畑に行ってひたすらからだを動かす。それによって悲しみを紛らわす。
ひとりの死に、これほど私の心情が動揺しているのに、眼をパレスチナ・Gazaに向けると、そこには無数の死が引き起こされてる。イスラエルというユダヤ人国家が、その背後にあるシオニズムの目的を最終的に実現しようと、ユダヤ人が135年ローマ帝国によって追放され、その地を離れた後からずっと住んでいた人びとを一挙に虐殺している。
イスラエル国家のユダヤ人兵士は、笑いながらパレスチナ人を虐殺している。Gazaという狭い地域に閉じこめ、さらに攻撃するから南部に移動せよと命じて、多くの人々をさらに狭い地域に集中させ、そこに爆弾を落としたり、地上からの攻撃を行っている。これを虐殺、あるいはジェノサイドと言うべき事態である。
まさにナチスドイツがユダヤ人に行ったことを、今、ユダヤ人の国家であるイスラエルが行っているのである。それをアメリカや西側諸国が支えている。
何ということだ!!
ひとりの死でもかくも悲しみにくれるのに、Gazaでは無数の死が強制されている。母の死は、ある意味で老衰であるが、Gazaでは意図的な殺人が無数の人びとにたいして行われている。
イスラエルに、アメリカに、イスラエルの蛮行を支えるすべての国家に、私は強い怒りをもつ。