知床の観光船事故、その船を運航していた会社の問題が次々と明らかになっている。通信設備の不備、運行記録をきちんと記していない、運航管理者である社長にはその資格がなかった・・・・・などなど。
しかしそういう杜撰な経営をしていた会社に対して、行政はきちんと監視していたのか。無線通信が使用できない状態のなか、監督官庁は携帯電話でもOKと許可した。監督官庁は携帯電話がきちんと通話できるのかどうかを確認せずに許可した。海上保安庁は、きちんと点検し監督していたのか、私はしていなかったと思う。「なあなあ」路線で、点検もせずにゴーサインを出していたのではないか。
それは熱海の土砂災害でも言える。熱海市や静岡県は、土砂を持ち込んでいた業者に対して厳しい指導をしていなかった。
まあ熱海の場合は想像できる。公務員の転勤は3年ごとくらいにおこなわれる、その3年間を無難に勤め上げることが公務員の習いである。業者に厳しい指導を行えば、後任の公務員もそうしなければならなくなる、それはやめたほうがよいだろう・・・波風を立てずに3年間を過ごす、後任のためにも仕事を増やさない、ということが習性となっている。
そして公務員は、新自由主義的「改革」のなかで大きく数を減らしている。
次々起きる事故の背後にあるものをきちんと是正しないと、同じような事故が起きるだろう。公務員を増やし、仕事をきちんとやらせることが事故を防ぐことになるはずだ。