浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

混乱した見方

2022-05-08 09:10:16 | 国際

 私のところにも、ロシアによるウクライナ侵攻に関するいろいろな情報が流れてくる。そのなかには、ウクライナ政権の「悪事」を伝えるものがある。しかしそれらの「悪事」は、真偽不明のものがほとんどだ。ネットの世界に流されたものが、次々と伝えられていくのである。ネットの世界は、以前からフェイクであふれている。ネットで流されているものは、きちんと真偽を明らかにしないととても信用できる情報として、他者へ流すことをしないようにしたい。

 ロシアによるウクライナ侵攻を判断する基準は、何度も書くが、国際法である。なかでも国連憲章であり、戦後の世界秩序を形成してきた原則は一体何であるかということだ。

 国連憲章についてはすでに言及したので、ここでは説明しない。

 もうひとつ、武力で以て国境線を変えるようなことはしてはいけない、ということだ。「領土不拡大の原則」である。これは条文化されているわけではないが、第2次大戦中の主要国間の話し合いで成立してきた。したがって、もちろん千島列島がソ連領土になったということはその原則に違背する。

 しかし「領土不拡大の原則」は、戦後の国際秩序を支える理念として存続してきたはずだ。

 今回のロシアによるウクライナ侵攻は、ロシアがウクライナの領土を軍事力によりみずからのものにするという野蛮な行為であり、とうてい認められるものではない。

 この点からも、「どっちもどっち」論は成り立たないし、ウクライナはロシアの要求を認めて東部地域をロシアにあげればいいじゃないかという言説もあるが、これは戦後の国際秩序の原則を揺るがすことになる。つまり、軍事力によって領土拡大することにお墨付きを与えることになるのだ。

 それは許されない。戦後の国際秩序をそう簡単に崩壊させてはいけないのだ。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 行政の怠慢 | トップ | 浜松まつりはコロナまつり »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国際」カテゴリの最新記事