浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

続発するテロ

2016-03-23 08:44:08 | 国際
 いったいどれほどの人が殺されるのか。ヨーロッパや中東で、テロが止まらない。たくさんの人が行き交う場所でのテロは、庶民をも殺害する。こういうテロは許されることではないのだが、しかしテロを実行する人々は、みずからの生命を賭す。「私も死ぬから、あんたたちも死ぬんだよ」という、絶対的な殺人である。

 事態はどんどん拡大する。

 しかし、いったいなぜこういう事態が起きるようになったかを考えると、第一次大戦後のイギリスなどによる中東の分割、第2次大戦後、その分割に沿って植民地から脱した国々を、今度はアメリカなどが破壊する。とりわけアメリカにとって不都合な政権は、強引に倒される。こうした経過の結果として、テロ事件が頻発する。

 現在の事態は、イギリス、アメリカなどがその責任を負うべきだが、そうした動きは見られない。考えてみれば、欧米の帝国主義国家は、世界を荒らし回ってきたが、一度も「ごめんなさい」を言ったことがない。「植民地責任」ということばが論じられるようになったのは、つい最近のことだ。欧米帝国主義は、みずからが過去に行ってきた罪責に向き合うことがない。

 テロ事件を報じる新聞などに、歴史的経過や、その歴史の中で誰が本当の責任を負うべきかは記されない。

 これほどまでに込み入ったなかで起きているテロ事件にストップをかけるためには、捻れに捻れている歴史的経過を少しずつほぐしていき、誰が悪かったのかを明らかにし、そしてその悪事に対して責任をとらせることが、重要ではないかと思う。急がば回れ、なのである。

 安倍政権が、中東の混乱に関してその責任が追及されることがない日本を、追及される側に転換しようとしているが、しかし日本こそ、その捻れをほぐすことができる立場にあるのだ。

 遠方で起きているテロ事件、安倍政権が続き、アメリカなどと共同歩調をとるなら、いずれは日本にも及んでくるだろう。

 イスラムによるテロ事件の歴史的淵源を考えなければならなくなった。


 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【本】清水潔『殺人犯はそこ... | トップ | 逆行する歴史 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国際」カテゴリの最新記事