窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

タミル人と日本人のつながり

2007年12月07日 | レビュー(本・映画等)
 今日インドのお客さんと初めて会う予定になっていたので、何か話題の一つにでもと思い、岩波新書の『日本語の源流を求めて』という本を買って読みました。そこには古日本語と南インドからスリランカにかけて分布するタミル語との驚くべき類似性と、言語学的アプローチに最近の考古学の成果を補完して水稲耕作や鉄器の最初の伝播、つまり弥生時代の始まりが従来の定説であった朝鮮半島や揚子江下流域からではなく南インドからであったとする大胆な仮説が述べられており、大変興味深いものでした。

 日本史を考えるとき、とかく世界の動きと切り離し地理的に限定された日本という範囲だけでとらえがちですが、日本史は「鎖国」と呼ばれた時代も含めて複数の文化が混ざり合いながら形成されていったと考える方がむしろ自然なのです。インド洋を広く移動したマレー人や太平洋のポリネシア人、彼らの航海能力を考えればたとえ縄文時代であっても文化の窓口が地理的に近い朝鮮半島や揚子江下流域に限定されるとは言えないのではないでしょうか。これとはまた別のアプローチですが、数年前に読んだ『龍の文明、太陽の文明』という本もなかなか興味深いものでした。こちらもいずれご紹介しようと思います。

 この本によれば僕の苗字である窪田、日本語で"kubo"と"ta"="tambo"ですが、これに対応するタミル語で"kuval"と"tampal"というのがあるそうです。他にも偶然の一致とは思えない事例がたくさんあります。ご興味がある方はぜひお勧めです。

日本語の源流を求めて (岩波新書 新赤版 1091)
大野 晋
岩波書店

このアイテムの詳細を見る


  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

よろしければクリックおねがいします!

人気ブログランキングへ
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする