はじめに。この度の西日本を中心とする豪雨で被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
7月9日。オールスターゲーム前の最後の三連戦の初戦、横浜スタジアムに横浜vs中日の12回戦の観戦に行ってきました。
セントラルリーグはここまで首位広島が2位以下に7ゲーム差をつけ独走。2位以下は全チーム勝率5割未満で、しかも最下位まで2ゲーム差の中にひしめくという1強5弱状態。連日順位が入れ替わる中、この試合の前まで横浜は阪神と同率の2位。ロペス選手、梶谷選手といった主力の故障や、昨年活躍した主力投手陣の相次ぐ不調など6月は特に苦しいチーム状態でしたが、何とか脱落せず持ちこたえている印象です。また、この日は高城選手と白崎選手の突然のトレードが発表され、驚かれたファンも多かったのではないかと思います。何しろ高城選手は1日の広島戦で先発出場していましたから。
横浜の先発は前回観戦の時と同じ、バリオス投手。ここまで2勝4敗ながら、6月26日の阪神戦、続く7月3日の巨人戦共に5回までなら完全試合という素晴らしい内容でした。
しかし、この日は初回から京田選手に痛烈な二塁打を浴び、5回までで8安打2四球、89球と、あまり調子は良くありませんでした。それでも2失点でまとめた点はよかったのではないかと思います。
一方、中日の先発は2年目の笠原投手。三塁側から見るに、腕が遅れて出てくるのでタイミングがとりづらそうでした。この日は特に外角のカットボールが有効だったように見えました。
試合はいきなり初回から動きます。1回裏、横浜は先頭の桑原選手、二番の上里選手が倒れ二死となるのですが、続く宮崎選手がカウント2-0から外角高めに甘く入ったカットボールを捕らえ、バックスクリーンにライナーで届く豪快な一発を放ちます。宮崎選手はこれで自己最高の16号。本塁打数も1位の筒香選手にあと3本と迫ります。
しかし、前述のように、この日は横浜先発のバリオス投手がピリッとしません。2回表、ビシエド選手、高橋選手にヒットを浴び、一死二塁・一塁とされると、地元横浜高校出身、かつ横浜戦には強い印象のある福田選手にタイムリーヒットを浴び、たちまち同点に追いつかれてしまいます。
3回裏。横浜は先頭から四球とヒットで無死二塁・一塁のチャンスを作りますが、神里選手がスリーバント失敗。続く宮崎選手、筒香選手も倒れ、チャンスを逸してしまいます。
4回裏。横浜は先頭のソト選手が、外角真ん中の初球ストレートを完璧に捕らえます。打った瞬間に本塁打と分かる打球は、レフトスタンドのワミレスの看板をも越え、場外へと飛び出します。
勝ち越した横浜。これで流れが来るかと思ったのですが、直後の5回表。先頭から二者連続で三振に切って取り、早々と二死までこぎつけたにもかかわらず、例により5回までのバリオス投手。そこから二者連続で四球を与えた挙句、アルモンテ選手にタイムリーヒットを浴び、同点に追いつかれてしまいます。
5回裏。横浜は二つの四球と暴投により、二死二塁・一塁のチャンスを得ますが、筒香選手がピッチャーゴロに倒れ、またもチャンスを逸します。流れは徐々に中日へ。この試合の筒香選手は打撃面では良いところがありませんでした。
6回表。横浜はバリオス投手から、今年の開幕投手ながら調子のあがらない石田投手へと交代します。
石田投手、オールスター前の調整登板の意味もあったでしょう。しかし、それでもやはりピリッとしません。下位打線にもかかわらず、先頭の福田選手に早速四球を与えると、犠打で一死二塁。ここで、選手生活21年で本塁打が年平均2本にも満たない代打の荒木選手に、何と本塁打を浴びてしまいます。点を取られては取り返され、再三のチャンスも潰し、嫌な流れになっていたところに、この2点は致命的でした。ソト選手のあの豪快な本塁打は何だったのか…。気が付くと、ビールの売り子がニコニコしながら目の前に立っていました。
さらに京田選手にもヒットを打たれ、さらに盗塁は今年から導入された、監督リクエストによるリプレイ検証となるもセーフ。幸い、続く平田選手を三振に討ち取り、さらなる追加点は許しませんでした。
6回裏。中日も佐藤投手に交代して継投に入ります。佐藤投手は6回裏を三者凡退に討ち取ります。
7回裏。横浜は6回から守備交代していた乙坂選手が四球を選んで出塁します。ところが続く柴田選手が最悪の併殺打であっという間に二死。それでも続く桑原選手がヒットで出塁し、何とか食らいつきます。
次は投手の打順で、この重苦しい雰囲気を変えてくれるのはもうこの男しかいない。豪快な一発が魅力の2年目、代打佐野選手。後付けではなく、何となく予感はありました。初球のカーブをものの見事にレフトスタンドへ!まさに球場の雰囲気を一変させる、起死回生の同点本塁打。外角に甘く入ったとは言え、代打の初球で本当によく打ったなと思います。
先ほどまでの流れが嘘のよう。流れは横浜へと傾き、一気呵成に攻勢をかけます。続く宮崎選手もフェンス直撃の二塁打。
たまらず中日は三番手岡田投手に交代。しかし、その岡田投手も筒香選手に四球を与え、二死二塁・一塁。
そして今最も頼りになる、ソト選手。まさしく初球ソト、高めのスライダーを捕らえ、二塁打。ついに横浜が4vs5と勝ち越します。
とはいうものの、終盤とはいえまだ1点差。8回表、三番手で登板した砂田投手が中日の代打攻勢を三人で切って取ったことは、中日の流れを断ち切る大きな貢献だったと思います。
そしてお待ちかねのヤスアキジャンンプ。球場が揺れ、異様な雰囲気を創り出します。
このところ、得意のツーシームを見切られ苦しい投球内容が続いている山崎投手。しかし、この日は先頭の京田選手に対し、まず徹底した直球勝負で三振。
しかし、それ以降は全部ツーシーム。平田選手にこそ四球を与えたものの、怖いビシエド選手、アルモンテ選手を三振に切って取り、試合終了。山崎投手は4年連続20セーブに王手をかける19セーブ目。横浜は4連勝で単独2位、最大6あった借金も2まで戻してきました。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした