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11月4日、実に5年ぶりに大学ラグビーの観戦に行ってきました。この日秩父宮ラグビー場で行われた対抗戦Aグループ、明治vs慶応と帝京vs早稲田、二試合連続の観戦です。この5年間で大学ラグビーは関東リーグ戦の大東文化大学や東海大学が力をつけ、かつては関東に比べ実力に開きのあった関西リーグでも天理大学が台頭。対抗戦においては、慶応大学や明治大学が復活の兆しを見せ始め、今年1月7日に行われた大学選手権決勝では、明治大学が王者帝京大学を1点差まで追い詰め、慶応大学も先々週の帝京戦で敗れはしたものの、1トライ差と健闘しました。そうした中でも勝ち続ける帝京大学は大学選手権10連覇を目指しています。
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さて、第一試合の明治vs慶応。ここまで全勝の明治と前回帝京に敗れ1敗の慶応。試合は前半8分に動きます。慶応が明治陣5mライン付近まで深く攻め込んだ、明治ボールのラインアウト。明治武井選手の投じたボールは合わせる予定の片倉選手の頭を大きく超え、慶応川合選手が奪ってそのままトライ。
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医学部で主将、古田選手のゴールも決まり、慶応が先制します。
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対する明治は前半15分。慶応陣22mライン内のスクラムで慶応を圧倒。そこから左に展開してゴールライン際の攻防となりますが、最後は安選手が押し込んでトライ。しかし、さほど難しい角度とは思われないキックを外してしまい、5点どまり。
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追い上げられた慶応は前半20分。明治陣5mライン付近でのマイボールラインアウトから、山本選手がキャッチ。すぐさまパスを受けた山中選手が密集を駆け抜けてトライ。ゴールも決まり、5vs14と再びリードを広げます。
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前半31分、今度は明治。慶応陣10mライン付近、ノックバックで密集からこぼれたボールを右に展開。森選手が慶応ディフェンスの裏にキックすると、山沢選手がチェイスしてインゴールしたボールを抑えトライ。ゴールも決まり、2点差に追い上げます。
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ところが、前半終了間際の39分。明治陣ゴールポスト真下での激しい攻防の末、川合選手が密集の頭を飛び越え、ゴール正面にトライ。キックも決まり、12vs21でハーフタイムとなります。全体としては明治がスクラムで慶応を圧倒しているものの、要所でミスが目立った印象があります。
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後半、慶応は両プロップを入れ替え、多少スクラムに改善が見られました。一方の明治も前半は中途半端にキックで相手にボールを渡しているようなところが見受けられましたが、後半はボールを持って攻め上がるように修正してきたのかなという感じを受けました。全体としては明治が押しながら両チーム追加点を奪えずに迎えた後半20分、慶応陣10mライン付近でボールを受けた明治髙橋選手が一気に走り切りトライ。ゴールも決まって2点差。
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さらには28分、明治はやはり慶応陣10mライン付近から大きく左に展開。またも髙橋選手が独走して5メートルライン付近まで持ち込むと、ラックからさらに左に大きく展開。左端に余っていた山沢選手がパスを受け、トライ。しかし、ゴールキックは大きくポストの右にそれ失敗。それでもこの試合始めて明治がリードを奪います。
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息詰まる残り10分の攻防。明治陣5mラインでのスクラム。前述の通り後半はスクラムが安定してきた慶応は、No.8の山中選手が拾ったボールをそのまま持ち、スクラムの右を駆け抜けトライ。ゴールも決まって、24vs28と慶応が再逆転。
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これが決勝点となって、目まぐるしい攻防に決着がつきました。ミスの目立ったところはありましたが、見ている側としては非常に面白い互角の勝負を見せてくれました。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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