6月24日、横浜スタジアムに横浜vs広島10回戦の観戦に行ってきました。今シーズン、横浜は何とここまで対広島1勝8敗。セリーグはヤクルトが2位巨人に9ゲーム差をつけ独走。2位から最下位まではわずか4.5ゲーム差でしたので、両チームにとって今後のAクラス入りをかけた重要な一戦と言えました。
横浜の先発は前々回の日本ハム戦でノーヒットノーランを達成した今永投手。しかし、前回登板の阪神戦では初回に4点を失い、6回6失点、球数92球という内容でした。今シーズンは怪我で出遅れ、復帰登板が5月17日だったのですが、怪我の前から三振こそ数多くとるものの球数が多く6回くらいまでしか持たないといったところに課題がありました。個人的にですが、質の高い投球をしようと考えすぎるあまり、かえって球のキレや躍動感が失われているように思えます。
結果から言ってしまうと、この日の今永投手は前回阪神戦と全く同じ轍を踏んでしまいました。まず、先頭の上本選手はサードゴロだったものの8球粘られ、
宇草選手もセカンドゴロに討ち取ったものの、ボール先行。
2アウトまでこぎ着けまずが、三番菊池選手にファウルで粘られ5球目の内角甘めに入ったストレートをレフトに弾き返されます。この試合、広島の打者の投げてから打つタイミングを見ていますと、ストレートを狙われていた気がします。
四番マクブルーム選手はカウント1‐2と追い込みますが、やはりストレートをセンター前へ運ばれます。これで二死二塁・一塁。
そして五番坂倉選手には2球目のカットボールがほぼど真ん中に入ってしまいました。これがセンターフェンス直撃のタイムリー二塁打。広島があっという間に2点先制。今永投手、初回に要した球数なんと27球。
一方、広島の先発はエースの大瀬良投手。少しでも球数を投げさせてリズムを崩してくれればと思っていたのですが、横浜打線は何と先頭打者からわずか5球で三者凡退。正直、これでこの試合は決まってしまっていたように思います。せいぜい、「2点ならまだイニングがあるから…」という程度。球数からも明らかなように、それ位両先発の差は歴然としていました。
2回裏。横浜は二死から六番楠本選手がレフト前ヒット。
続く嶺井選手もショート内野安打で二塁・一塁。下位打線でチャンスを作りましたが、森選手が三球三振。森選手、まだ大瀬良投手には手も足も出ない雰囲気でした。因みに2回終了時点で今永投手42球に対し、大瀬良投手24球。
3回表。先頭の上本選手にカウント2‐1から真ん中やや低めの甘いストレートをセンター前に。やはり、カウントを悪くしてからのストレートを狙われているようでした。肉眼で見ている限り、球速こそ150㎞前後でているのですが、置きに行ったようなストレートで球が走っているようには見えませんでした。ですから、いずれもきれいに弾き返されているのです。
そして一死一塁から菊池選手に真ん中高めのストレートをレフトスタンドに運ばれてしまいます。ファウルかなという当たりではあったのですが、この球場独特のレフト側の風で球は切れず。この試合横浜にはツキもありませんでしたが、そうは言っても甘い球ではありました。これで4vs0。前回の阪神戦(初回4失点、3回1失点)の再現を見ているかのようでした。
さらに4回表。先頭のルーキー中村選手に3球目のこれもストレートをレフトスタンド上段に運ばれます。申し訳ないですが、ほぼど真ん中の打って下さいと言わんばかりの球でした。
4回裏、横浜は一死から交流戦後調子を落としている牧選手がライト線に落ちる二塁打で出塁しますが、後が続かず。
今永投手はもはや5回を投げ切るというのが唯一の使命。結局、5回8安打5失点93球という内容でした。6回表からは二番手入江投手が登板。入江投手は力のあるストレートで6回を1安打打者4人で抑えます。
回跨ぎとなった7回表、宇草選手、菊池選手を討ち取り二死としますが、菊池選手には6球粘られました。たとえアウトになっても、こういう何かリズムを崩す仕掛けが大事だと思うんですよね。この試合、横浜の打者でそれらしき様子が伺えたのは桑原選手だけでした。
そして、続くマクブルーム選手が四球で出塁。
坂倉選手がセンター前ヒット。
さらに堂林選手がレフトの頭上を越えるタイムリー二塁打で6vs0。ただ、二死だったので坂倉選手生還できなかったのかな?というのはありました。
7回裏、横浜は一死から宮崎選手がレフト線付近に落ちる長打コースのヒットを放ちます。クッションボールが内側に跳ね返った不運は確かにありましたが、ふと内野方向を見ると宮崎選手がまだ走っています。いくら何でもこれは…。DBスターマンが走っているのかと思いました。レフトからの返球で宮崎選手は二塁タッチアウト。リプレイ検証のリクエストが出ますが、判定通りアウト。ひょっとすると今シーズン宮崎選手は肉離れで一時離脱していましたので、脚の具合が思わしくないのかもしれません。
8回表。横浜は三番手三上投手が登板。
回跨ぎとなった9回表、二死から坂倉選手にライトへの一発を浴びます。これで7vs0。
9回裏、横浜は先頭の蝦名選手がヒットで出塁しましたが、続く中軸打線が悉く討ち取られ万事休す。大瀬良投手は結局、104球6安打8奪三振の完封。7点も入った試合だというのに、まだ8時41分。いかに広島が効率よく得点を重ね、一方の横浜が淡白だったかということです。このブログの写真の赤青比率を見ても分かる通り、横浜にはチャンスらしいチャンスも反撃の様子もほとんど見られず、野球には表の回しかないのかと思われたほどでした。波に乗れそうで乗れない、苦難の戦いが続きます。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした