窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

ウエスものがたり 【第一回】ウエスの由来

2008年06月23日 | ウエスものがたり


 主に工場などで油ふきなどに使われる雑巾をウエスといいます。ウエスという一風変わった名前は、英語でくずやぼろを意味する”Waste”が訛ってできたものだといわれています。しかし日本には昔から「雑巾」や「布巾」という呼び名があるのに何故「ウエス」などと呼ばれるようになったのでしょうか。日本が明治の近代化を迎えた当時、西欧諸国では軍艦や鉄道などのメンテナンスに糸くずが使われていました。しかし産業革命前の段階にあった日本に糸くずはなく、そこでその代わりとして豊富にあったぼろ(古布)を使うようになりました。しかし「糸くず」を意味する”Waste”という言葉はそのまま流通したので、やがてそれが訛って日本語化し「ウエス」となったといわれています。現在ウエスという言葉は広義で拭き物、あるいは汚れを取るために使うもの全般を指して使われる場合もあります。ちょっと変わったところでは、よく駅のホームで汚物処理におがくずを使っているのを見かけますが、あれも「おがくずウエス」と呼ばれています。しかし、これからいうウエスは元々の意味でのウエス、すなわちぼろ(古布)を原料としているものをいいます。

  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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