さて、ウエスは一般にぼろ、つまり使い古した衣料から作られます。何故わざわざ使い古した布を使うのかといいますと、その方が油をよく吸う良質の拭き物になるからです。ウエスは木綿布が中心ですが、新品の木綿は繊維に脂分を含んでおり、水や油の吸い取りが良くありません。皆さんもおろしたてのタオルで髪を拭くと水の吸収が悪くて使い難いという経験をしたことがあると思いますが、それと同じ理屈です。しかし木綿は何度も洗濯を重ねることで脂分が抜け、繊維の表面も程よく荒れて水や油を良く吸い取るようになります。日本人は古くからこの特性を良く知っており、家庭の中で着古した部屋着(この場合、浴衣のような和服を指していますが)をほどいて雑巾として使い、果ては台所のかまどの燃料とするまで徹底して活用していたのです。
その様な文化的背景があったからこそ、明治の近代化がおこったとき機械や軍事装備のメンテナンスに欠かせない拭き物に最適な綿布を集め、雑巾をつくり工場や船舶会社あるいは軍に納品する、いわゆるウエス屋が産業として成立したのでした。ウエス業はまさに日本文化が生み出したユニークな業種だったと言えるかもしれません。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
よろしければクリックおねがいします!
↓
その様な文化的背景があったからこそ、明治の近代化がおこったとき機械や軍事装備のメンテナンスに欠かせない拭き物に最適な綿布を集め、雑巾をつくり工場や船舶会社あるいは軍に納品する、いわゆるウエス屋が産業として成立したのでした。ウエス業はまさに日本文化が生み出したユニークな業種だったと言えるかもしれません。
大江戸リサイクル事情 (講談社文庫)石川 英輔講談社このアイテムの詳細を見る |
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
よろしければクリックおねがいします!
↓
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます