柳橋連合市場を出てそのまま西鉄に乗り、途中かつて祖父の家があった懐かしい井尻を過ぎ、太宰府天満宮へ。こんなご時世ですから学業成就でなくとも天神様に新年の無事をお祈りしました。
そして太宰府のお楽しみといえば名物「梅が枝餅」。平安時代、都での政争に敗れ大宰府に左遷されていた菅原道真がある時刺客に襲われ、近くの麹屋に逃げ込んだことがありました。その麹屋のおばあさんは、道真をもろ臼の中に匿い、洗ったばかりの腰巻きをかぶせて刺客の目をごまかしたそうです。このおばあさんは、その後も道真の配所である館を訪れては失意の道真に麹の飯を道真が好んだ梅の枝に添えて差し入れたそうで、この故事が梅が枝餅の名前の由来になったのだとか。
子供の頃、祖父に連れられ太宰府で梅が枝餅を食べるのがとても楽しみでした(学業の方はサッパリでしたが)。外側の餅皮をパリッと焼いた独特の香ばしさに、甘さを抑えた餡。出来立ての熱々であれば何個でも食べられそうな美味しさは30年経った今でも敢えて太宰府まで足を延ばそうと思うほどに忘れられません。
道真が都を離れる際に詠んだ「東風吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」という有名な歌にあるとおり梅を愛した道真ですが、この梅が枝餅もどういうわけか梅こぶ茶と相性が抜群です。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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