9月11日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第112回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。今回は、俳優、道化師、テーブルクロス引きのスペシャリストと多くの顔をお持ちで、かつジャグリングを日本に初めて紹介しシガーボックスを広めた、ダンディGOこと三浦剛先生にお越しいただきました。テーマは、「爽快!ジャグササイズ~脳と体の健康体操~」。今週日曜日から月曜日にかけて関東地方を直撃した超大型台風15号が去り、とてつもなく蒸し暑い中、疲れた体と心にとても良いエクササイズを教えていただきました。
初めに驚いたのが、先生の今年59歳とは思えないほどのお若さ。見た目もさることながら、体重も20代の頃をキープしているそうです。その秘訣が、ご本人によればジャグリングを応用した健康体操、ジャグササイズなのだそうです。
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ジャグリングとは、一言で言えばボールやモノを使ったお手玉。しかし、一見単純に見える動作には、手足バラバラの動き、正しい姿勢、バランス、リズム、視覚、聴覚、触覚、空間感覚など脳を刺激する要素が数多く含まれています。つまり、ジャグリングは脳に良いということが言えるのです。
実際、英国の科学雑誌『ネイチャー』に掲載された記事によれば、ドイツのレーベンスブルク大学にて、2004年、被験者に3カ月間ジャグリングを行わせたところ、大脳皮質の視覚を司る領域が強化されたということです。また2009年に英国オックスフォード大学で行われた実験でもジャグリングが脳の高次機能を司る領域、白質を強化することが確認されているそうです。1990年代まで、脳は年齢と共に衰えるというのが常識とされてきましたが、ここ20年の脳科学の発達により、脳は可塑性を持っており、成人してからも発達することが明らかになっています。
その他にも医学的に見て、複数の動作(デュアルタスク)を同時に行うジャグリングは前頭葉、末梢神経を刺激し、内臓の血行を良くし、リズミカルな動きがセロトニンの分泌を促すなど、心と体に良い効果が期待できるそうです。
ジャグリングにはジャグリング専用のボールを使います。「第110回YMS」で登場したボッチャのボールに似ていますが、粟を合皮で包んだ柔らかいボールは、ただ握っているだけでもリラックス効果がありそうです。しかし、いきなり複数のボールを使うというのは敷居が高いので、今回はボール1個のみを使った基礎中の基礎の動作を行いました。
1.トス…ボールを上に挙げ反対の手で捕球する
2.パス…トスを水平にした動作
3.腕の下まわし…ボールを反対側の腕の下から投げ上げ、反対側の手で捕球する
4.クロウ…トスしたボールを反対側の手で上から掴むように捕球する
5.スイッチ…上半身を左右にひねりながらパスを行う。その際、投げた方と反対側の足を一歩前へ踏み出す
6.脚の下まわし…ボールを反対側の腿の下からトスし、反対側の手で捕球する
これら手の動作を胸の前、腰の後ろ、顔の前、頭の後ろなどで行います。さらに足を前後に踏み出すという足の動作が加わります。これら一つ一つは単純な動作ですが、組み合わせることにより無数のバリエーションが生まれます。
普段あまり行わない体の動きに、最初は戸惑い、笑ってしまう位ポロポロとボールをこぼしていた参加者も、たちまち慣れてリズミカルな動きができるようになりました。捻る、回す、伸ばすといった体の動きは、凝り固まった筋肉をほぐし、血流が良くなり、体幹から熱くなっていくのが分かります。また、上手くやるためには頭で考えるのではなく、体に心の目を向けなければなりません。集中力が高まり、酸素が行きわたったのか脳が晴れ晴れとしていきました。その結果、「部屋が明るく見えるようになってきた」とおっしゃる方もいらっしゃいました。
最後は、ペアまたはグループになって、以前野原秀樹先生の研修でも行った「わたし・あなた」ゲームをボールを使って行いました。複数で行うと、相手への配慮や呼吸を合わせるなどさらに複雑な認知機能が求められます。個人にとって良いばかりでなく、場の雰囲気を盛り上げ、コミュニケーションを促す、チームビルディングの効果も期待できる一石二鳥のエクササイズでした。
老若男女を問わず行うことができ、場所や時間を選ばないジャクササイズ。その応用範囲はかなり広そうです。
過去のセミナーレポートはこちら。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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