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5月4日、阪神vs中日6回戦の観戦に阪神甲子園球場へ行ってきました。来年開場100周年を迎え、当時「東洋一の球場」と謳われた甲子園球場。高校野球の聖地であり、プロ野球発足前から日本の球史を刻んできた伝統ある野球場に、かねてから一度は行ってみたいと思っていました。
しかもこの日は、球場9階にあるロイヤル・スイートにお招きいただくという幸運にも恵まれました。ちょうどバックネット裏だったので、フィールド全体が見渡せたばかりでなく、バッテリー間の球筋もとてもよく見え、最高の観戦場所でした。ご招待いただき、本当に感謝申し上げます。ロイヤル・スイートの様子は上のフォトチャンネルにまとめましたので、ご覧ください。
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さて、我らが横浜と3ゲーム差で首位を争う阪神。一方、現在最下位の中日は、先制はするのですが勝ちきれない試合が続いています。この日はこどもの日を前にした主催試合ということもあってか、スコアボードの選手名を全て平仮名で表記していました。
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阪神の先発は横浜高校出身、甲子園での連勝記録11を継続中の伊藤(将)投手。立ち上がりは上位打線をわずか10球、三者凡退に退け、上々でした。
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一方、中日の先発も横浜高校出身、好投を続けながら未だ勝ち星に恵まれない柳投手。こちらもやや球数は擁したものの、三者凡退の立ち上がり。
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ということで1回の攻防だけ見れば伊藤、柳両投手の投げ合いということもあり、投手戦を予想していたのですが、2回からは中日が一方的に攻め立てる展開となります。まず2回表、一死からビシエド選手、福永選手の連続ヒットで二塁・一塁。しかし、後続が倒れ無得点。
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3回表は何と先頭の柳投手がセンター前ヒットで出塁。
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しかし、1番の岡林選手がバント失敗。
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それでも続く大島選手は流石のレフト前ヒットでまた一死二塁・一塁。しかし、またしても後続が倒れ無得点。
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試合が動いたのは4回表。一死から福永選手が早くも2本目のヒットを放ち出塁。
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続く木下選手もレフト前ヒットで一死二塁・一塁。
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村松選手はショートゴロで走者が入れ替わり、二死三塁・一塁となりますが、ここで柳投手が二打席連続、それもタイムリーとなるヒットで先制。自らを助けます。
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5回表。先頭の大島選手が二打席連続となるヒットで出塁。
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細川選手倒れ、一死一塁となりますが、続く石川選手が左中間を破る二塁打。これで2点目。
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6回表。先頭の木下選手が倒れた後、村松選手がピッチャー強襲のヒットで出塁。
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さらに柳投手はここでも送りバントを決め、役割を果たします。そして二死二塁から岡林選手がライト前に弾き返し、二死三塁・一塁。しかし、期待の大島選手がピッチャーゴロに倒れ、無得点。
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先に先発を降ろしたのは阪神。7回表から二番手鍛冶屋投手が登板します。先発の伊藤投手は6回を投げ、11安打2失点。一方、阪神は6回終了時点で柳投手にわずか2安打、1四球、6三振に抑えられていました。柳投手が投打に活躍し、ここまではどう見ても中日優位の展開。伊藤投手の甲子園連続勝利記録もこれで途絶えるかに思われました。強いて言うなら、中日も11安打を放ちながら2点止まり。2日に観戦した横浜打線のような効率の悪さは引っかかりました。
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ところが7回裏、ようやく阪神の反攻が始まります。まず、先頭の大山選手がセンターに豪快な二塁打。しかし、続く佐藤選手、小野寺選手が倒れ、二死三塁。
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球場は溜息でしたが、ここで2三振に討ち取られていた坂本選手が柳投手の101球目を値千金のタイムリーヒット。阪神が1点を返します。
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これまでも先制しながら勝ち切れない中日。潮目が変わったのは8回表でした。阪神は三番手及川投手が登板。ここで一死走者なしから、既に107球を投じていた柳投手が打席に入ったのです。恐らく観戦していて「えっ、まだ投げさせるの?」と思った方は多かったはず。
確かに、中日は過去7試合で実にのべ26名の中継ぎ投手を投入しており、祖父江投手に至っては内5試合に登板、マルティネス投手、砂田投手、田島投手、勝野投手が4試合と、さらに翌日から三連戦があることを考えれば、少しでも中継ぎ投手を休ませたいという考えがあったのだと思います。ただ、この判断が結果的に逆転の引き金となってしまったのは恐らく間違いないでしょう。
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8回裏、一死からこの日抑えられてきた近本選手が四球で出塁。
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続く中野選手はピッチャーゴロ。ところが当然左からセカンドに入ってくるショート村松選手への柳投手の送球が右に逸れ、ボールを取りに行きながらの動作となったために一塁走者を刺すのが精いっぱい。ここで併殺がとれていれば、8回裏の逆転はなかったのです。ここぞというところで出た綻びが命取りとなってしまいました。逆に、一瞬の隙を見逃さなかった阪神は見事でした。
そして、二死一塁からノイジー選手がレフト前へ。また、これをレフトの大島選手が弾いてしまったために、一塁走者が三塁に。これで二死三塁・一塁。
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続く大山選手が初球をレフト前へ。これでついに同点。伊藤投手の敗戦はなくなり、甲子園連続勝利記録が復活しました。
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とどめは佐藤選手が内角低めの球をライト前へ。129球力投の柳投手、ついに力尽く。あまりにも気の毒ではありました。
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結局試合は2vs3と阪神の見事な逆転勝ち。
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大阪の皆さんには最高の展開となりました。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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