窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

交渉分析-交渉の科学と技芸

2019年08月17日 | 交渉アナリスト関係


  この夏季休業を使って、『交渉分析-交渉の科学と技芸』をようやくまとめ終わりました。A4で全315頁、これだけ一度に何かを書いたのは、大学の卒論以来ではないかという気がします。

  これは、日本ではあまり知られていませんが、交渉学の巨人である故ハワード・ライファ(1924-2016)の”Negotiation Analysis”(2002)を分かりやすくまとめ直したものです。

Negotiation Analysis: The Science and Art of Collaborative Decision Making by Howard Raiffa(2007-03-31)
Howard Raiffa
Belknap Press


  原本自体、500頁を超える大著。その上、一般を対象に書かれた交渉本ではなく、ビジネススクールの教科書に使われるような本であるため、そのまま読んでも分かりにくいところが多々ありました。しかし、同書は交渉という分野を一つの理論体系としてまとめた好著であり、交渉学を学ぶ上で幹となるべきものだと思っています。そこで今回のまとめに当たっては、恐らく当時ライファの下で学んでいた学生たちにとっては前提とされていたか、ライファが他の著書で既に述べていたことであるがゆえに省かれたと思われる部分を補いつつ、同書の内容を分かりやすくお伝えできるよう心がけました。



 『交渉分析』の目次だけご紹介しますと、以下の通りとなります。その内容については紙幅の制約上、全てをお伝えすることはできませんが、できる限り日本交渉協会のニューズレターを通じてご紹介できればと思っております。

序章:交渉のサイエンスとアート
第Ⅰ部:基礎理論
第1章:交渉分析とは何か?
第2章:決定分析
第3章:行動意思決定論
第4章:決定分析のケース・スタディ
第5章:ゲーム理論
第6章:交渉者のディレンマ
第7章:交渉の準備
第Ⅱ部:二者間分配型交渉の理論
第8章:分配型交渉の基本概念
第9章:行動のエスカレーション
第10章:オークション
第Ⅲ部:二者間統合型交渉の理論
第11章:テンプレート設計/評価(統合型交渉の準備)
第12章:テンプレート分析
第13章:ケース・スタディ:ネルソンvsアムストア
第14章:行動の現実
第15章:非協力的な相手
第Ⅳ部:外部の支援
第16章:評価的仲裁と非評価的仲裁
第17章:公平とは何か?
第18章:並行交渉
第Ⅴ部:多数者間交渉の理論
第19章:集団的意思決定
第20章:コンセンサス
第21章:連合形成
第22章:投票
第23章:多元的な当事者
第24章:当事者多数の介入者
第Ⅵ部:交渉と倫理
第25章:社会的ディレンマ
第26章:交渉と倫理

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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国産キクラゲ狩り&アヒージョBBQの会

2019年08月17日 | その他


  大型連休は原則一切出かけない僕ですが、今年は珍しく家から15分のところまで遠出してきました。第107回YMSの講師で来ていただいた、横浜市金沢区、永島農園さんのきくらげ狩り&バーベキューの会です。企画してくださった、日本農業新聞の入江さん、永島農園の永島さんに感謝申し上げます。



  YMSの時は主にしいたけのお話しでしたが、しいたけは暑さに弱く、夏の時期はきくらげがメイン。初めに、きくらげについての基礎知識、菌床から収穫する方法などを教わりました。



  ビニルハウスは遮熱シートで覆われ、適度な湿度はあるものの、中は意外と涼しかったです。中には、見たこともないような肉厚の大きなきくらげがずらり。菌を植えてから2カ月ほどでこの大きさになるそうです。



  初めて触れる生のきくらげ(木耳)、その触感は文字通り「耳」。それを根元からもぐのですが、意外にもあっさりポロっともげてしまうのが、初めは少し怖くもありました。



  こちらは天日干し中のきくらげ。国内で流通しているきくらげの実に99%が輸入物という現実にあって、今わずか1%の国産を目にしているわけです。



  バーベキューは、永島さんが焼き上げてくださった、見事なリブとサーロイン。



  持参したワインは、ドメーヌ・ド・バロナーク 2007。メルロー50%、カベルネ・フラン26%、シラー10%、マルベック9%、カベルネ・ソーヴィニヨン4%、グルナッシュ1%のブレンド。完熟した果実味とスパイシー感、程よい酸味でタンニンは強くなく、飲みやすく肉料理にも合わせやすいワインでした。



  中でも傑作だったのは、きくらげのアヒージョです。きくらげが実はアヒージョに合うというのは聞いてはいましたが、これほどまでとは思いませんでした。きくらげのコリっとした食感はそのままに、表面が程よくオリーブオイルを吸って、ぷりぷり感が増しています。さらには、ニンニク&オリーブオイルにきくらげ、パプリカ、玉ねぎなどの旨味が溶け出し、これはバケットでオイルまで完全に味わなければもったいない。


 
  こちらはYMSでのお話しにも登場した、横須賀ビールの「釜利谷シイタケエール」。焙煎ビールのようなコクとほんのりとしたシイタケの香り、グルタミン酸のような後味を感じます。のど越しを楽しむというより、単体でじっくり味わいたいタイプのビールです。



  第91回YMSで講師をしていただいた、沖原さんが全国1位の酒蔵数(89蔵)を誇る新潟県のお酒を試しに試してたどり着いたイチ押しの日本酒がこちら、「村祐」。生産石数が200石(一升瓶換算で36,000本)という小さな酒蔵さんのため、こちらで見かけることはほとんどないのではないかと思います。しかし、口に含んだ時、しっかりとした上品な米の旨味と甘みを感じられるにもかかわらず、砂糖のような余分な甘さが後を引くことなく、非常に短い余韻ですっきりと呑めます。これだとスイスイと空いてしまいそうで怖いですね。



  ちょうど減量中でもありましたので、お土産のきくらげは早速晩に調理して食べました。左は単純にごま油で炒めたものですが、大分名物の「柚子すこ」(タバスコの柚子版)を加えました。左はきゅうりと一緒に酢で揉んだものです。

永島農園

神奈川県横浜市金沢区釜利谷東7-6−1



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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