モーツァルトの頭蓋骨は偽物?!

モーツァルトと確認できず 頭蓋骨、謎深まる(Sankei Web)
18世紀の天才音楽家モーツァルト(1756-91年)のものとされる頭蓋(ずがい)骨が本物かどうか調べていたオーストリアの法医学者は、親族のものとされる遺骨と遺伝子情報に関連性はなく、頭蓋骨がモーツァルトのものであると証明できなかったと説明した。国営オーストリア放送が8日放映したドキュメンタリー番組で語った。

メモリアルイヤーならではの話題でしょうか。以前から報道されていたモーツァルトの「頭蓋骨論争」(リンク先の記事に引用されているモーツァルトの肖像画も、これまた真贋論争のある作品です。)に、一応の決着がなされたようです。そもそも共同墓地に葬られたモーツァルトの頭蓋骨を「これだ!」(後に墓を掘り返した際、モーツァルトと特定されたということですが。)として鑑定すること自体、何かあまり学術的でない、何やら賭けのような気もしますが、この度、ザルツブルクの法医学者によって「正しく」鑑定されたとのことです。ちなみにこの学者は、「ますます謎が深まった。」と述べていますが、元々にわかに信じ難い話でもあるので、夢を楽しませてくれたというぐらいに思っておきましょう。詳細は不明なので何とも言いようがありませんが、今後の展開に、過度な期待は禁物かもしれません。

*ウィキペディアのモーツァルトの項には、この頭蓋骨の真贋論争の経緯が、比較的詳細に説明されています。
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「永遠なる薔薇」 ハウスオブシセイドウ 1/8

ハウスオブシセイドウ(中央区銀座7-5-5)
「永遠なる薔薇 石内都の写真と共に」展
2005/12/7-2006/1/29

「ハウスオブシセイドウ」にて開催中の、バラをテーマとした、石内都氏の写真展です。「ローズルージュ パルファム」という香水が馨しく漂う会場にて、バラを接写した作品がいくつも並びます。

私としては、バラ(特に赤)は魔性的であまり好きになれないのですが、石内氏の手にかかったバラは、さらに艶やかに、そして脆さを少し感じさせながら、あまりにも妖しく光ります。彼女の捉えたバラは、おおたさんのブログによれば「劣化していく段階を撮影している」とのことですが、確かにどのバラにも瑞々しさがなく、幾分グロテスクにも見えてくる花びらの厚みと、ドギツく映える紅色が、退廃的に、そして爛れるように写っています。また、本来ならエネルギーとなるはずの、バラに降り掛かった水滴も、この作品では、まるで油虫がバラにたかって、その養分を吸い取ってしまっているかのように見えてきます。空恐ろしく感じられるような、また女性の老いすら思わせるバラの終焉が示されている。まさに、私が苦手とするバラの、最も見たくない、醜悪とも言える部分が表現されていました。

バラの花言葉は愛とも恋とも美とも称されますが、一見華やかに見えるそれらの裏に潜むドロドロとした官能性を、写真にて表現した石内氏の才能は、見事としか言い様がありません。血みどろの「薔薇戦争」を思い起こさせるようなバラたちが、銀座の真ん中にある美の殿堂「シセイドウ」にて並ぶこと。何やら意味深な展覧会でもありました。
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