都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「イメージメーカー展」 21_21 DESIGN SIGHT
21_21 DESIGN SIGHT
「イメージメーカー展」
7/4-10/5
21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「イメージメーカー展」を見て来ました。
突然ですが、ジャン=ポール・グードというアーティストをご存知でしょうか。
1940年のフランス生まれ。1960年代初頭に制作を始め、後に「エスクワイア」誌のディレクターに就任。以来、約40年に渡って絵画やポスターデザイン、写真や映画、さらにはイベントなどで足跡を残している。シャネルの香水のCMのディレクションなども手がけていたそうです。
失礼ながらも私は全く知りませんでした。そして本展は半ば彼の独擅場と言っても良い。そもそも何やら謎めいた「イメージメーカー」という言葉自体、ジャン=ポール・グードが「自らの創作活動を特徴付ける言葉として用いているもの」(ちらしより引用)なのです。
会場内、撮影が出来ました。
ジャン=ポール・グード「構成主義のマタニティドレス(アントニオ・ロペスとのコラボレーション)」1979年
ではまずこの作品、「構成主義のマタニティドレス」はどうでしょうか。頭には三角帽子とビックリマーク。手には赤い日本風の扇子を持っている。まるで舞を披露しているような姿。人形型のオブジェです。そして巨大。私の拙い写真では分からないかもしれませんが、人の高さの2倍近く。天井付近まであるのです。
ジャン=ポール・グード 展示風景
そしてこれが動く。広い展示室を端から端まで移動します。また同じくポール=グードの「回転する機械仕掛けの人形」も可動式です。マタニティドレスがゆっくりした動きに対して、目まぐるしく動いている。すばやい回転です。そして会場内には三宅純作曲の音楽が鳴り響いている。音楽に合わせては踊る人形たち。それにしても奇抜な出立ちです。剣を持ち、漢字をあしらった衣装を着る。黒のコスチュームは悪魔のイメージでしょうか。思わず後ずさりしてしまいます。
ジャン=ポール・グード「回転する機械仕掛けの人形 聞かざる(デリア・ドハーティとのコラボレーション) 三宅純による作曲と編曲」2013-2014年
ちなみにこの彫刻、言わばキッチュなまでに日本的なイメージを取り込んでいますが、例えば踊る人形は日光東照宮の「三匹の猿」に着想を得ているとか。タイトルも見ざる、言わざる、そして聞かざるです。その何とも大胆で自由なイマジネーションには驚かされるものがあります。
ジャン=ポール・グード「フランス革命200周年記念パレード パリ、1989年7月14日」
そしてこの大掛かりなインスタレーション、まるでお祭りの山車のようでもありますが、実際に彼は1989年、パリはシャンゼリゼ通りで行われたフランス革命200周年記念パレードの演出を手がけたそうです。会場内ではパレードの様子がパネルで紹介されていますが、それを見るだけでも大変なスケール感が伝わるというもの。多くの観客の好奇心を捉えたに違いありません。
ジャン=ポール・グード「ギャラリー・ラファイエット パリ地下鉄内のポスター」2012年
また目を引くのが「ギャラリー・ラファイエット パリ地下鉄内のポスター」です、全16面のスクリーンを用いた映像作品ですが、ともかく見せ方が面白い。舞台はパリのメトロ。ホームにはデパートの広告が掲示されている。そこに滑り込む地下鉄。さもパリを旅しているかのような気分にもさせられます。
アートやデザインの範疇に留まらない奇想天外なまでの展示。これぞ鬼才とも言うべきなのでしょう。もはや好き嫌い云々は問題にならないかもしれません。彼の世界観は他を圧倒していました。
デヴィッド・リンチ「リトグラフィ」2007-2013年 カルティエ現代美術財団
なおイメージメーカー展はポール=グードを含め6名のアーティストが参加したグループ展。人気はデヴィッド・リンチかもしれません。リトグラフの出展です。モノクロームの世界に心象風景を投影しています。
舘鼻則孝「アイデンティティーカラム」2014年
ファッションの分野で活動する舘鼻則孝も目立つ。不思議な足形や靴のオブジェが並びます。
ジャン=ポール・グード 展示風景
21_21 DESIGN SIGHTならではと言って良いグルーピング。私としてはともかくジャン=ポール・グードを知ったことが収穫でした。
10月5日まで開催されています。
「イメージメーカー展」 21_21 DESIGN SIGHT
会期:7月4日(金)~10月5日(日)
休館:火曜日。但し9/23は開館。
時間:11:00~20:00(入場は19:30まで)
料金:一般1000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料。
*15名以上は各200円引。
住所:港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
交通:都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅、及び東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
「イメージメーカー展」
7/4-10/5
21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「イメージメーカー展」を見て来ました。
突然ですが、ジャン=ポール・グードというアーティストをご存知でしょうか。
1940年のフランス生まれ。1960年代初頭に制作を始め、後に「エスクワイア」誌のディレクターに就任。以来、約40年に渡って絵画やポスターデザイン、写真や映画、さらにはイベントなどで足跡を残している。シャネルの香水のCMのディレクションなども手がけていたそうです。
失礼ながらも私は全く知りませんでした。そして本展は半ば彼の独擅場と言っても良い。そもそも何やら謎めいた「イメージメーカー」という言葉自体、ジャン=ポール・グードが「自らの創作活動を特徴付ける言葉として用いているもの」(ちらしより引用)なのです。
会場内、撮影が出来ました。
ジャン=ポール・グード「構成主義のマタニティドレス(アントニオ・ロペスとのコラボレーション)」1979年
ではまずこの作品、「構成主義のマタニティドレス」はどうでしょうか。頭には三角帽子とビックリマーク。手には赤い日本風の扇子を持っている。まるで舞を披露しているような姿。人形型のオブジェです。そして巨大。私の拙い写真では分からないかもしれませんが、人の高さの2倍近く。天井付近まであるのです。
ジャン=ポール・グード 展示風景
そしてこれが動く。広い展示室を端から端まで移動します。また同じくポール=グードの「回転する機械仕掛けの人形」も可動式です。マタニティドレスがゆっくりした動きに対して、目まぐるしく動いている。すばやい回転です。そして会場内には三宅純作曲の音楽が鳴り響いている。音楽に合わせては踊る人形たち。それにしても奇抜な出立ちです。剣を持ち、漢字をあしらった衣装を着る。黒のコスチュームは悪魔のイメージでしょうか。思わず後ずさりしてしまいます。
ジャン=ポール・グード「回転する機械仕掛けの人形 聞かざる(デリア・ドハーティとのコラボレーション) 三宅純による作曲と編曲」2013-2014年
ちなみにこの彫刻、言わばキッチュなまでに日本的なイメージを取り込んでいますが、例えば踊る人形は日光東照宮の「三匹の猿」に着想を得ているとか。タイトルも見ざる、言わざる、そして聞かざるです。その何とも大胆で自由なイマジネーションには驚かされるものがあります。
ジャン=ポール・グード「フランス革命200周年記念パレード パリ、1989年7月14日」
そしてこの大掛かりなインスタレーション、まるでお祭りの山車のようでもありますが、実際に彼は1989年、パリはシャンゼリゼ通りで行われたフランス革命200周年記念パレードの演出を手がけたそうです。会場内ではパレードの様子がパネルで紹介されていますが、それを見るだけでも大変なスケール感が伝わるというもの。多くの観客の好奇心を捉えたに違いありません。
ジャン=ポール・グード「ギャラリー・ラファイエット パリ地下鉄内のポスター」2012年
また目を引くのが「ギャラリー・ラファイエット パリ地下鉄内のポスター」です、全16面のスクリーンを用いた映像作品ですが、ともかく見せ方が面白い。舞台はパリのメトロ。ホームにはデパートの広告が掲示されている。そこに滑り込む地下鉄。さもパリを旅しているかのような気分にもさせられます。
アートやデザインの範疇に留まらない奇想天外なまでの展示。これぞ鬼才とも言うべきなのでしょう。もはや好き嫌い云々は問題にならないかもしれません。彼の世界観は他を圧倒していました。
デヴィッド・リンチ「リトグラフィ」2007-2013年 カルティエ現代美術財団
なおイメージメーカー展はポール=グードを含め6名のアーティストが参加したグループ展。人気はデヴィッド・リンチかもしれません。リトグラフの出展です。モノクロームの世界に心象風景を投影しています。
舘鼻則孝「アイデンティティーカラム」2014年
ファッションの分野で活動する舘鼻則孝も目立つ。不思議な足形や靴のオブジェが並びます。
ジャン=ポール・グード 展示風景
21_21 DESIGN SIGHTならではと言って良いグルーピング。私としてはともかくジャン=ポール・グードを知ったことが収穫でした。
10月5日まで開催されています。
「イメージメーカー展」 21_21 DESIGN SIGHT
会期:7月4日(金)~10月5日(日)
休館:火曜日。但し9/23は開館。
時間:11:00~20:00(入場は19:30まで)
料金:一般1000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料。
*15名以上は各200円引。
住所:港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
交通:都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅、及び東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
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