都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「竹中大工道具館」新館オープン
1984年、日本唯一の大工道具の博物館として神戸市中山に開館した竹中大工道具館。全面新装です。この秋、2014年10月4日、新神戸駅前にリニューアルオープンします。
「鉋」
©Philippe Weisbecker
竹中大工道具館新館 2014/10/4~
新しい竹中大工道具館の資料を頂戴しました。こちらでもご紹介しましょう。
竹中大工道具館 外観
まずは場所です。神戸市中央区熊内町(くもちちょう)。市中心部の三宮からは北へ2キロ弱程度。山陽新幹線と市営地下鉄の交差する新神戸駅のすぐ近くです。またそもそも竹中工務店は設立当初、神戸を本店としていた。言わばゆかりの地でのオープンとなります。
玄関
同道具館が開設以来30年に渡って収集した資料は3万点超。来館者もこれまで25万人を数えるに至ります。しかしながら建物や施設などの老朽化は否めない。そもそも収蔵スペースも不足していたそうです。それを一気に解消するための新装でもあります。
中庭
さて現地は六甲山麓の緑豊かなロケーション。周辺環境との調和を意識してのことでしょう。建物は地上1階、地下2階。外観は和風。淡路のいぶし瓦を用いての瓦葺きです。ロビーには地元の木工作家の手によるテーブルとチェアも用意されている。また全面ガラス張りの建物からは六甲山の山並みも一望出来ます。反対の海側には枯山水庭園も作られるそうです。
1階ロビー
ロビー階の天井部分にも注目です。上部へ少しせり上がっているように見える。これは「舟底天井」と呼ばれる仕上げ。天然の無垢材を利用しているそうです。
地下1階吹き抜け
新しい展示室には収蔵資料のうち1千点が並びます。もちろん鋸、鑿、鉋、墨掛道具などの大工道具もずらり。現在では使われなくなった道具も展示されるとか。一口に道具といえども様々なバリエーションがあるそうです。
地下2階常設展示イメージ図
また高い専門性のゆえ、ともすると身近に感じにくいかもしれない大工の技。その点を分かりやすく伝える工夫も抜かりありません。キーワードは「直感的」です。模型や映像資料、さらには触って学べる「ハンズオン展示」を採用。ファミリーでも楽しめる「木の香りボックス」や「砥石を顕微鏡でのぞいてみよう」などの体験コーナーも開設されます。
地下2階常設展示鳥瞰図
また展示は単に大工道具を揃えるだけでなく、大工仕事のほか、大工と密接に関わった木造建築なども幅広く紹介。常設展は7章立て。テーマ別での構成です。
「歴史への旅」
「棟梁に学ぶ」
「道具と手仕事」
「世界を巡る」
「和の伝統美」
「名工の輝き」
「木を活かす」
例えば「歴史への旅」では日本の木造建築の推移を辿りながら大工道具の歴史を俯瞰。また「棟梁に学ぶ」では職人の仕事を模型や図面ともに紹介します。一方で「世界を巡る」は文字通り世界の大工道具を展示。とりわけヨーロッパと中国に着目するそうです。さらに「和と伝統美」や「名工の輝き」では職人の作り上げた優品を展観。大工道具から広がる世界を堪能出来るように展示されています。
茶室スケルトン模型
モデル:重要文化財「大徳寺玉林院蓑庵」
実寸大模型も目玉です。うち高さ7メートルにも及ぶのが唐招提寺金堂の柱と組物。また木造住宅の小屋組みや精巧な数寄屋造りを見られるスケルトン茶室も再現。うち茶室は大徳寺玉林院の蓑庵がモデルになるそうです。
また「みる」に「さわる」だけでなく、「つくる」も同道具館の特徴。木工室によるワークショップです。かつての旧館同様、宮大工の指導の元に鉋削りをはじめとした大工道具を体感出来る。子どもだけでなく大人向けの実演プログラムも用意されているそうです。
さらに新装オープンにあわせミュージアムショップも開設します。ここでは同道具館のオリジナルグッズも販売されるとか。また各種企画展にあわせて書籍やグッズなども入れ替わるそうです。
日本の大工道具
©Hiroshi Yoda
「日本の道具はおもしろい。その魅力、より深く分かりやすく。」とうたう竹中大工道具館。鑿で削り、鉋をかけることは誰しもが一度は体験したこと。それをプロの視点から改めて学べるチャンスでもあります。美術ファンのみならずも楽しめる施設になるのではないでしょうか。
竹中大工道具館新館現地案内図
竹中大工道具館の新館は2014年10月4日に新神戸駅前にオープンします。
「竹中大工道具館」
時間:9:30~16:30 入館は16時まで。
休館:月曜日。祝日の場合は翌日。年末年始(12/29~1/3)。
料金:一般500円 、大高生300円、65歳以上200円、中学生以下無料。
*団体割引は20名以上。
住所:神戸市中央区熊内町7-5-1
TEL:078-242-0216 FAX:078-241-4713
URL:http://dougukan.jp
交通:JR山陽新幹線新神戸駅中央改札口より徒歩3分。神戸市営地下鉄新神戸駅北出口2より徒歩3分。駐車場(6台)あり。
「鉋」
©Philippe Weisbecker
竹中大工道具館新館 2014/10/4~
新しい竹中大工道具館の資料を頂戴しました。こちらでもご紹介しましょう。
竹中大工道具館 外観
まずは場所です。神戸市中央区熊内町(くもちちょう)。市中心部の三宮からは北へ2キロ弱程度。山陽新幹線と市営地下鉄の交差する新神戸駅のすぐ近くです。またそもそも竹中工務店は設立当初、神戸を本店としていた。言わばゆかりの地でのオープンとなります。
玄関
同道具館が開設以来30年に渡って収集した資料は3万点超。来館者もこれまで25万人を数えるに至ります。しかしながら建物や施設などの老朽化は否めない。そもそも収蔵スペースも不足していたそうです。それを一気に解消するための新装でもあります。
中庭
さて現地は六甲山麓の緑豊かなロケーション。周辺環境との調和を意識してのことでしょう。建物は地上1階、地下2階。外観は和風。淡路のいぶし瓦を用いての瓦葺きです。ロビーには地元の木工作家の手によるテーブルとチェアも用意されている。また全面ガラス張りの建物からは六甲山の山並みも一望出来ます。反対の海側には枯山水庭園も作られるそうです。
1階ロビー
ロビー階の天井部分にも注目です。上部へ少しせり上がっているように見える。これは「舟底天井」と呼ばれる仕上げ。天然の無垢材を利用しているそうです。
地下1階吹き抜け
新しい展示室には収蔵資料のうち1千点が並びます。もちろん鋸、鑿、鉋、墨掛道具などの大工道具もずらり。現在では使われなくなった道具も展示されるとか。一口に道具といえども様々なバリエーションがあるそうです。
地下2階常設展示イメージ図
また高い専門性のゆえ、ともすると身近に感じにくいかもしれない大工の技。その点を分かりやすく伝える工夫も抜かりありません。キーワードは「直感的」です。模型や映像資料、さらには触って学べる「ハンズオン展示」を採用。ファミリーでも楽しめる「木の香りボックス」や「砥石を顕微鏡でのぞいてみよう」などの体験コーナーも開設されます。
地下2階常設展示鳥瞰図
また展示は単に大工道具を揃えるだけでなく、大工仕事のほか、大工と密接に関わった木造建築なども幅広く紹介。常設展は7章立て。テーマ別での構成です。
「歴史への旅」
「棟梁に学ぶ」
「道具と手仕事」
「世界を巡る」
「和の伝統美」
「名工の輝き」
「木を活かす」
例えば「歴史への旅」では日本の木造建築の推移を辿りながら大工道具の歴史を俯瞰。また「棟梁に学ぶ」では職人の仕事を模型や図面ともに紹介します。一方で「世界を巡る」は文字通り世界の大工道具を展示。とりわけヨーロッパと中国に着目するそうです。さらに「和と伝統美」や「名工の輝き」では職人の作り上げた優品を展観。大工道具から広がる世界を堪能出来るように展示されています。
茶室スケルトン模型
モデル:重要文化財「大徳寺玉林院蓑庵」
実寸大模型も目玉です。うち高さ7メートルにも及ぶのが唐招提寺金堂の柱と組物。また木造住宅の小屋組みや精巧な数寄屋造りを見られるスケルトン茶室も再現。うち茶室は大徳寺玉林院の蓑庵がモデルになるそうです。
また「みる」に「さわる」だけでなく、「つくる」も同道具館の特徴。木工室によるワークショップです。かつての旧館同様、宮大工の指導の元に鉋削りをはじめとした大工道具を体感出来る。子どもだけでなく大人向けの実演プログラムも用意されているそうです。
さらに新装オープンにあわせミュージアムショップも開設します。ここでは同道具館のオリジナルグッズも販売されるとか。また各種企画展にあわせて書籍やグッズなども入れ替わるそうです。
日本の大工道具
©Hiroshi Yoda
「日本の道具はおもしろい。その魅力、より深く分かりやすく。」とうたう竹中大工道具館。鑿で削り、鉋をかけることは誰しもが一度は体験したこと。それをプロの視点から改めて学べるチャンスでもあります。美術ファンのみならずも楽しめる施設になるのではないでしょうか。
竹中大工道具館新館現地案内図
竹中大工道具館の新館は2014年10月4日に新神戸駅前にオープンします。
「竹中大工道具館」
時間:9:30~16:30 入館は16時まで。
休館:月曜日。祝日の場合は翌日。年末年始(12/29~1/3)。
料金:一般500円 、大高生300円、65歳以上200円、中学生以下無料。
*団体割引は20名以上。
住所:神戸市中央区熊内町7-5-1
TEL:078-242-0216 FAX:078-241-4713
URL:http://dougukan.jp
交通:JR山陽新幹線新神戸駅中央改札口より徒歩3分。神戸市営地下鉄新神戸駅北出口2より徒歩3分。駐車場(6台)あり。
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