都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「アートアワードトーキョー丸の内2016」 丸ビル
丸ビル1階マルキューブ、3階回廊
「アートアワードトーキョー丸の内2016」
7/25〜8/3

丸ビルで開催中の「アートアワードトーキョー 丸の内 2016」を見てきました。
全国の美大の卒業制作などから選抜された若いアーティストらの作品を紹介するアートアワードトーキョー丸の内。今年で第10回目を迎えました。
出展作家は全20名。既に会期初日、専門家諸氏による審査が行われ、グランプリ以下、10賞が決定しました。
「アワード」@アートアワードトーキョー丸の内2016

村上勇気「大気圏」 2016年 東京藝術大学大学院 グランプリ
その栄えあるグランプリに選ばれたのが林田勇気の「大気圏」です。高さ4メートルにも及ぶ巨大な木彫作品、素材は樟でした。台座の上に立つのはおそらくは少年です。分厚いダウンコートを着てはブーツを履いています。手には手袋をはめていました。凍てつく寒さの中にいるのでしょうか。とすると周囲の装飾物も雪の結晶のようにも見えなくもありません。

村上勇気「大気圏」(部分) 2016年
目線は下方、睨むように下を向いています。両手で四角いガラスのボックスを持っていました。何を意味するのでしょうか。どこか恭しくもあります。木彫の質感、特に立体感が素晴らしい。まるで絵具や石膏を盛り固めたような表面も独特でした。

丸山純「間」 2015-16年 名古屋造形大学 小山登美夫賞
同じく木彫では丸山純の「間」も目立つのではないでしょうか。大きな円柱状の彫刻、一つは鳥のようにも見えます。表面は荒々しい。チェーンソーの跡かもしれません。無数の傷がついています。所々、くり抜かれていました。中には別のオブジェがあります。まるで大きな樹木の中に寄生する生きものようでした。

高山夏希「From as one」 2015-16年 東京造形大学大学院 後藤繁雄賞
平面では高山夏希の「From as one」に惹かれました。2対のキャンバス、何かの動物に跨る人の姿が描かれています。1つは馬、あるいは驢馬でしょうか。素材はアクリルと油彩です。何やら糸が紡ぐように広がっています。モチーフは北極圏のイヌイットとありました。1人は大きな瞳をこちらに向けています。気がつけば確かに寒々しい。雪の中を進んでいるのかもしれません。制作に際しては絵具を削り取ってもいるそうです。それゆえの表面の質感も魅惑的でした。

村上早「息もできない」 2015年 武蔵野美術大学大学院 フランス大使館賞
村上早の「息もできない」はどうでしょうか。ほぼモノクローム、銅版画です。黒く太い線が揺らいではモチーフを象ります。逆さになるのはスカートをはいた女性です。両手を開き、長い髪を振り乱しています。対に交わるのは犬でしょうか。あまりにも大きい。女性を抱くようにして転がっています。

吉田桃子「FL.stay」 2016年 京都市立芸術大学大学院 三菱地所賞
吉田桃子の「FL.stay」にも目がとまりました。計2面、何やら映像のワンシーンのようです。その意味では動きも伴います。とは言え、モチーフは明らかではありません。何層もの皮膜に覆われています。下方には無数の絵具が垂れていました。何でも音楽を聴いている時に想像するイメージを表しているのだそうです。一体、どのような音楽が流れていたのでしょうか。

アルベルト・ヨナタン・セティアワン 「Solar Worship」 2015-16年 京都精華大学大学院
確かに瞑想の場のようでした。アルベルト・ヨナタン・セティアワンは「Solar Worship」においてマンダラや人間の精神をテーマとする空間を作り上げています。床で円状に広がるのは「太陽の礼拝」。テラコッタで出来ています。実際に座り、拝むことは叶いませんが、ほかとは異なる神聖な気配を感じました。

「アートアワードトーキョー丸の内2016」3階会場風景
10回展を記念したのか、今年は前年の丸ビル1階マルキューブだけでなく、3階の回廊も会場となっています。2会場制です。すぐ横のエスカレーターで簡単に行き来出来ます。観覧の際はご注意下さい。

「アートアワードトーキョー丸の内2016」1階会場風景
入退場自由、無料の展示です。8月3日まで開催されています。
「アートアワードトーキョー丸の内2016」 丸ビル1階マルキューブ、3階回廊
会期:7月25日(月)~8月3日(水)
休廊:会期中無休
時間:11:00~21:00
料金:無料
住所:千代田区丸の内2-4-1 丸ビル1階、3階
交通:JR線東京駅丸の内地下中央口、東京メトロ丸ノ内線東京駅より地下直結。東京メトロ千代田線二重橋前駅7番出口より地下直結
「アートアワードトーキョー丸の内2016」
7/25〜8/3

丸ビルで開催中の「アートアワードトーキョー 丸の内 2016」を見てきました。
全国の美大の卒業制作などから選抜された若いアーティストらの作品を紹介するアートアワードトーキョー丸の内。今年で第10回目を迎えました。
出展作家は全20名。既に会期初日、専門家諸氏による審査が行われ、グランプリ以下、10賞が決定しました。
「アワード」@アートアワードトーキョー丸の内2016

村上勇気「大気圏」 2016年 東京藝術大学大学院 グランプリ
その栄えあるグランプリに選ばれたのが林田勇気の「大気圏」です。高さ4メートルにも及ぶ巨大な木彫作品、素材は樟でした。台座の上に立つのはおそらくは少年です。分厚いダウンコートを着てはブーツを履いています。手には手袋をはめていました。凍てつく寒さの中にいるのでしょうか。とすると周囲の装飾物も雪の結晶のようにも見えなくもありません。

村上勇気「大気圏」(部分) 2016年
目線は下方、睨むように下を向いています。両手で四角いガラスのボックスを持っていました。何を意味するのでしょうか。どこか恭しくもあります。木彫の質感、特に立体感が素晴らしい。まるで絵具や石膏を盛り固めたような表面も独特でした。

丸山純「間」 2015-16年 名古屋造形大学 小山登美夫賞
同じく木彫では丸山純の「間」も目立つのではないでしょうか。大きな円柱状の彫刻、一つは鳥のようにも見えます。表面は荒々しい。チェーンソーの跡かもしれません。無数の傷がついています。所々、くり抜かれていました。中には別のオブジェがあります。まるで大きな樹木の中に寄生する生きものようでした。

高山夏希「From as one」 2015-16年 東京造形大学大学院 後藤繁雄賞
平面では高山夏希の「From as one」に惹かれました。2対のキャンバス、何かの動物に跨る人の姿が描かれています。1つは馬、あるいは驢馬でしょうか。素材はアクリルと油彩です。何やら糸が紡ぐように広がっています。モチーフは北極圏のイヌイットとありました。1人は大きな瞳をこちらに向けています。気がつけば確かに寒々しい。雪の中を進んでいるのかもしれません。制作に際しては絵具を削り取ってもいるそうです。それゆえの表面の質感も魅惑的でした。

村上早「息もできない」 2015年 武蔵野美術大学大学院 フランス大使館賞
村上早の「息もできない」はどうでしょうか。ほぼモノクローム、銅版画です。黒く太い線が揺らいではモチーフを象ります。逆さになるのはスカートをはいた女性です。両手を開き、長い髪を振り乱しています。対に交わるのは犬でしょうか。あまりにも大きい。女性を抱くようにして転がっています。

吉田桃子「FL.stay」 2016年 京都市立芸術大学大学院 三菱地所賞
吉田桃子の「FL.stay」にも目がとまりました。計2面、何やら映像のワンシーンのようです。その意味では動きも伴います。とは言え、モチーフは明らかではありません。何層もの皮膜に覆われています。下方には無数の絵具が垂れていました。何でも音楽を聴いている時に想像するイメージを表しているのだそうです。一体、どのような音楽が流れていたのでしょうか。

アルベルト・ヨナタン・セティアワン 「Solar Worship」 2015-16年 京都精華大学大学院
確かに瞑想の場のようでした。アルベルト・ヨナタン・セティアワンは「Solar Worship」においてマンダラや人間の精神をテーマとする空間を作り上げています。床で円状に広がるのは「太陽の礼拝」。テラコッタで出来ています。実際に座り、拝むことは叶いませんが、ほかとは異なる神聖な気配を感じました。

「アートアワードトーキョー丸の内2016」3階会場風景
10回展を記念したのか、今年は前年の丸ビル1階マルキューブだけでなく、3階の回廊も会場となっています。2会場制です。すぐ横のエスカレーターで簡単に行き来出来ます。観覧の際はご注意下さい。

「アートアワードトーキョー丸の内2016」1階会場風景
入退場自由、無料の展示です。8月3日まで開催されています。
「アートアワードトーキョー丸の内2016」 丸ビル1階マルキューブ、3階回廊
会期:7月25日(月)~8月3日(水)
休廊:会期中無休
時間:11:00~21:00
料金:無料
住所:千代田区丸の内2-4-1 丸ビル1階、3階
交通:JR線東京駅丸の内地下中央口、東京メトロ丸ノ内線東京駅より地下直結。東京メトロ千代田線二重橋前駅7番出口より地下直結
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