「トラフ展 インサイド・アウト」 TOTOギャラリー・間

TOTOギャラリー・間
「トラフ展 インサイド・アウト」 
10/15~12/11



TOTOギャラリー・間で開催中の「トラフ展 インサイド・アウト」を見てきました。

2004年に鈴野浩一と禿真哉によって設立されたトラフ建築設計事務所。その設計のアイデアを思いもよらない形で見ることが出来ました。



会場に入って驚きました。大きなテーブルの上には無数の「オブジェ」が並びます。カラフルで形も様々です。まるでおもちゃ箱をひっくり返したかのようでした。



よく見ると建築模型らしきものもありますが、スヌーピーの人形やサッカーボール、はたまたワインボトルに鏡などの日用品も多数。さらに植物や用途の明らかではない素材も少なくありません。その合間を縫うように一本のNゲージの線路が敷かれていました。初めは何が起きているのか分かりませんでした。

実はこれらは、初期から最新のプロジェクトを完成させる過程の中で、「手がかりとなったもの、インスピレーションを受けた」(ギャラリーサイトより)ものだったのです。まさに思考のプロセスそのものが形をとって展開しています。



サッカーボールはどうでしょうか。これはシアン、マゼンタ、イエローを混ぜるとブラックになる原理でデザインしたボールです。と思えば、その奥のパネルは神宮前の「INHABITANT STORE TOKYO」で使った天井パネルの試作というから面白い。素材もアイデア自体もないまぜになっています。



天井から吊り下がるドライフラワーはシルエットを窓に映すためのインテリアです。また指にはめるおもちゃは北海道の土産屋で購入した楽器でした。それを生き物として見立てています。自由な発想は留まるところを知りません。



本棚の一部のような箱は「コロロデスク」。顔を突っ込むと部屋のように見えることから名付けられました。ちなみにぶら下がるランプのシェードは何とニンジンです。薄切りにして貼り合わせています。淡い光が滲み出していました。



照明を当てると影を落とすというガラスのドームは美しい。ちなみの写真手前のサークル状のコートは、新たなコミュニケーションを生むべく考え出されたサッカー場だそうです。実現したら一体どのような試合になるのでしょうか。想像もつきません。



各オブジェの側には一切の解説はありません。あくまでも番号のみ。それがガイドマップと対応します。率直なところオブジェを見るだけでは見当もつきません。ガイドの解説を読んでは初めて理解し得る場合が殆どです。ガイドにも宝探しとありましたが、まるでクイズのようでした。



中庭ではお馴染みの岩を魚に見立てていました。とすれば青い養生カーテンは水の青、上の防虫ネットは水面を表しているのでしょうか。

さらに1つ上のフロアではテーブルの上の線路の秘密が映像で明かされます。こちらは是非、会場でご覧下さい。

「トラフ建築設計事務所 インサイド・アウト/TOTO出版」

出品は全部で100点です。展示室だけでなく、2階のBookshopや1階や地階のセラトレーディングショールームにまで及んでいます。その一つ一つに建築へと至る意外なアイデアが詰め込まれていました。(ショールーム内の作品は営業時間外は観覧不可。)



12月11日まで開催されています。

「トラフ展 インサイド・アウト」 TOTOギャラリー・間
会期:10月15日(土)~12月11日(日)
休館:月曜、祝日。但し11月3日(木・祝)は開館。
時間:11:00~18:00
料金:無料。
住所:港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F
交通:東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口徒歩1分。都営大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅7番出口徒歩6分。
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