「アブラハム・クルズヴィエイガス展」 メゾンエルメス

メゾンエルメス
「The Water Trilogy 2 アブラハム・クルズヴィエイガス展」 
4/21~7/2



メゾンエルメスで開催中の「The Water Trilogy 2 アブラハム・クルズヴィエイガス展」を見てきました。

メキシコシティを拠点に活動する現代アーティスト、アブラハム・クルズヴィエイガスは、「訪ねた土地のローカルな素材」(解説より)に作品を制作してきました。

では「ローカル」とは、一体どのような素材に基づくのでしょうか。



まずは新聞でした。巨大なオブジェが宙吊りになっています。全面、日本の新聞です。雑誌なども無数に重ねています。さらに割り箸や竹も使用。いずれも日本で採取したのでしょう。オブジェはまるでビルのようでした。建築的とも呼べ得るかもしれません。実際、クルズヴィエイガスは、日本での建築運動、メタボリズムを参照しているそうです。



オブジェ下部には朝顔の植木鉢がぶら下がっています。思いがけない組み合わせです。とはいえ、外光の差し込むエルメスのスペースです。会期の進行に応じて成長するのかもしれません。



「ツマミディザスター」にも身近な素材が利用されています。板に古紙、雑誌類でした。一部に建築用の廃材も利用しているのかもしれません。無数の細い棒らしきものが突き出ています。ややトゲトゲしい。鳥の巣のようでもあります。私は生け花を連想しましたが、実際はどうなのでしょうか。



最も美しく感じたのは「ブラインド・セルフポートレート」でした。青や水色、時に深緑の紙がたくさん壁に貼られています。全体では山の形を築いています。まるでモザイクタイルのようでした。

この紙自体も「ローカルな素材」でした。というのも、段ボールや新聞の切り抜きのほか、作品制作で日本に滞在した際に溜まったレシートやクーポン、また手紙やチケットなどを用いているのです。それにアクリル絵具で色をつけています。



「リソース・ルーム」でも段ボールなどを使用。農作物や資材を運ぶ手押し車までも作品に引用しています。さらに水槽の中にはウーパー・ルーパーが泳いでいました。



クルズヴィエイガスは「美的な乱雑さ(混沌)」(解説より)をルーツとしているそうです。人で溢れかえる東京にどのようなカオスを見出したのでしょうか。


7月2日まで開催されています。

「The Water Trilogy 2 アブラハム・クルズヴィエイガス展」 メゾンエルメス
会期:4月21日(金)~7月2日(日)
休廊:会期中無休。
時間:11:00~20:00 
 *日曜は19時まで。入場は閉場の30分前まで。
料金:無料
住所:中央区銀座5-4-1 銀座メゾンエルメス8階フォーラム
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅B7出口すぐ。JR線有楽町駅徒歩5分。
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