都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
2018年8月に見たい展覧会~芳年・芳幾、そして内藤礼〜
関東では、熊谷で史上最高の41.1度を記録するなど、大変に暑い日々が続いています。いかがお過ごしでしょうか。
先日、閉幕した「ミラクル・エッシャー展」(上野の森美術館)が、大いに人気を集め、会期後半は長蛇の列が出来ました。最終的には、54日間で、20万名超もの入場者を集めたそうです。巡回先のあべのハルカス美術館(11/16~2019/1/14)でも、また混雑するかもしれません。
そのほか、夏休みを迎え、「デザインあ展 in TOKYO」(日本科学未来館)、「昆虫」(国立科学博物館)、「モネ それからの100年」(横浜美術館)などが、混み合ってきています。いずれの展覧会も、さらに大勢の人で賑わいそうです。
7月は思うように展覧会を見られませんでしたが、質量ともに圧倒的スケールだった「縄文」(東京国立博物館)、現代美術に魅せる作品の多い「モネ それからの100年」(横浜美術館)、そして竹工芸の精緻な技を目の当たりにした「線の造形、線の空間」(菊池寛実記念智美術館)が、強く印象に残りました。「縄文」に関しては、7月末に国宝6件も出揃ったため、近々、再度、見に行くつもりです。
それでは、8月に見たい展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・「第24回 秘蔵の名品 アートコレクション展─動物たちの息吹」 ホテルオークラ東京(~8/23)
・「ゆらぎ ブリジット・ライリーの絵画」 DIC川村記念美術館(~8/26)
・「名作展 ベストセレクション 龍子記念館の逸品」 大田区立龍子記念館(~8/26)
・「没後40年 濱田庄司展」 世田谷美術館(~8/26)
・「落合芳幾」 太田記念美術館(8/3~8/26)
・「小瀬村真美:幻画~像(イメージ)の表皮」 原美術館(~9/2)
・「三沢厚彦 ANIMALS IN YOKOSUKA」 横須賀美術館(~9/2)
・「第7回 新鋭作家展 見しらぬ故郷/なじみの異郷」 川口市立アートギャラリー・アトリア(~9/2)
・「琉球 美の宝庫」 サントリー美術館(~9/2)
・「ルーヴル美術館展 肖像芸術」 国立新美術館(~9/3)
・「水を描く―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお」 山種美術館(~9/6)
・「フィンランド陶芸―芸術家たちのユートピア」 目黒区美術館(~9/6)
・「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」 東京ステーションギャラリー(~9/9)
・「巨匠たちのクレパス画展 日本近代から現代まで」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(~9/9)
・「木版画の神様 平塚運一展」 千葉市美術館(~9/9)
・「江戸名所図屏風と都市の華やぎ」 出光美術館(〜9/9)
・「没後50年 河井寬次郎展」 パナソニック汐留ミュージアム(~9/16)
・「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界」 三菱一号館美術館(~9/17)
・「ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力」 東京都庭園美術館(~9/17)
・「杉浦邦恵 うつくしい実験」 東京都写真美術館(~9/24)
・「涯(ハ)テノ詩聲(ウタゴエ) 詩人 吉増剛造展」 渋谷区立松濤美術館(8/11~9/24)
・「芳年—激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」 練馬区立美術館(8/5~9/24)
・「内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える」 水戸芸術館(~10/8)
・「没後50年 藤田嗣治展」 東京都美術館(~10/8)
・「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」 21_21 DESIGN SIGHT(~10/14)
・「横山操展 ~アトリエより~」 三鷹市美術ギャラリー(8/4〜10/14)
・「マジック・ランタン 光と影の映像史」 東京都写真美術館(8/14~10/14)
・「いわさきちひろ生誕100年 Life展 あそぶ plaplax」 ちひろ美術館・東京(~10/28)
ギャラリー
・「第12回 shiseido art egg 宇多村英恵展」 資生堂ギャラリー(8/3~8/26)
・「Every Day Is A Good Day ―日々是好日」 スパイラルガーデン(8/6〜12)
・「現代陶芸 ‘90s」 ギャラリー小柳(~8/25)
・「棚田康司 全裸と布」 ミヅマアートギャラリー(8/1〜9/1)
・「竹中大工道具館企画展 南の島の家づくり-東南アジアとうしょ島嶼部の建築と生活」 ギャラリーA4(8/20~9/28)
・「藤村龍至展 ちのかたち」 TOTOギャラリー・間(7/31~9/30)
今月はまず浮世絵に着目したいと思います。練馬区立美術館で、幕末・明治の浮世絵師、月岡芳年の回顧展が開催されます。
「芳年—激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」@練馬区立美術館(8/5~9/24)
幕末の江戸に生まれ、国芳に入門し、明治維新後は、いわゆる血みどろ絵で名を知らしめた月岡芳年は、晩年に至るまで、武者絵や物語絵を描き続け、数多くの傑作を残しました。
近年でも、芳年に関する展示が行われたほか、出版物が刊行されるなど、その知名度も高まってきましたが、画業を網羅するような回顧展は、意外と行われませんでした。
まさに待望の芳年展です。世界屈指の芳年コレクションを有する西井正氣氏の収蔵品、250点超にて、芳年の画業の全般を俯瞰します。過去最大スケールの芳年展となりそうです。
その芳年とほぼ同時代の浮世絵師が、落合芳幾でした。太田記念美術館にて「落合芳幾」展が行われます。
「落合芳幾」@太田記念美術館(8/3~8/26)
芳幾も国芳の門人で、幕末は武者絵や戯画、美人画などの浮世絵を描き、明治には新聞や歌舞伎雑誌の創刊に関わるなどして、幅広く活動しました。
しかしながら、現在、その画業は知られているとは言えません。何せ、芳幾の全貌を紹介する「世界で初めて」(公式サイトより)の展覧会です。芳年展とあわせて見たいと思います。
最後は現代美術です。水戸芸術館にて、内藤礼の個展がはじまりました。
「内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える」@水戸芸術館(~10/8)
私が内藤礼に強く惹かれるきっかけになったのが、今から8年ほど前、2010年に、当時の神奈川県立近代美術館で見た、「内藤礼 - すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」と題した個展でした。インスタレーションが建物空間の魅力をさらに引き出すような展示で、なんとも言い難い、至福とも呼びうる体験をしたことを覚えています。
久しぶりの美術館での個展です。全て自然光のみで展示されるそうですが、水戸芸術館の空間へどう響くのかにも期待したいと思います。
7月はブログの更新がやや滞りました。8月もしばらく不定期で更新する予定です。いつもながらのマイペースとなりますが、何卒お付き合いくだされば幸いです。
先日、閉幕した「ミラクル・エッシャー展」(上野の森美術館)が、大いに人気を集め、会期後半は長蛇の列が出来ました。最終的には、54日間で、20万名超もの入場者を集めたそうです。巡回先のあべのハルカス美術館(11/16~2019/1/14)でも、また混雑するかもしれません。
そのほか、夏休みを迎え、「デザインあ展 in TOKYO」(日本科学未来館)、「昆虫」(国立科学博物館)、「モネ それからの100年」(横浜美術館)などが、混み合ってきています。いずれの展覧会も、さらに大勢の人で賑わいそうです。
【 #縄文 】本日より国宝6件が集結です。特別展「縄文」開幕以来展示していた4件に、長野県茅野市の「土偶 縄文のビーナス」と「土偶 仮面の女神」が加わりました。これで縄文の国宝全6件が初めて勢ぞろいしました!お見逃しなく! #jomon #Archaeology #考古 #고고학 https://t.co/Q34sGVviso pic.twitter.com/7NwlcWVTEM
— トーハク広報室 (@TNM_PR) 2018年7月31日
7月は思うように展覧会を見られませんでしたが、質量ともに圧倒的スケールだった「縄文」(東京国立博物館)、現代美術に魅せる作品の多い「モネ それからの100年」(横浜美術館)、そして竹工芸の精緻な技を目の当たりにした「線の造形、線の空間」(菊池寛実記念智美術館)が、強く印象に残りました。「縄文」に関しては、7月末に国宝6件も出揃ったため、近々、再度、見に行くつもりです。
それでは、8月に見たい展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・「第24回 秘蔵の名品 アートコレクション展─動物たちの息吹」 ホテルオークラ東京(~8/23)
・「ゆらぎ ブリジット・ライリーの絵画」 DIC川村記念美術館(~8/26)
・「名作展 ベストセレクション 龍子記念館の逸品」 大田区立龍子記念館(~8/26)
・「没後40年 濱田庄司展」 世田谷美術館(~8/26)
・「落合芳幾」 太田記念美術館(8/3~8/26)
・「小瀬村真美:幻画~像(イメージ)の表皮」 原美術館(~9/2)
・「三沢厚彦 ANIMALS IN YOKOSUKA」 横須賀美術館(~9/2)
・「第7回 新鋭作家展 見しらぬ故郷/なじみの異郷」 川口市立アートギャラリー・アトリア(~9/2)
・「琉球 美の宝庫」 サントリー美術館(~9/2)
・「ルーヴル美術館展 肖像芸術」 国立新美術館(~9/3)
・「水を描く―広重の雨、玉堂の清流、土牛のうずしお」 山種美術館(~9/6)
・「フィンランド陶芸―芸術家たちのユートピア」 目黒区美術館(~9/6)
・「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」 東京ステーションギャラリー(~9/9)
・「巨匠たちのクレパス画展 日本近代から現代まで」 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(~9/9)
・「木版画の神様 平塚運一展」 千葉市美術館(~9/9)
・「江戸名所図屏風と都市の華やぎ」 出光美術館(〜9/9)
・「没後50年 河井寬次郎展」 パナソニック汐留ミュージアム(~9/16)
・「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界」 三菱一号館美術館(~9/17)
・「ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力」 東京都庭園美術館(~9/17)
・「杉浦邦恵 うつくしい実験」 東京都写真美術館(~9/24)
・「涯(ハ)テノ詩聲(ウタゴエ) 詩人 吉増剛造展」 渋谷区立松濤美術館(8/11~9/24)
・「芳年—激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」 練馬区立美術館(8/5~9/24)
・「内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える」 水戸芸術館(~10/8)
・「没後50年 藤田嗣治展」 東京都美術館(~10/8)
・「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」 21_21 DESIGN SIGHT(~10/14)
・「横山操展 ~アトリエより~」 三鷹市美術ギャラリー(8/4〜10/14)
・「マジック・ランタン 光と影の映像史」 東京都写真美術館(8/14~10/14)
・「いわさきちひろ生誕100年 Life展 あそぶ plaplax」 ちひろ美術館・東京(~10/28)
ギャラリー
・「第12回 shiseido art egg 宇多村英恵展」 資生堂ギャラリー(8/3~8/26)
・「Every Day Is A Good Day ―日々是好日」 スパイラルガーデン(8/6〜12)
・「現代陶芸 ‘90s」 ギャラリー小柳(~8/25)
・「棚田康司 全裸と布」 ミヅマアートギャラリー(8/1〜9/1)
・「竹中大工道具館企画展 南の島の家づくり-東南アジアとうしょ島嶼部の建築と生活」 ギャラリーA4(8/20~9/28)
・「藤村龍至展 ちのかたち」 TOTOギャラリー・間(7/31~9/30)
今月はまず浮世絵に着目したいと思います。練馬区立美術館で、幕末・明治の浮世絵師、月岡芳年の回顧展が開催されます。
「芳年—激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」@練馬区立美術館(8/5~9/24)
幕末の江戸に生まれ、国芳に入門し、明治維新後は、いわゆる血みどろ絵で名を知らしめた月岡芳年は、晩年に至るまで、武者絵や物語絵を描き続け、数多くの傑作を残しました。
最後の浮世絵師「月岡芳年」の画業の全貌を紹介する展覧会「芳年ー激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」開催|Japaaan https://t.co/WfIkrisMdc #日本画 #浮世絵 #月岡芳年 #練馬区 #展覧会 #アート #イラスト pic.twitter.com/H359OWIEks
— Japaaan (@japaaan_com) 2018年7月31日
近年でも、芳年に関する展示が行われたほか、出版物が刊行されるなど、その知名度も高まってきましたが、画業を網羅するような回顧展は、意外と行われませんでした。
まさに待望の芳年展です。世界屈指の芳年コレクションを有する西井正氣氏の収蔵品、250点超にて、芳年の画業の全般を俯瞰します。過去最大スケールの芳年展となりそうです。
その芳年とほぼ同時代の浮世絵師が、落合芳幾でした。太田記念美術館にて「落合芳幾」展が行われます。
「落合芳幾」@太田記念美術館(8/3~8/26)
芳幾も国芳の門人で、幕末は武者絵や戯画、美人画などの浮世絵を描き、明治には新聞や歌舞伎雑誌の創刊に関わるなどして、幅広く活動しました。
本日7/29(日)は、#隅田川花火大会 。こちらは落合芳幾が描いた明治時代初期の隅田川花火大会です。人気の花魁や芸者、歌舞伎役者たちが船の上から派手な花火を楽しんでいます。原宿の太田記念美術館にて、8/3~8/26に開催する「落合芳幾」展で展示します。 pic.twitter.com/dre1ttfOL2
— 太田記念美術館 (@ukiyoeota) 2018年7月29日
しかしながら、現在、その画業は知られているとは言えません。何せ、芳幾の全貌を紹介する「世界で初めて」(公式サイトより)の展覧会です。芳年展とあわせて見たいと思います。
最後は現代美術です。水戸芸術館にて、内藤礼の個展がはじまりました。
「内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える」@水戸芸術館(~10/8)
私が内藤礼に強く惹かれるきっかけになったのが、今から8年ほど前、2010年に、当時の神奈川県立近代美術館で見た、「内藤礼 - すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」と題した個展でした。インスタレーションが建物空間の魅力をさらに引き出すような展示で、なんとも言い難い、至福とも呼びうる体験をしたことを覚えています。
【まもなく開催】内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える現代美術家・内藤礼による過去最大規模となる個展を開催します。本展より、高校生以下の方が入場無料になるなど、料金体系が変わります。ぜひご来場ください。7月28日[土]~ 10月8日[月]https://t.co/C8H0dTDYcv pic.twitter.com/TCGWdWqAEK
— 水戸芸術館 (公式) (@art_tower_mito) 2018年7月26日
久しぶりの美術館での個展です。全て自然光のみで展示されるそうですが、水戸芸術館の空間へどう響くのかにも期待したいと思います。
7月はブログの更新がやや滞りました。8月もしばらく不定期で更新する予定です。いつもながらのマイペースとなりますが、何卒お付き合いくだされば幸いです。
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