「フェルメール光の王国展 2018」 そごう美術館

そごう美術館
「フェルメール光の王国展 2018 フェルメール全37点のリ・クリエイト(複製画)で350年前の謎を解く」 
7/28~9/2



オランダの画家、ヨハネス・フェルメールの絵画を高精細に再現した、リ・クリエイト、すなわち複製画が、横浜のそごう美術館にて公開されています。

それが「フェルメール光の王国展 2018」展で、帰属に議論のある作品を含め、全37点の複製画が一堂に会しました。


「マリアとマルタの家のキリスト」

いずれも最新のデジタルマスタリング技術により、当時の色調やテクスチャを推測して作られた複製画で、実寸大であり、額までも所蔵美術館と同様に施されていました。


左:「絵画芸術」/右:「赤い帽子の女」

最も興味深い点は、作品の大きさを把握出来ることでした。と言うのも、国内ではフェルメールをまとめて見る機会が極めて少ない上に、そもそも全ての作品を一度に目にすることは叶いません。しかし、「フェルメール 光の王国展」では、複製とはいえ、制作年代順に作品を並べているため、それぞれの大きさを見比べられました。


「窓辺で手紙を読む女」

また、作品自体の再現度も思いの外に高く、フェルメール画に特有な光の粒の表現も細かに見ることが出来ました。もちろん、作品の前に停止線もなく、まさに目と鼻の先で観賞することも可能でした。


「デルフトの眺望」

やはり、充実しているのは、「デルフトの眺望」や「絵画芸術」で、特に前者は、マウリッツハイス美術館から門外不出とされるために、実物を見るためには、オランダのデン・ハーグへ行くほかありません。


「バロック・ギター」

前半の複製画に続くのが、フェルメールが作品に描いた楽器の展示でした。ここでは、「音楽の稽古」や「ヴァージナルの前に立つ女」などに登場するヴァージナルをはじめ、「ギターを弾く女」のバロック・ギターなどが並べられていました。いずれの当時のものではなく、近年に製作された楽器でした。


「手紙を書く女と召使い」一部再現展示

後半はフェルメールについての解説パネルで、ラストには、デルフトタイルが床面近くに置かれた、「手紙を書く女と召使い」の一部を再現したコーナーがありました。


「合奏」

1990年に盗難の被害にあり、今も行方不明である「合奏」の複製画も目を引くのではないでしょうか。会場内は、ほぼ全ての撮影が可能で、接写も出来ました。


左:「女と召使い」/右「天文学者」

さて、「フェルメール 光の王国展」として思い出すのは、2012年、当時の銀座ソトコトロハス内にオープンした「フェルメール・センター銀座」での展覧会でした。


「天文学者」(拡大)

やはり、同じく実寸大のフェルメール画の複製を紹介していて、アトリエ再現コーナーもありました。今回のように楽器の展示はなかったかもしれませんが、ほぼ同一の内容と捉えて差し支えありません。


「天秤を持つ女」(拡大)

以来、「フェルメール 光の王国展」は、1つのパッケージとして、全国各地を巡回しているようです。


「真珠の首飾りの少女」

秋に上野の森美術館で展覧会を控えた、フェルメールへ親しむための、1つの良い機会と言えるかもしれません。ちょうど夏休みの最中だけあってか、場内はファミリーで賑わっていて、記念撮影を楽しむ方も多く見受けられました。ジュニア版のガイドも充実していました。


「ヴァージナル」

9月2日まで開催されています。*作品写真は全て複製画。

「フェルメール光の王国展 2018 フェルメール全37点のリ・クリエイト(複製画)で350年前の謎を解く」 そごう美術館
会期:7月28日(土)~9月2日(日) 
休館:会期中無休。
時間:10:00~20:00 *入館は閉館の30分前まで。
料金:大人1000(800)円、大学・高校生800(600)円、中学生以下無料。
 *( )内は20名以上の団体料金。
住所:横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店6階
交通:JR線横浜駅東口よりポルタ地下街通路にて徒歩5分。
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